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クーリングオフ体験記

 直近で事案が発生しましたので世の中に共有します。やれやれ。

 4日にテレワークを終え、片付けなどしているときに母からのLINE(母はメールとこれを呼びます)があり、「おねえさんがリフォーム詐欺にあいそうです」と。おねえさんというのは私の父の姉、私の叔母です。実家と隣同士。
 弟である父が先に亡くなっていて独身で子供もいないので姪の我々が出動するしかありません。
 姉(これは私の姉)がどこにいるのか分かりませんでしたが、とにかく母が叔母のところに見に行ったら捺印した契約書があるということでしたので、姉には叔母に電話して様子を聞いてもらいつつ、早寝しないように頼んでもらい、私はバッグに実家の鍵とメモ帳を突っ込み、緊急出動しました。

 タクシーの中、スマホで区の消費者センターについて調べます。16時で終わり。まあそうだろうとも。しかしいろいろみていくと「ハガキにこのように通知書を書いて簡易書留や配達証明などで相手に出してクーリングオフをする」という一文が目に入りました。ハ、ハガキ。
 実家そばまで来ていましたが途中でタクシーを降り一番近いコンビニに走り、はがきを3枚購入。引き続き姉が電話で確認した内容がLINEに来たので確認。相手の会社の名前らしきものと、15,000円の金額などが確認できました。契約したのは1日と分かり、まだクーリングオフ期間だとちょっとだけ落ち着きました。
 まずは母のいる自分の実家の方へ…と思って家に近づくと叔母の玄関先から母の声が聞こえます。もしや、と実家のドアを確認すると鍵が開いたまま。おねーさんどうしてこんなのを、みたいな母の声が聞こえます。

 来ましたよ、あなたは鍵を閉めて下さい、こういうのが見られていてここで空き巣がきたら私の仕事が増えます、と最初から説教。母はでもでも、わかってるわよ!大きな声出さないでよ!と言ってましたがとにかく家に戻らせました。めんどくさ。知らせてくれてありがとう、は言っておきます。

 叔母の話を聞くと、1日に草むしりをしていたら男性が2人来て屋根がおかしいから見てあげますといって脚立をたてて上ってみてくれた、とのこと。数年前この人はキャッシュカードが使えなくなりますので取りに行きます、暗証番号教えてください、という典型的特殊詐欺にひっかかったのですが、今回も。
 で、屋根を見てもらったら瓦の上の丸くなってるのが針金みたいのでとめてあるところが緩んでいて雨漏りになるので、すぐ直した方がいいと言われたと言います。スマホで写真撮っていてそれを見せてもらったの、と叔母が言うので「その小さい画面で見てどこが駄目なのか分かった?よく見えなかったんじゃない?眼鏡もかけてなかったんじゃないのかな」と言うと「うん…まあ…でも、屋根は映ってたよ!」との返答。

 契約書をまじまじとみるとクーリングオフについても書かれたページがあり、これは昔家庭科で習った「賢い消費者」で見たやつとほぼ同じ、一応クーリングオフできるようにはしてるんだな、と確認。その後ろのアンケートというのが曲者で「私は自分で依頼しました はい/いいえ」「私は認知症と診断されていません はい/いいえ」…で、叔母がもっているほうはこのアンケートは空欄ですが、同じものを相手が持って帰っているはずなので、「そっちにはこのアンケート書いた?」と尋ねると「うーん、もう覚えてない」とのこと。そうかそうか、と安心してもらうために事務的に答えます。

 スマホで「このように書く」という見本を見ながらハガキを書きます。叔母の家は電球が切れているところも多く暗いので、必ずランタンを持っていきますがこの日ももう夕方だったのでそれをつけて書きました。が、またしてもこういうことに巻き込まれている情けなさと怒りといろいろで、手が震えました。

 署名だけ叔母にしてもらい、翌朝一番に消費者センターに電話して確認してもらってハガキを出そう。来た人間の名刺もありましたので全部をまとめて「借りるね」と持ち帰ることにしました。
 「ダメな会社なの?」と聞くので「うん、ダメ」と即答。腕がいくらよくても見積と契約を同時にさせる施工業者など、ダメです。携帯電話買うときはドコモなんかは「70歳以上は誰か付き添い連れてきて」ということになっているのに、こんな工事は一人で契約できちゃうのか…と思いながらもう一度「いきなり来たんだよね、草むしりしてたら」と不意打ち訪問販売であったことを確認しました。うん、とのこと。
 いつも頼んでる大工さんは?前から直した方がいいって言うと、あそこに電話するからいいって言っていたけど、と聞いてみるとあの人は忙しくて来てくれないだの、電話がつながらないだのと言います。うまく連絡がつかないところへやってきたこの話に飛びついてしまったんでしょう。

 そして姉が聞き取った金額「15,000円」は「150,000円」でした。もうろくに数字も見えない老人に住所など書かせ、捺印させたのだと思うと絶対にこれは回避しなければと思いました。
 いつもの大工さんにも連絡してみるけど、それより早くできるところがあれば頼もう、屋根も見てもらおう、というと少し安心した様子。雨漏りしてるの?と聞くと雨漏りはしてないとのこと。

 3日に「工事は8日の9時ごろです」と連絡があったというので、着信からその番号を拒否にしました。ただ、他にも本社や別の携帯電話もあり拒否にしたかったのですが電話の機能として着信からしか拒否設定が出来なかったので他の番号は放置。電話帳登録が自分でできないのがある種ガードになっており、番号しか表示されないものは出ない約束が、結局出ちゃって工事日確定になってしまったのか。
 「相手の名前を聞くやつが音がどうして小さいの」と謎の問いかけがあったのでもう一度電話を見るとどうやら音量が下がっている。多分いじってるうちにさがっちゃったんですね。最大にあげ、「この大きさで聞こえる?」と確認しようとしたとき、母がやってきました。おねーさん、おねーさん、と。

 あのさ、最後まで話終わってないんだけども…。叔母がよろよろとドアを開けて母になにか言っています。大丈夫?おかしいっておむかいさんが教えてくれたから、ハンコ押しちゃったの?など母が言っています。もうあなたにできることはないです、知らせてくれたのが最大のお手柄。そんじゃ明日またね、明日は、私、姉、ケアマネ以外の電話は出ないでね、といって去ります。叔母はショックで少し泣いていてさすがに気の毒に思いました。

 でもなんでまた結局私が主たる対応者になってしまったんだろう。あ、近いからか。来ちゃったからか。

 軽い後悔とともに、でもまあカード詐欺のときのショックよりはましだ、と言い聞かせ、母からなんで分かったのかを再度聞きます。屋根に人が上っているのをおむかいさんが見ていたのです。そしてなんかおかしいな…と思うこと数日、今日この日に母と偶然会って、あのね、変なのが隣に来ていたわよと教えてくれたのがきっかけでした。周辺は老人が亡くなったり施設に入って古い家が売られ、壊され、あちこちで新築工事していて、やたらと家の写真を撮っていた人がいた!おかしいと思っていた!と母が「私は分かっていた!」風に話しています。

 そんならそのときおかしいんだよねと言ってくれても…と思いながらもまあしょうがない。おむかいさんには感謝しかありません。

 母が消費者センターの188という番号と、区報のリフォーム相談会の記事を見せてきました。消費者センターのは区の直通のを知ってるけどありがとう。あとリフォーム相談会は毎週金曜日区役所でやってるとのことで、姉と相談してこれに叔母の家について相談しよう、金曜日どうにか時間を捻出しようとお互いあれこれ調整し始めました。姉は外せない仕事が日中あり、私はテレワークですが昼に食洗機の入れ替え工事があり、さらに午前か午後、どちらかが母を通院に連れていくという用事もあり、頭がパンクしそうになりました。取り急ぎ同僚にLINEでだいたいのことを連絡し、明日の休みを確保しました。

 何か食べていけと母が言いますがこっちは仕事の調整を付けて明日は休まねばなりません。とにかく今日は帰る、と玄関で言うと「ああよかった、これで眠れる」とのこと。「私は眠れないよ」と言って帰ります。この後どんだけいろいろ考えなきゃならないんだろう。まずは休みをとらねば。
 テレワークだったのでパソコンが手元にあります。上司と同僚に事情を伝え、1日休みますとメールしました。

 消費者センターのホームページを印刷して、明日かけるべき電話番号を確認しました。今日食べようと思っていたメロンがちょうどいい熟れ具合で、どうしても今日食べたい。あまり味は感じませんが、食べておきました。
 姉と電話で一通り報告。この中で「金曜日リフォーム相談にお母さんも行きたいんだって」…?あっそうなの?そんじゃ食洗機終わったら時間合わせて行きますか、と言う話になりました。とにかくまともな大工を手配していますよ、と言う風にしないとまた同じ手口にひっかかりかねません。

 母の行きたい、の主旨がわからなくて翌朝姉にLINEで聞くと、興味でしょ、行ってみたい、でも一人では最初は行けない、ってやつ、とのこと。買い物もしたいのかなとぼんやり思ったので、これは一瞬棚上げして9時半開始と同時に消費者センターに電話しました。かくかくしかじかと相談員の女性に話します。いきなり来たんですね?と何度も確認がありました。これとても大事なんだそうです。

 叔母様が契約者であるならば、本人が「本当にやめたい」と思っていることを確認しなきゃならないそうです。まあそうだろう…と思って出かける支度はしてありました。ところが「契約書見せてもらいたいんです」えっどどどのように?思わず尋ねると「メールアドレス申し上げますのでそこへ添付で送ってください」とのこと。本人確認とハガキの内容の添削程度で済むと思っていたが、これはやはりいちにち仕事になりそうです。

 えー…契約書持ってく方が楽だけど「叔母様を消費者センターまでお連れすることはできますか?」否。時間がかかりすぎる。無理です!メールで契約書送ります!終わったらすぐ叔母のところに行くので、私が付き添って一緒に電話するのでそれでいいですか!近いので!もう絶叫。すると相手も「すばらしい!そうしましょう!メールアドレスは…」

 一文字一文字アルファベットを聞き取ります。どこにも公開されていない悲劇。まあメールがバカスカきても困るのでしょう。これ、届かなかったらまた電話しなきゃだな…と思いながらも一旦電話を切りました。
 スマホで撮影でもいいのでしょうが、A4ならプリンターでスキャンできるので取り込みます。そして「5GBまでっていう容量があって」とおっしゃっていたのを思い出しながら無駄に枚数の多い契約書と見積書と名刺を3通に分けて送り、最後は私が出そうと思っているハガキもPDFで送り、いざ出動。

 …の、前に叔母に電話。これから行きますので、と。姉が同時に連絡をくれて何かできることはあるかというので叔母に電話して私に従うよう念押ししてもらいます。昨日よりは元気な声だったとのことで、言うとおりにしますと言っていたそうです。ほんとかなって感じの人ですが、昨日私が「こういうところは1回工事させたら次は台所、お風呂と次々に来るよ。押し売りだよ」と言ったとき顔色がさすがに変わったので、いけないところだったというのは分かったのでしょう。

 実家について靴下を履き替えて叔母の家へ。あちらの家に行くときは靴下を変えないと実家に入れてもらえないのです。まあそれくらいの混沌としたところなのですが。ちょうど母はこの日訪問マッサージとリハビリでしたので「ご自分の予定をこなすこと。私が戻ってくるまでおねーさん、とあっちに来ないこと。話が途中になってしまう」と厳しめに言いました。叔母に何かあれば我々に頼らねばならないのに、叔母のために私たちが奔走するとそれは気に入らなくてなにか気になる、ほんとうに老婆二人がめんどくさくてたまりません。

 叔母のところに行き、突然来たんだよね、そしてこれから消費者センターの人がこの契約やめたいですか?と聞くので、はい、やめたい、と言うこと、と打ち合わせます。この段階になっても「ダメな会社なのね?」を聞く叔母。「ダメな会社なので、区役所でリフォームについて相談ができるので早急にそれに行くようにします」と答えました。大工さんには何も言わない方がいい?というので、今回はやめてちょうだい、といいました。

 センターの人に電話します。今契約書確認していました、クーリングオフも書かれていますね…、では叔母様に、と電話を代わりました。経緯を聞かれてますが、ここで私の知らなかった事実、聞き出せなかった話が出ました。

 とっかかりは草むしりをしていたら男性2人が来て「この辺で工事をしているのですが、休憩で飲み物を買いに来たらお宅の瓦が落ちそうになっているのに気づいて。あとで脚立を持ってきてみましょうか」と話しかけてきたのだそうです。
 え?これは聞いてない、とびっくりしました。まあ叔母はそういう人で、身内に真実を言わないんですけれども。だいたい周辺にはコンビニもなく、自販機も工事のために撤去されています。逆にこの辺のどこで飲み物を買うの?と聞きたいくらいです。
 
 それで「じゃお願いします」と言ってしまったのだそうです。センターの人、しばし黙りました。頼んでしまっている…ところが微妙。しかし「その最初の訪問は突然だったんですね?」と確認してくれて、それを持ってアポなし訪問であることの確定がされたようでした。ヒヤッとしました。
 しばらくして脚立を持って二人が戻ってきて、屋根に上り写真をとり、見せてくれたと。センターの人も私と同じように「壊れているところは確認できましたか?」と聞いていました。「うーん…よく見えなかったけど、でもっ屋根は映ってましたよ!!」と言う叔母。
 その後、その場で見積もりが印刷され、相手が用意していた契約書書式が出てきて住所など書いたと叔母は話していました。相手が契約書の書式を持ってました、というのも大事なところなようです。書いたのは住所、名前、日にちですね?と私の送ったPDFを見ながら確認してくれていました。そして「この契約を取りやめたいということですか?」と質問があり、叔母が「…はい」といって確認完了となりました。

 電話を代わってもらい、今度は私の書いたハガキの添削です。私はこれを見て書いたのですが…

ホームページに見本が載っておりました
FAX番号記載ない会社もあるので、まずは郵便ハガキをご用意ください

 タイトルは「通知書」ではなく「解約通知書」とすること。
 宛名は「代表者様」で、契約書に取締役個人名が書いてあっても個人名は書かない。これは「もう代表者は代わりました」と逃れることがあるからだそうです。
 商品名というところは今回は工事なので「工事名」とします。ただしこれ、見積書と契約書で微妙に名称が違っていて「瓦棟ラバーロック」「棟ラバーロック」となっていて、契約書と同じように書きましょうということになりました。
 担当者は二人来たので二人の名前を書きます。これは名刺もあるので、個人名を記入。
 上記日付の契約は解除します、の他に、訪問販売は再訪を防止できるので「今後の勧誘もお断りします」を入れるとよいとアドバイス。もちろん書きます。
 最後にクーリングオフをする今日の日付、契約者住所、氏名、ここだけは叔母の自署で。
 前金も払っていないし、施工後支払いで実害がなかったのがよかったです。なにか商品も置いていっていないし。これがあるともうちょっと対応が必要だったかもしれないです。

 ハガキを書きなおすことになっちゃうのですが、とおっしゃっていましたが63円くらいなんてことないです。しかもあと2枚あります。電話を切って書いて、写真を撮りメールで送って添削してもらいます。なぜか裏側のデータだけ添付が弾かれるので別のメールアドレスから送るなどして、確認を待つこと15分。数々のプチトラブルを乗り越えねばなりませんでした。イライラするぅ。
 「オッケーです!画像は撮りましたね?郵便局で簡易書留で出して、その受付番号を知らせて下さい」

 叔母はその書き損じたハガキを寄こせ、交換してやるといいますがこれから郵便局に行くので断りました。なんだかどこまでもズレておられます。しかたないけど。

 郵便局の窓口で速達、簡易書留とハンコを押してくれたのをまた撮影します。無事受付されて番号が付きましたのでセンターにどこの郵便局から出したかも合わせて連絡します。同時にこれも写真をとってメールしました。
 「画像も送りました」というとありがとうございます!ではこれを持って相手に連絡します、とのこと。

 え、そんなことしてくれるの?

 半信半疑でそうですか、と答えました。この時点で12時近く。あまりお腹もすいていないけどこれから大工さん探しもするからお昼食べとこ。スマホから画像印刷をコンビニでやります。なんだかアプリがいるようでダウンロードから。なんでもやらねばなりません。正直、つらい。
 コンビニの複合機がATMと異様に近くて、スマホを見ながら引き出しをしている男性二人の手元が見えてしまう。何枚かカードをもってスマホを見ながらポチポチと。これは特殊詐欺の受け子とかいうやつでは?
 「あー、●●署にここからファックスできるのかなあー?」と大きめの声でいったところ、ぴたりと手が止まりとっとと出ていきました。他のコンビニでもやるんだろうけど、おのれ、あの一味に天罰が下りますように!世の中犯罪ばっかり!もう嫌!と思いながら無事印刷。叔母、母、姉、自分の分を印刷しました。

 叔母に電話してとにかくセンターが相手に言ってくれるそうだから昼休みにしてなんか食べよう、13時過ぎにまたそっちに行くと伝えました。お昼どこで食べようか?と言うのでいやもうおのおのでお願いしますね、といってサンドイッチを買って実家に戻りました。靴下を履き替えて上がります。

 マッサージが終わった母が、次のリハビリに備えて軽いランチ中。どうにかなりそう?というので、なりそうだよ、といって2階に上がり、もそもそお昼を食べました。いろいろ考えました。母が金曜日のリフォーム相談会に来たいのは自分の家のことではなく叔母の家のことであろう。我々がどうするのか見たい、何が分かるのか興味がある、というところでしょう。それを阻止して、金曜日のテレワーク&食洗機入れ替え、そして姉の仕事を死守したい。相談会に行くのならと金曜の通院を月曜にうまいことずらした話を、すったもんだの中姉から聞いていました。

 12時40分か…大工さん休憩中かな…と思いながら、叔母から聞き出したいつもの大工さん、●●さんの携帯にかけてみました。あのあの、あそこの老人の家のものなんですが、と名前などを言っていろいろ話すと思い出してくれました。で、屋根がね、ってことで、というと「ああー!何年か前も同じことで、屋根見てくれって言われて行きましたよ、そのときはなんでもないですよって言って終わったんですけど」とのこと。「今回は契約しちゃったんです」というと「ああー…」と絶望の声。叔母は電話したけど出ない、って言ってましたが実は全然大工さんには着信が残ってなかったそうで、実際には電話もする気力がなかったのかもしれません。

 解約手続きはしていますが、ほんとにおかしいのか確認しないと同じことを繰り返してしまうので来てもらうことはできないですか?と頼むと「はい、必ず」と言ってはくれたのですが「いつ」とは言えないとのこと。
 まあどこも混んではいるんだろうけども…。大変申し訳ないんだけど、今回はこういうことがあったので急いでいて、他の手配を探してもいいでしょうか、また余裕のあるときはお願いしたいと思いますので、と言うともちろんですよ、でも区役所の住宅課に電話してちゃんとしたところ紹介してもらいなさい、ネットや巡回してるところはだめですよ、とアドバイスまでしてくれました。

 13時、報告もしようとケアマネに電話してみました。あいにくお休み。そうですかあー実はこういうことがあってとにかく急ぎで来てもらえる大工さんか工務店を探していて、介護保険のリフォームもあるかと思うんですが、どこか工務店ご紹介いただけないですか?と尋ねると、介護保険の範囲しか分からないし私たち工務店さんとはやりとりしないんでえ、とのこと。こいつ出来ないな、というのは最初の事情を話してクーリングオフをしたとこなんですけど、のところで「大変でしたね」ではなく「ああそうですね」と答えたところで判断していたのですけど、そしたら区役所とかですかね…どこに連絡するのがいいですかね…、と大工さんに言われたことを思い出して言ってみると…

 「まあ区役所では具体的な業者さんのご紹介はないと思いますけど」

 ほんっとに寄り添わない包括センターだなあ!ありがとうございました、と電話を切りました。区報の「リフォーム相談会」の記事に住宅なんちゃら課の電話番号があったので電話して、金曜を待たずしてご相談したいことがあって、この相談会に来る団体さんの連絡先教えてもらえませんか?と聞いてみました。あっさりと「T土建っていう団体で電話相談もできるので、番号申し上げますね…、区役所の紹介で電話したって言ってください」と電話番号を教えてくれました。これ、包括センターでも案内できることなんじゃあないのかなあ?と思いつつもお電話。

 実は屋根のあれでこれで、と事情を話すとああー多いんですよねー、こちらがすぐ行ければいいんですけど屋根は脚立でのぼったくらいじゃよく分からないんですよ、どんなんでも足場は組むんです、とのこと。古いので全体的に見てもらえないだろうかと言うと、うーん屋根含むとなると7月になってしまいます…。おぉお。でも具体的な時期が出ただけ、なじみの大工さんよりは先が見えました。
 玄関ドアの建てつけもおかしくてあいちゃったりして防犯上とても心配で、というと所属の大工、工務店問わず探してみます、それは早急に、ただ今日明日は無理との返事でした。屋根の方も手配はしてくれるとのことで、お返事を待つしかないのですが7月と具体的な時期を言ってくれたので手配をお願いすることにしました。今日明日来てくれるならまた休みの調整をと思っていましたが、それは無理と分かってちょっとほっとしました。では手配できましたらご連絡します、と何日かかるのか分かりませんが、しつこく来週もどうでしょうかって電話しちゃえばいいやということで。

 そんなわけで姉には大工さん手配中ってことで叔母の家のことは進んだ、私金曜日のリフォーム相談会にはいかない、電話で相談すんだから連れてくなら母を連れて行って、と伝え、叔母のところへ戻りました。こういうわけでまだいつとは分からないけど、大工さんお願いしているから。だからまたああいうのが来ても「頼んでるんだ」ってことを思い出して断って下さいね、と説明。いつもの大工さんも電話に出てくれたけどいつ来れるか分からないんだって、と言いました。
 「●●さんでた?」と言う叔母。もしかしたら固定にだけかけていて携帯にはかけてなかったんかもな…1回でなかったらそれで諦めるって、母もよくあるもんね…と思いました。

 ととととにかく!!区役所紹介のところに頼んでいるわけです!と強調。「正式な」が好きな人なので「区役所紹介のところに正式に頼んでいますので!」とさらに強調しました。もう●●さんにも今回は連絡しなくていいから、というと「なにもしなくていいのね」と確認されました。ケアマネの電話には出てね、といって撤退。
 母にも説明して、印刷したハガキの画像を渡して帰りました。このあとリハビリが来るはず。

 帰りのバスに乗ったところで消費者センターから電話があり、切りたくないので小声で聞きました。センターから相手の会社に電話してこういう通知書がいきますが、クーリングオフ受け入れますか?と聞いたそうです。Mっていうのが「受け入れます」とはっきり言いましたので、これでクーリングオフ完了です!と言われ、めまいがしました。やっと…。9時半から初めて14時に完了。やることの合間に母の対応もあって、なんかすごい工程を乗り越えた気がします。
 途中でコメダに吸い込まれ、大きいサイズのアイスコーヒーとシロノワールのフルサイズを頼み、食べながら叔母、姉、母に完了の報告を入れました。あー疲れた。明日は土地を手放したい計画で弁護士さんとまたオンライン面談があるし、片付いてよかった、としか言えないです。

 なんか忘れてるなあと思いながらシロノワールを胸やけしながら平らげました。高級スーパーにも吸い込まれ、胸やけしているのにうなぎ弁当など買ってしまいました。ああ余計な散財。でも自分を甘やかさないと死んでしまいそうだ。おねえさんが満面の笑みで、中の柴漬けを取り出して、レンジ600W1分あっためてくださいね!と教えてくれました。まぶしい笑顔。

 食べすぎなのでその後は歩いて帰宅。途中で同僚にも終わりました、明日は出勤して早退して弁護士、と予定を書き「激しい週になりましたね。食洗機の予定を守り切れてよかった」なんて返信をもらってへとへとになって自宅に着きました。シャワーをしてひと段落したところで思い出しました。

 母はなぜリフォーム相談会に来たいのか??忘れてたのはこれでした。
 電話して「うちの方の話?叔母宅の話?」と聞くと「叔母宅の話」だといいます。あ、やっぱり。
 もうね、あちらのほうは大工さん手配したから金曜日相談することなくなったの、だから私行かないの、それでも母は行くのですか?と言いましたら「おねえさんちのお風呂が心配なのよぅ!」となぜか食い込んでこようとします。
 めんどくさいなあ。あなたが叔母宅のお風呂のリフォームのこと聞いて、おねえさんこういうのがあるんですって、といっても理解しないだろうしまたぷんすかするだけでしょうに。何十年繰り返しているのよ。

 「それも含めて見に来てもらえる人を頼んだから、金曜日区役所に用事ないよ」
 「なんだあ、そんなら、いいや」
 でしょうよ。金曜日を死守するために必死になって電話しまくったのです。姉に伝えて金曜日はなにも予定がなくなったことを喜び合いました。

 木曜日。出勤。皆が「急に休んだから、発熱か?母か?叔母か?」って心配したんだよーと口々に言います。母か?叔母か?ってのが状況分かっててすごいですが、叔母です、そしてこうでした、というと「うわあー!」と絶叫。みなそういう高齢者を抱えながら仕事をしているのですね。
 始業後すぐにケアマネさんから電話。廊下に出て話をして、いや大変でしたねそれは、と話をしました。ついでに昨日の塩対応について話すと「えっ…リフォーム…住宅課をご紹介することになってるのにそれは…」と驚いていました。私の必死さが伝わらなかったようで、冷たく感じちゃいましたね、ということだけは言いました。そんなのにハンコ押しちゃうようには見えませんが…と驚くケアマネさん。ごめんねー、数年前にも詐欺にあってて、もう私のほうが面倒みるの限界なんです、って伝えると「うーん」とのこと。でも今のままでは同じことが起きるので、なにか対策はしたいです。施設に入るか、めんどくさいけど後見人をつけるか。制限がつきますけど契約の解除権をもった人にいてもらいたい気持ちです。
 遺言書を頼んだ司法書士の先生がいるので、お金かかってもその人にお願いするとかなんか考えたいと訴えると「えっそこまでの対策をされているんですね」って…、叔母「なにもありません」って毎度言ってたんでしょうね…。話し合いをすることになりました。本人が一番必要感じてないと思うけども。

 お昼に通知のハガキ届いたかなって郵便追跡をしたら「ご不在のため持ち帰り」え、会社なのに?は?休業日?え?なんだ?
 弁護士面談のために早退だったので16時前に消費者センターに電話して、相手が受け取ってないんですけど、と言うと「ああいう会社はわざと受け取らないことがあるんです」とのこと。

 知らない。なにそれ。場所だけ借りていて無人ってこと?電話はどこでも受けられるから?そんでぐるぐる回りながら詐欺まがいの工事をしているってこと?1日契約の8日工事予定って、クーリングオフ期間最終日に工事してあとから解除できないようにする日程?8日間はあけないと指導されちゃうから?

 いろんなことが頭を巡ります。しかし「クーリングオフの通知というのは、相手に届く、届かないにかかわらず発信した時点で効力を持ちます。郵便局の受付がされたところで効力はあるんです。そして電話でも確認しているので完了です」との力強いお答え。それでも初めてのことに「あ、あの、8日にほんとに来ちゃったら」と聞くと「ハガキの写しもってますよね?それを見せて下さい。発信しています、と」「持ってます、わかりました。それでも立ち去らない場合は警察呼んでもいいですか」「うーん、多分来ないとは思いますが、居座るようならそれもありです」うへー…。ほんとに大変なことをしてくれたんだな、というのを改めて実感しました。

 とにかく、この後は土地の話なので実家にまた向かってオンライン面談です。8日は心配なので姉が朝から張り付き、私も用事が終わったら実家に行きます。実家行ってばっかり。もうそろそろ勘弁してほしいところですが、死なない限り続くのでしょう。

 最後に叔母から来たメッセージは「おつかれさまでした」ありがとうじゃないんかい!と突っ込みながら8日平穏に終わりますようにと祈っているところです。正直、もうヤダ…。

追記
 8日が工事予定日だったのですが7日夜になっても簡易書留を受け取っていない先方の会社。日中誰もいない、というか外をグルグルしてどっかに資材を置いて、車の中にプリンター置いて見積書作って(宛先、叔母の名前が手書きではなく印字されていました)契約書持って…同じことやってんのかと思うと腹が立ちます。
 東京都のホームページで悪質訪問販売の事例を見てみると、クーリングオフを通知したのにやってきて今やらないと家が大変なことになりますよと居座った、というのがあったのでやっぱり通知したとはいえ気が抜けない。姉が朝から張り込みしてくれました。

 叔母は途中で「もう大丈夫だと思って」買い物にいったそうです。その「思って」がいろいろアレなんですが、言っても伝わらないです。怖いと思っているのはこちらだけで、叔母はそうでもないんでしょう。私も夕方から実家に行きまして、次に契約書と名のつくものにハンコ押したらもう施設にいってもらいますよ!約束だからね!押す前に連絡するか、一度帰ってもらう、帰ってくれないなら110番!

 まあ忘れちゃうし「信じちゃったから」という人です。身体はなんとか動くし自分のペースで気ままにやっているので、施設に入らないとどうにもならないという状況ではない、と介護保険では判断されてしまうのですが、訪問者から自分を守り切れないところでもう一人暮らしは危ういと思うのですが…。
 後見人制度はあまりにも手間と費用がかかるし、本人の経済的自由が制限されすぎてしまいます。弁護士や司法書士と契約することで「この人のあらゆる契約事項はこの弁護士が目を通してからでないと、いくら本人がハンコ押していても無効になる」みたいな法律が欲しいと思いました。
 区がセコムの見守りシステムを格安でつけてくれるのですが、これは身体的安全。できましたらば詐欺や不審者からも守れるシステムが欲しいところです。

 そんなこんなを見ていると、もう自分自身がお世話になれるどこかにすぐ入居したくなります。そこから出勤して、帰って来て、そんで「これ買っても大丈夫かしら」って相談しながら過ごす。もうそうしたいです。

 あまりにも腹が立って仕方がないのでいろいろ見ていたら、通報制度を見つけたので、通報してやりました。

 事例を見ているとどっかで聞いたようなのから、そんなひどいものが?!という事例までたくさん。読んでいるとどんよりしますが、いつ自分も巻き込まれるか分からないので一応目を通しておくことにします。やだな。
 姉が「私もおばさんとは詐欺だのトイレつまりの話ではなく、施設に入って落ち着いて、音楽やおいしいものの話をしたいです」とLINEしていました。そうだ、私はこの何年か、あの人と嫌な話しかしていない、と気づきました。そりゃ行くのも嫌になるってわけで…、でもいい材料がないのでこうなっちゃうわけで…。自由を手放したくないのは分かるとしても、自由と安全を比べると今は安全をとってくれないとまた私が休みを取って奔走する羽目になるので…

 どっかにお世話になってほしいです!ケアマネとの面談もしましょうってことになっているので、結局今と同じ生活、気を付けていきましょうねってうのだけはもう今回ばかりは勘弁してくれという気持ちです。
 子育ては「かわいい」と「勘弁してくれ」の反復横跳びというのをとあるSNSで見まして、それに「親族介護は仕方ないねと勘弁してくれの反復横跳び」って返信がついていて頷きました。高速反復横跳びはもう限界でございます。

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