ボードゲームとIQテストのあわい

ボルダリングをしなくなって数年経ったボルダリングサークルに所属している。
私だけがボルダリングをしなくなったのではなく6人ほどいるボルダリングサークル全体でなんとなくボルダリングをしなくなった。きっかけはコロナとか色々あった気がするけど、まぁみんなそこまで情熱があってボルダリングをしていたわけでもないのでむべなるかなという感じだ。
とはいえサークルが消滅したわけでもなく、時々集まっては飲み会のようなことをしている。全員同世代で同じ業界の人間なので集まって話すとなんだかんだ雑談にも花が咲く。
でもこのままじゃいけないってことでボルダリングの代わりになることを見付けようと盛り上がった結果、ボードゲームはどうだろうかということになった。

早速、サークルメンバー数名とリサーチしたボードゲームカフェに行った。
サークルメンバーは別にボードゲームに詳しいわけでもなく、一人が謎解きに数回行ったことがあり、私も別のボードゲームカフェに数回行ったことがあるくらいの全員初心者状態。
いくつかのボードゲームを試しに遊んでみるが、知らないゲームばかりなのでまずルールを把握するために全員で説明書を読み解く時間がある。この時間、結構好きだ。謎解きの協力プレイみたい。謎解きやったことないけど。
よく分からないパーツやカードが、説明書を読み解くことでそれぞれに価値が与えられ、それによりヒエラルキーが構築され、有機的な繋がりが生まれ、そのつながりの上をプレイヤーが動き回る。みんなで協力して場を構築しているような気分で、貢献出来たら嬉しいし、貢献できなくても責任がないのもいい。なんならゲームそのものよりもこの時間が好きかもしれない。
出来たら説明書のコピーを何部か箱に入れておいてもらえると複数人での解読作業が捗るのだけど、ボードゲームで「コピー」ってなんかタブーな感じがあるな。

いくつかのゲームをやってみるうちに気付いたことがある。
ゲームをしているうちに、だれかがぽつりと言った「これは…IQテストすぎるな…」
ある種のボードゲームはうっかりすると対戦型IQテストになっている。
そしてそういうゲームは疲れるし、得意な人が勝利し続けることになる。
戦略性のあるゲームは要素を削ぎ落していけば全てにIQテストの側面があり、ベースのIQテストにどれだけ物語性を肉付けするか、運の要素を導入するかなどでゲームとしての面白さの種類が変わるのだろう。
初心者としてはこういった物語性のデコレーションや運の要素での攪乱があった方が遊びやすい。というか疲れない。ただボードゲームという概念に熟達した人にとってそれは雑味になることもあるのだろう。
自分はIQテスト的なゲームと瞬発力がモノを言うゲームが苦手なので、あまり複雑でない運ゲー要素の強いゲームが好きだ。
というわけで私の一番好きなボードゲームはやっぱり「マラケシュ」といことになる。

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