卒業

 Cody・Lee(李)から尾崎リノが脱退するらしい。昼過ぎに起きて、X(旧Twitter)で見て驚いた。なんでも21時から送別会配信なるものがあるらしく、絶対に見ようと決めた。

 21時3分、配信がすでに始まっていることに気がついて慌てて見ていた動画を消して件のライブ配信に切替えた。既に尾崎リノが何かしら喋っていたので、巻き戻して倍速視聴で追いついた。脱退理由はソロ活動の時間が取れないことが主であることや、今後は名義を変えて活動を継続することが説明された。メンバーと不仲になった、とかではなく、ひとりひとりから言葉を掛ける時間もあった。チャット欄が閉じられていたけれど、ファン層的にも内容的にも、もしチャット欄が開放されていたとしてもそう荒れることはなかっただろうと思う。それでもチャット欄を閉じる決断は、なんとなく正しい気がした。

 僕がCody・Lee(李)を聴き始めたきっかけは尾崎リノだった。「部屋と地球儀」に出会ってから聴いていた尾崎リノが、何かよくわからないバンドに加入したらしい、という話は知っていた。しかし、それを知ってからすぐにCody・Lee(李)を聴くことはしていなかった。そこに大した意味はないけれど、尾崎リノのソロ作品が好きだったから、それだけで満足できていたからかもしれない。

 いつも通り暇を持て余してYouTubeを見ていたいつかの日、「我愛你」を聴いた。何で今までこのバンドを聴いてなかったんだろうと、今までの自分を恨んだ。Cody・Lee(李)至上最もバズっている曲だが、MVも曲もそりゃバズるよな、という魅力があると思う。広まるべくして広まった曲だと思う。
 とにかくそれ以来、YouTubeやSpotifyで聴けるだけの過去曲はインターネットが擦り切れるほど聴いたし、新曲が出るたびに餌を投げられた鯉のように飛びついたし、YouTubeに出るドキュメンタリーも全部見て、記事も探せるだけ探して読んだ。もちろん近場でライブが開催されれば応募して、去年と今年2度行けたし、次もきっと応募すると思う。とにかくあのMVを見てから、他の音楽にハマる時期もあったが、Cody・Lee(李)はずっとベースのように聴き続けている音楽だ。そして、演奏が好きな曲は全部、ジャギジャギしたアコギが鳴っている曲だった。
 今日、バイトをしながらずっとそんなことを考えていた。

 僕は尾崎リノ以前のCody・Lee(李)は一部の音源でしか聴いたことはない。尾崎リノの音源と比べて聴いたときに、尾崎リノのほうが良いといつも感じるわけでもない。しかし、脱退が訪れるとは微塵も思っていなかった。
 Cody・Lee(李)の魅力のひとつは男女ボーカルの掛け合いだと思う。そして、アコギの心地よい音。今後のサポートメンバーはキーボードだという。アコギの音が好きな自分としては少し物足りなさを感じないか心配ではあるが、そもそもギターが3本も常にあるバンドも珍しい。きっとバンドはこれから劇的な変化をすることは避けれれないだろう。
 とにかく、Cody・Lee(李)も(名義が変わるが)尾崎リノも敬虔ないちファンとして今後の活動を待ちわびたいという気持ちだ。


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