見出し画像

仲本直輝の漫画家もがき紀行その16(8/26)

この紀行文は、漫画活動継続の危機を迎えたしあわせジョンの作者仲本直輝のもがき旅の記録です。

■20240826

5:00起き。気力体力共に回復。市販のアイスコーヒーと、食パンとゆで玉子を用意して、手作りのしょぼいモー。午前はふしあわせトムのスタンプの絵を描いて、掃除洗濯などする。

昨日清丸さんに教えてもらった店に行こうかと思ったが、行けそうな場所は今日は休みだった。じゃ、東京の書店街といえば、神保町。今日は神保町を巡ろう、と調べてみたが、神保町は大きな書店だらけ。郊外の店も調べるが、そもそも個人書店の想像以上の少なさに愕然とする。うーん。

いや、調べても仕方ない、自分の足で動かないと、何かに巡り合うことはない…。とりあえず電車に乗る。西国分寺駅周辺は…ウーム。中央線に乗り、三鷹で降りる。重い旅行鞄をかかえ猛暑の中、体力温存に気をつけて独立系書店を探す…途方もないやり方に思えてきた。これはまずいかなあ…。少なくとも今日は、探してみよう。一つでもいいから、なにかを掴みたい。三鷹にて1軒目に行ってみた書店さんは、そういった問い合わせが多くすぐにはお返事できませんとのことであったが、名刺だけ受け取ってもらった。また近くの雑貨とご飯のお店「四歩 三鷹店」でおにぎりを買い、そこでも近くにいい書店がないか聞いてみた。昔の自分ならビビってできなかったようなことだ…。聞くところによると、三鷹より西荻窪や吉祥寺のほうが個人の書店は多いらしい。スンナリとやさしく教えて下さったので、一つの精神的な壁を乗り越えた気持ちになった(四歩の店の方ありがとうございます)。

三鷹に来てほとんど何も実っていないのに、少し希望が湧いてきた。独りよがりになって、ネットという手っ取り早く楽なものに頼ってきたツケが今回ってきているわけだが、やりようがありそうに思えて、いくつかのアイデアも浮かんできた。

暑かったので休憩がてら、しもおれという喫茶店に入る。会計の際に書店について尋ねてみることも目的である。北口にあったはず、と教えてもらい、その書店と思しきところに行くも、夏休みの臨時休業だった。

体力のことも考えて、このへんで三鷹を去ることにした。なんというか釣りでもしているみたい。今日は魚は釣れなかったけど、「引き」があった、という感じだ。


15時すぎ帰宅、合計約1時間45分歩いた。少しずつ歩けるようになっている気がする。

私がすぐヘルペスになる理由の仮説として、普段漫画ばかり描いていて、いきなりたくさん運動する、という活動量の急激な変化が原因ではないかと考えている。例えば毎日2時間歩く人も全く歩かない人も、それぞれそういう体の構成になっているのではないか。仮に前者と後者が4時間歩いたなら、後者の方が疲れるはずだ。普段やらないことをやることで免疫の構成に変化が起こり、それが体調不良を引き起こすのではないか。私がこの旅においてやっていることのひとつは、不調になっても諦めて引っ込むのではなく、ゆるやかに変化し、日常的に、なるべく一定に歩くようにすれば、免疫もそういう構成になり、疲れたりヘルペスにならなくなるのではないか、という実験である。ギターも練習して難しいコードが簡単に弾けるように、人間の体は一定程度はカスタムできるのではないかということだ。逆に言えば長距離を歩く人間になれば、座って漫画を描くのが非常に疲れる体になるかもしれない。

話が反れたが、台風の進路も予想より西寄りに反れ、遅れているという。27日28日は外回り活動は厳しいかな?と思ったが、もしかしたら行ける…?かもしれない。体調しだいだ。

夕方、家にいると、みな仕事を頑張り、日々淡々と生きているのに、私はこう、好きでやってるとはいえ、変な目標に向けて未だに下積みのようなことをして、ナサケナイような、愛おしいような、なんとも言えない気持ちになってきた。早いこと寝てしまおう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?