仲本直輝の漫画家もがき紀行その11(8/21)
この紀行文は、漫画活動継続の危機を迎えたしあわせジョンの作者仲本直輝のもがき旅の記録です。
■20240821
喫茶のモー。常連がいて、どこの席に座るか一瞬迷う、そういう気ぃつかいを久々にしてしまう。カッコ悪い。クソガキのころからカッコよさやモテとは対極にいるので、人としてのカッコよさを勉強するのに苦労する。知らない物づくしの、必修科目だらけだ。授業をサボっても、結局はあとで学ばないといけない。そんなことが人生でもあるように思う。学校の勉強してるやつはバカだと思っていた。本当は、ちゃんと学校に行ってるやつが一番スンナリ生きているのである。
私は様々な経験値が低い。みんながスッカリ大人になったころ、自分は学校に戻って勉強する、そんなようなことばかりだ。…と、後で考えるのが一番カッコ悪いのだが。
配送や飯を終えたら、高校の同窓会の誘いと募金お願いの封筒が来ていたので破り捨てる。ニュースによると新たな台風が発生しているらしい。東京方面には8月末ごろ行こうと思っていたが、そろそろ出たほうがいいかもしれない。移動とは、気象や交通の乱れ等、目まぐるしく変わる条件をすり抜ける奇跡のようなことだなと思う。
秋が近づき気温が低下したり台風が増えるということは旅の荷物も多少変化を迫られる。冬は荷物増加や健康管理の難しさや費用増加…様々な要因から、気楽に旅はできない。旅というのは、いつでもできるものではないのだ。
なのでとにかく、案ずるより産むがやすしきよし、と自分を鼓舞する。失敗とは、成功のために必ず通ることになる道なのかもしれない。成功とは焼き魚である。失敗せずに得た成功は、生魚である。寄生虫に当たらなかったようなものである。?。家にいても何も進まないので、旅支度することにした。コロコロ掃除のケースが大きくて旅行鞄に入らず困っていたが、昼に食べたいちじくのパックを活用したら収まったのがうれしかった。単行本の在庫をいくつか持っていく。
15時ごろ出て駅で18切符を買い汗だくで電車に乗る。京都でトワイライトエクスプレス瑞風とすれ違った。岐阜県某所到着、ひとり夜道を歩くと淋しい。宿なしなのでネットカフェ。シャワーして個室に入る。備え付けのパソコンではネットニュースや広告が大量に見受けられる。普段ネット環境が乏しいとこういうものとは無縁である。
東京方面に向かうことは確実だが、台風を懸念して早めに出ているため、お金はないが日程には余裕がある。どこへ行こうか、富山に行こうか松本に行こうか。そんなことを考えているときが一番楽しい。
もし明日東京まで足を伸ばすなら、まおくんちに泊めてもらえることになった。まおくんこと和泉眞生はれいじーぴっかーずなるブルーグラスバンドのギタリスト&シンガーである。3月の旅でも泊めてもらった。ありがたいことだ。しかしネカフェや友人宅で寝たり、18切符で移動したり。こんなこといつまで続けられるやら。ナサケナイ。それに私は体が弱い方なのに。だからこそ旅に憧れるのだろうか。
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