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ユーザ系SE転生 ①導入:ユーザ系SIerにおけるキャリアパス

変に長いサブタイトルをつけてしまったため、端折りました。前記事はこれです。

転職プランを考える前にまずユーザ系SIerに就職するとどんなキャリアパスになるのかということを整理したいと思います。ちなみにここでいう「ユーザ系SIer」というのは内販主体の会社を想定しています。

キャリアなんて1人1人違うことは大前提なのですが、私の経験や周りの人の様子、公私でお付き合いのあったユーザ系SE(一部メーカー系SE)の方々の情報を元に大体このあたりが標準なんじゃないかというキャリアパスを書いていきます。

あと、ユーザ系SIerに就職することで今後のキャリア形成に大きく制限をかけることがあると思っています。あまりこの辺は新卒時点で考えることは少ないような気がするので、始めに書いておきます。

ユーザ系SIerの「総合職」は一般的な事業会社の「IT専門職」

ユーザ系SIerに新卒入社するとほぼ全員が「総合職」としてSE業務を行うことになります。

私は新卒時点でSEになりたい!というほど強い意志は持っていませんでしたが、SEを生業としていくことを考えて入社したため、それ以外の選択肢がないことを良しとして入社をしました。たぶんそういう人が大多数だと思います。SE以外の職種狙いで新卒でユーザ系SIerに入社する人がいたら、なぜ?と思いますよね。

ここがポイントなのは他の選択肢がないってことです。

もし仮に新人研修で「うわっ…私のSE適正、なさすぎ…?」って思っても軌道修正かけようとしたら、転職するしかなくなります。

もちろんユーザ系SIerにも人事部や総務部などがあると思いますが、せいぜい人員構成的には1,2割位で会社の規模によっては事業会社から出向してきた数人と派遣社員だけ、なんてことも少なくないです。(正直新人がそういった部署に行くとしたら配属決定前の仮配属の場合を除き、かなり曰く付きの物件として扱われているものと考えられます。。)

後で詳しく書いていきますが、SE以外の仕事をしようとした場合、転職市場では基本的に未経験扱いとなります。ですので早く動いた方が良くなりますし、キャリア形成の観点でそういった制限がかかるということは、内定を承諾する前によく考えた方がよいと思います。

ユーザ系SEのキャリアパス

私のキャリアが始まったのが2000年代中頃ですので、多少古臭い印象を受ける可能性はあるかもしれませんが、最近の実態に合うようになるべく後から入ってきた若人達の動向も交えて書いています。入社x年目というのは大体の目安と思って下さい。

一般的なユーザ系SEのキャリアパス(目安)

■入社1~3年目 育成期間
ユーザ部門と折衝して簡単なメンテナンス案件を設計からリリースまで担当してSIの仕事を覚える時期。割とコード書いているふりしていれば、好きなことをしていても怒られない。プロジェクト案件が忙しい部署に配属されると伝書鳩になったり議事録書きになったり。
■入社4~6年目 一人立ち
ようやく戦力として認識される時期。配属からずっと特定の領域を担当していればその領域のプロとして頼られるようになる。プロジェクト案件が忙し(略)あちこちからいいようにこき使われる。
■入社7~14年目くらい リーダー
役職がついて、管理職になる一歩手前になるくらいの時期。部長決済が必要な案件のマネジメントをしたりする。役職がつく前後で異動を経験したりするが部署によってまちまち。色んなプロジェクトを渡り歩く人もいれば、一つの領域の置物…じゃなくて重鎮としてずっと居続ける場合も。
■入社15年目~ 管理職
このへんで~課長とか~マネージャーみたいな肩書がつく人が出始める。部長、役員になれるかは運次第。大前提として、ユーザ系SIプロパー社員の場合は無理ゲーな場合が大半。

大体このような感じです。

またキャリアのスタートはなるべく下流(という表現が正しいのか不明ですが、コード書いたり設計書作ったりテストやったり)に触れる時間を多くした方が後々良いと思っています。会社の育成計画上はそうなっていると思いますが、計画通りになるかは運次第です。プロジェクト案件が忙しい部署に配属された場合、育成計画なんてそっちのけでこき使われますんで。

最初に現場仕事をすることで、自分のSE適正があるのか、SI業界のどのポジションで仕事をしていきたいのかのアタリがつきます。

またプロジェクトマネジメントをやるにしても最低限の技術スキルがないと、わけわからんこと言ってプロジェクトを面倒臭いことにさせるおじさん(=PMO、意外と多い)になってしまうので、最初は技術を学んで手を動かすことを覚え習慣化するとよいと思います。技術取得が習慣化されていれば、マネジメント業務にシフトすることになっても、最新技術のアップデートが苦にならず、(前述の意味合いの)PMOになるリスクも減ります。

キャリアパスからどんな身の振りがあるのか考えてみる

いずれにしても入社1年目はとりあえず目の前の仕事をやって仕事を知る期間です。色々とやってみて思うことがあるはずですが、現場仕事をやってみてスキルをテクニカル寄りに伸ばしていきたいと思ったら、入社1~3年目で一通りの仕事を覚えた段階で、脱出(=転職)を考えた方がよいと思います。私はここでチャンスを逃しました。

「うわっ…私のSE適正、なさすぎ…?」の場合もここが転職ポイントです。ここまででしたら第二新卒(ポテンシャル採用)枠でいけますので。

そこから先はSI業界の沼にどっぷりとハマっていくことになりますが、キャリアチェンジを考えるならば世間一般のアドバイス通り30前がいいかと思います。

またハードワークで金をもっと稼ぎたいなんて場合も早い方がよいかと思いますが、少なからず積んできたスキル経験を活かして次の転職を…なんて考えている場合はいくつか職務経歴書にかけそうなプロジェクトをやらせてもらうよう企んでいった方がよいと思います。デーハな職務経歴書が書ければ30代でも転職活動しやすくなりますが、どこか停滞するような状況(任されるプロジェクトの規模難易度が上がっていかないとかプロジェクト案件が少なくて関わる機会がないとか)のときは会社に骨を埋めるか、外に活路を求めるか、よく考えた方がよいです。

いかがでしたでしょうか。少々長い導入となりましたが、次からは具体的にどんな転職が考えられるのかということを具体的に示していきたいと思います。続きはこちら


ありがとうナス!