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河合塾のチューター

概要

河合塾のチューターとは何かについてお話しします。私は2010〜2014年の4年間河合塾の本校である、千種校(ちくさこう=愛知県名古屋市千種区)で高校生向けにチューターをしておりました。

チューターに大学生活の多くの時間をささげ、受験生の進路指導を行いましたが、いかにチューターという仕事が充実感があり、魅力的か今更ながらお伝えできればと思います。ここでは特に断りのない限り「高校グリーンコース(大学受験向け)」のチューターについてお話します。また、2010〜2014当時のお話になるので、現在と異なる場合がございますことご了承ください。

チューターとは

チューターは講師ではないですが、進路指導をしたり、勉強を教えたり、人生相談に乗ったり、言わば生徒の担任のような存在です。
河合塾がチューター制度を始めて取り入れた塾と言われていますが、河合塾の中でもチューター制度は校舎によりさまざまです。

私が高校生の時に通っていた町田校(東京)では、河合塾の社員がチューターでしたが、進路相談には乗ってくれるものの、勉強を教えてもらうことはありませんでした。またスーツを着た、ザ・社会人でした。

一方、大学に入りアルバイトとして始めた千種校では、大学生である我々がチューターで、進路指導はもちろん勉強も教えていました。こちらは、白衣を着てやっていました。白衣のチューターは全国的にも珍しいかもしれません。

また、チューターと一言で言っても、浪人、大学受験、高校受験とそれぞれにチューターがいます。私は高校生向けのチューターでしたが、それぞれの段階に合わせてチューター制度があるのも河合塾の魅力です。

チューターになったきっかけ

私は大学受験生の闇(病み)の時期にチューターに救われて、人生が変わったことがあり、自分も同じように受験生の力になりたいと思いチューターになろうと思いました。

チューターを志す人は同様の理由が目立ちますが、ほとんどが以下の理由です。

  1. 自身が受験生の時にチューターにお世話になった。自分も受験生の力になりたい。

  2. 将来先生になりたい。

  3. 時給が高い。

受験期の思い出

具体的に私がチューターと深い接点をもったのは、名古屋大学を目指していた高3生の夏ごろに、「名大の推薦受けてみない?」と言われたことです。結果的にこの一言で私の人生は変わりました。チューターと出会わなかったら今の自分がないと言っても過言ではありません。

それまで、一般入試に向けて5教科7科目の勉強に集中していましたが、推薦となると、当時試験範囲外だった、物理の原子物理学や小論文、面接の対策を追加でする必要がありました。定員も10数人(正確な数字忘れました)と少なく、記念受験に終わるかもと思いつつ、それでも通常前期後期の最大でも2回しか受験できない志望校のチャンスが1回増えるのはお得と考え、一般入試の勉強と並行して物理と小論文、面接の対策に力を入れました。特に、小論文と面接の対策においては、添削指導や模擬面接など親身に対応してもらい、想像したよりも推薦対策をすることによる負担もなく、受験勉強を進めることができました。また、推薦入試は当時ネットや学校で入手できる情報には限りがありましたが、名古屋地場である河合塾だからこそ、またチューターの始祖である河合塾だからこそ、貴重な情報にスムーズにアクセスすることができました。

また、チューターはどんなに私がネガティブな状況でも、常に励ましてくれるので、モチベーションを維持する上でも非常に大きな力になりました。「情報」と「モチベーション」の面で大きな力を得て、最終的に私の通っていた高校から35年ぶりの旧帝大への現役合格を果たしました。

チューターになる方法

ここでは河合塾に限定してお話します。河合塾のチューターになるには、以下のフローが一般的でした。

  1. 大学に合格、受験終了

  2. 河合塾からバイト募集案内受領
    (内容は、チューター、教務バイト、講師室バイト、模試試験監督員など)

  3. 応募

  4. 面接(千種校の場合は社員と現役チューターのペアが面接官)

  5. 合格

基本的に河合塾に通っていたことが大前提になります。ただし、私のように通っていた校舎(町田校)と応募する校舎(千種校)が違っても問題ありません。

チューターの倍率は当時で5倍くらいで、定員20〜30名に対して100〜150人くらい応募があった気がします。当時のバイトとしては時給1200円スタートで高時給目当てでの応募も多かった印象です。

私もチューター2年目以降は採用面接官として見ていましたが、「将来先生になりたいから経験を積みたい!」、「何となく応募した!」という応募者も多く、合格する人は「受験期にチューターにお世話になった!」、「今度は自分が受けた恩を返したい!」、「受験生の力になりたい!」、「自分の受験経験が生かせる!」というものがやはり多かったです。

千種校のチューターは1〜4年生全体で70名程おり(おそらく全国最大規模)、1年生が20〜30人程度です。継続希望を出せば次年度も継続できるのですが、バイトと言えども1年間途中で辞めることは原則できないため、年度が変わるタイミングで辞めていくチューターも一定数います。辞める理由は学業や部活動との両立が難しいなどが多い印象です。この辞めた人数+αが採用人数となる印象です。

チューターの魅力

魅力はなんと言っても、受験という人生の大イベントに非常に大きな影響力をもって関われるということだと思います。

私は18歳で高校を現役で卒業してすぐ高校生向けにチューターを始めましたが、一歳しか年の違わない高校生に対して、勉強を教えたり、進路相談、人生相談に乗って、励ましながら一年間一緒に受験に向き合う経験をしました。結果的に自分の担当した生徒が大学に合格し、「チューターのおかげで合格できました!」と報告に来てくれたときのやりがい、達成感と言ったらこの上ない経験でした。

千種校の場合、国公立・私立、女性・男性問わず様々な大学、学部のチューターがいるので、受験生にとっては適材適所に頼れる身近な存在が数多くいました。チューター一同、本当に心から生徒のために尽くして、自分の受験期の成功・失敗談を惜しみなくしていました。それが、生徒に響いて生徒が成長する、最終的に大学に合格して、時には「チューターになりたい!」と言って、次の世代に伝承していく。この魅力は他のバイトでは得難い、かけがいのないチューターの魅力だと思います。


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