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事件への反応、妹との会話から①

私が私の問題ではない職場の事件に頭をどっぷり突っ込んでワタワタしてる最中、妹はもっと遠くの問題に心を痛めていた。

「おねぇちゃん、東京の三歳の子どもが死んだ事件知ってる?」

 東京都大田区蒲田の自宅で3歳の長女を置き去りにして死亡させたとして、保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された母親の梯かけはし沙希容疑者(24)が「居間の間仕切りを閉めてソファでふさぎ、外に出られないようにしていた」と供述していることが、捜査関係者への取材で分かった。長女は置き去りにされた8日間、居間に閉じ込められたままだったとみられる。
 梯容疑者の自宅はマンション1階の1DKタイプ。長女の稀華のあちゃん(3つ)は6月13日午後、玄関を入って台所の奥にある広さ6畳の居間のマットレスの上で、心肺停止の状態で横たわっているのが見つかった。
 捜査関係者によると、梯容疑者は「居間にはお菓子やパン、お茶などの食料を置いていた」と話しているが、司法解剖の結果、稀華ちゃんは死後2、3日が経過しており、胃の中は空だったという。
 梯容疑者は、台所と居間の間にある可動式の間仕切りを閉め、台所側からソファで押さえて、稀華ちゃんが外に出られないようにしていたとみられる。調べに対し、「娘が台所の包丁に触れたら危ないと思った」と閉じ込めた理由を説明しているが、警視庁捜査一課は育児放棄が発覚しないようにしていた可能性があるとみている。
 梯容疑者は稀華ちゃんと2人暮らし。勤務先の居酒屋で知り合った交際男性に会うため、7泊8日の日程で6月13日まで鹿児島県を訪問。その間、稀華ちゃんを1人で自宅に置き去りにして飢餓と脱水で死亡させたとされる。

東京新聞より引用 https://www.tokyo-np.co.jp/article/41331


こういった事件が起こると大抵は母親への批判がほとんどだと思う。

もちろん親は子どもを守るべきだし、虐待放置は絶対に許せない。

お母さんを探して泣き叫んで、お腹が空いて喉が渇いて、苦しくて、寂しくて。
子どもを思うと悲しい。ただ悲しい。

だけど、私はその母親の心を思うと、それもまた悲しい。
母親もネグレクトを受けて育ったという。母親がどれだけかわいそうで大変な状況だとしても罪は許されるわけじゃない。それでも、母親の抱えていただろう闇を思うと、やるせない気持ちになる。


妹は、もう一歩進んだところに立って憤りを感じていた。


事件の起きた区の区長が「行政から見えにくい状況の中で発生した事件だった」とコメントしているが、その行政が役に立たないと怒っていた。

妹は自分の体験と重ねているのだろう。
新生児訪問の保健師が冷たかったこと、むしろ怒られたことや、頼れる機関や情報が少ないこと、初めての育児で余裕がないのにそんなもの探しあてられなかった、と。
形だけの訪問、何でも相談してください♩の謳い文句。全部嘘だ!って。

私が思うに、彼女にはお節介おばさんが必要だったのかな、と思う。

人って、
「大丈夫?」
と聞かれると、自然と
「大丈夫(です)」
って答えちゃう。

とても信頼してる人になら助けて!って言えるけど。
迷惑かけちゃいけないって思ってるんだろな。

だから、「大丈夫じゃないじゃない、ほらかして!」

って自分の抱えてるものをヒョイっと持ってくれるお節介おばさんが。

やだこの人お節介だわ、何なのこの人、くらいのおばさん。

私はお節介おばさんではなかったので退院直後に妹の家を訪れて暗い雰囲気の中ダイニングテーブルで「おねぇちゃん、もう無理、、」と泣かれてようやく妹の危機的状況を呑み込み、その日から泊まり込むことになりましたが。

でも最近は、悲しいかな、全ての人が怪しく思えてお節介しようにも、本気で「やめてよ」って思う人も多いだろう。
だからそんな風に思われないように根は助けてあげたいって思ってる人も遠慮してる気がする。

そりゃ私もトイレとかで「赤ちゃん見といてあげるからすませてきなさいよ」って言われたらお断りするだろう。

そうじゃなくて本気で辛いよ!ってここぞって時にお節介おばさんが参上したらもう無条件で頼ってしまうだろうな。


つまりは市とか区とか行政とか、実態のない概念にすがらずに生身の人間同士の信頼関係が大切なんだろうなって話。

もうこれからはそれしかない。

サポートをしてくれる団体や個人もあってちゃんと活動してると思うけど、それじゃ足りないくらい苦しんでるお母さんたちがいるんだと思う。
それならばできることは、ひとりひとりの行動に委ねられている、と思うのだ。


行政が悪い、母親が悪い、って批判とか文句言うんじゃなくて、私はどうするのか、それだけだな。

そこで初めて他人に起こった事件に対して心をざわつかせた反応を昇華することができる、と思う。

それから、自分が大変な思いを抱えている時の心構えも今のうちから整えておこう。
助けて!って言えるようになろう。
人の善意はありがたく受け取ろう。
受け入れる体制があれば、手を差し伸べやすいだろうし。
人は人の役に立つと嬉しいのだ。
だから助けさせてあげよう、ぐらいでいいかも。

頼って、頼られて、助けて、助けられて。
それが一番理想だなぁ。

思いつくまま書いてたら全然まとまりないけど。

もうちょっと考える所があるので続きは明日。

そいではごきげんよう。

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