チー牛

Xでチー牛叩きが話題になっていた。
「チー牛」とは「チーズ牛丼を好んで食べていそうなキモい底辺男性」という意味の侮蔑語で10年ぐらい前からちらほら聞くようになった。

「オタク」違うのは無趣味であっても該当する点で、より広く曖昧な定義となっている。

〈ルックスやコミュニケーション能力に自信が持てず、うつむき気味に生きてきた元スクールカースト底辺層〉というイメージなのだろう。

そもそもなぜチー牛は叩かれるのか。

「日の当たるところで二度とそのキモい面を上げられないよう、学生時分に完膚なきまでに尊厳を踏みにじってたはずの連中が人権を得たかのように大手を振っているのが心底許せない」といった心情なのだろう。

女性の人権侵害をからめてチー牛が叩かれることは多いけれど、本来問題とすべき女性の人権侵害からもっとも遠い属性が所謂チー牛といえる。
そもそも女性に対してトラウマが多く関わろうとしないクラスタなのだから、加害者となりうる機会すら少ない。

もちろんチー牛と呼ばれる人たちの中にも〈女性に対する恨みをこじらせた攻撃性の強い海外型インセル〉はいるのだろうし、海外の実情を知らないから比較こそできないものの、自分の観測範囲でいえばその割合は限りなく少ない。

そして、そのインセルが少ない要因こそが、オタク文化なのだと思われる。
それで幸福度が満たせるのなら、何も好き好んで現実の女性と関わって嫌な思いをしなくてよいのだから、チー牛と女性との距離は遠のくわけで、そこに加害や搾取の心配はほとんどない。

「日本にインセルが少ないなんてことはない。あれだけ湧いて出るアンフェは結局のところインセルだろう。」という反論もあるだろうけど、そもそもアンフェ(アンチフェミニスト)という概念自体が曖昧だ。

たとえミソジニストやインセルでなくとも、自分を含むクラスタが理不尽な攻撃をされたら反論ぐらいはするのだから、それをもってアンフェというのはかなり無理がある。

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