私AIに負けない!☆俺イズムを見つけろ!

※この記事はPepabo CS Advent Calendar 2023 第2会場25日目の記事として書いたものです(第1会場はこちら

こんにちは。GMOペパボという会社でCSとして働かせていただいております、みそへいです。

記事の投稿は遅れてしまったのですが、
Advent Calendar第2会場の空きが結構あって寂しいなと感じたので、
遅ればせながら書いてみることにしました!

テーマとしては今年を振り返りつつも、
CSというお仕事にも関わりそうな観点で振り絞ってみました結果、
以下の通りとなりました!

『AIへのアンチテーゼ☆AIに負けない俺イズムを見つけろ!』

何を隠そう、私の働いているGMOペパボでは
CS(カスタマーサポート)のお仕事にも
AIを活用していく取り組みを現在進行中でガシガシ行っており、
私も日々AIのすごさを目の当たりにしております。

そんな中でなんでアンチ??AI活用しよう!!って流れなのに、
そんなの書くの??空気読めないの?
…と思われた方、ちょっとお待ちください。穏やかに行きましょう。

ものごとの意見を決める時には、極論というものをまずぶつけて
ガチなデュエルをすることが大事だと思っております。

ついつい私みたいな穏やかで平和的な人間は
「皆に納得いって貰えるように〜」とか「誰も傷つけないように〜」
と考えて言葉を選んでしまいがちですが、
ふと「本当にそれ皆が納得する中立な答えなのか?」
って思ったりしませんか?そして言葉を飲み込みませんか?

それは、そのものごとの端から端を見て『本当の意味で見極めることが出来ていないから』ではないのかと私は思います。

そうなのです、まずは全体像を知らなければ本当の中立だって知り得ません!ケンカするべきです!
なのでAIの弱点を突きまくってみませんか?と私は意見を提示します!

・・・ということで、面倒くさい前置きはこのくらいにして、AIの弱点を見定めていく!!本題に入ります!


AIの弱点その1:判断はできても決断はできない

AIの苦手とする弱点その1は『決断』することができないです!
飲食店で注文するとき、なかなか決断できないあなたも実はAIなのかもしれません!
(自分もなかなか決められないタイプです)

ということはさておき・・・ここからはこの弱点を指摘するようなイズムが学べると思う書物を紹介しながら進めていきます!

自分の中に毒を持て/岡本太郎

この表紙の頑固おやじ具合がいい!!AI?そんなもん爆発だ!って感じ。

そんな太郎が残した書物は、俺はAIなんぞに負けんぞ!!といえるような、すごい気概に溢れた言葉が並びます。※今日の芸術という書もおすすめ

まず冒頭のひとこと目からこう始まります。

人生は積み重ねだと誰でも思っている。ぼくは逆に、積み減らすべきだと思う。財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。

「知識を積み重ね、集約して進化するものであるAI」へのアンチとして、こんなに当てはまる文章もないかもと思います。
この一言でAIと人間の区別をはっきりつけられる!

そして、個人的に好きな文としては以下のようなものもあります。

自分は内向的な性格で、うまく話もできないし、友人もできないと悩んでいる人が多い。
生きるということを真剣に考えれば、人間は内向的にならざるを得ないのだ。
自分は消極的で気が弱い、何とか強くなりたいと思う人は、今さら性格を変えようなんて変な努力をしてもむずかしい。
強い性格の人間になりたかったら、自分がおとなしいということを気にしないことーーそれが結果的には強くなる道につながる。

人間誰しも自分は駄目だとか、うまくいかない、って考えてしまう部分もあるかもしれませんが…
そんな所に、「え?そんなに自分を特別な人間だと思ってたの?うぬぼれんなよ!てめーなんかありふれた人間だ!」と喝を入れてくる太郎。

CSのお仕事でもそうですが、AIが人間が出来る仕事を奪っていった後、
人類に残される財産としては「ヒューマンスキル」というものが考えられます。

そしてそのヒューマンスキルの形成に役立つのが「気にしないこと」というのは私は一理あると思ってます。

そんなのAIの方こそ何言われても「気にしない」じゃない?
とも言えますが、ここで大事なのは「他人に対する気遣いを気にしない」ではなく「自己の内面に対してを気にしない」ということです。

「Aさんと比べて私はここが駄目だな~」とか、「なんで皆ができることが自分にはできないんだ~」とか、そういうところを悩みすぎても人間は何も進むことができないと思います。

AIは「できないことを今後も学習していって完全な回答を用意しよう!」
と進化するかもしれませんが、人間はそうはなれませんし、
他人のものさしで物事を考えていては個性が生きてきません。

GMOペパボでは「みんなと仲良くすること」という文化がありますが、
これが正にその通りで、ただただ仲良くしようね~~~ってだけではなく、「個人の個性を尊重していこう!困ったこと、欠点は共有して協力しよう!」っていう意識が根底に根付いている気がしますので、とても好きな文化です!!

更に、まだあるのかって感じですがこの書物の中で好きな文章はこんなものもあります。

こうやったら食えないかもしれない、もう一方の道は誰でもが選ぶ、ちゃんと食えることが保証された安全な道だ。それなら迷うことはないはずだ。もし食うことだけを考えるなら。
そうじゃないから迷うんだ。危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ。ほんとうはそっちに進みたいんだ。

AかBか人間は常に、決断をして生きてます。
朝すぐに布団を出て起きるか起きないか、卵を割るか割らないか、そして目玉焼きにするか卵焼きにするか。
本当、しょうもないものから大きなものまで決断の連続です。
そしてAIは「合理的な判断」をすることは出来ても「決断」はできません。

例えば、あまり学のない自分が語れるようなものでもないのですが、
ビジネスにおいては、MBA(経営学修士)という学位がありますが、
これはひたすら「決断」を身につけるものとも聞いたことがあります。

会社における、施策の運用や方針の決定においても同じことがいえると思います。Aを選んだら、選ばなかったBの結果を知ることはできない。
「AIは統計的には、こちらが良いのかもしれません」とまでは返してくれます。
でも、時には合理、非合理の垣根を超えて決断をしなければならないのが人間です。

しかもその時に危ない方を選べっていうんだから、太郎はやばい。
AIがこんな台頭してくる時代に太郎が存命でないのが残念ですが、太郎はAIにどう反応したのかなと思います。

とはいえ、コミュニティの中で人間として生きることを選ぶなら、このまま全部太郎の言う通り「食えなくてもいい!」なんて実践したら大火傷しちゃいます。
なので火傷しないように節度を持つ、ある種の「諦め」も必要です。

でも太郎の言葉は、そんな諦めたあなたにさえ、「自分が選択したのならそんな自分にも胸をはれ!お前が決めたんだ!」という風にもとらえられる。
間口が広いとかでもなく、そもそもクローズドな要素が一切ない。全開放。入り口も出口もとっくに爆発してる。

おまえはお前なんだから、受け入れて自信持って声をあげようぜ!というメッセージを太郎は我らに残しています。

AIの弱点その2:目標は持てても目的を持てない

その2は、「目的」をAIは持つことができない!ということです!

ツァラトゥストラかく語りき/ニーチェ

その1で紹介した太郎のイズムに通ずるものとして、太郎のマインドスタンスには常にこのニーチェなどをはじめとした「実存主義」があります。

私的にAIの弱点として注目したいのは「永劫回帰と超人」という概念です。

すごい自分の勝手な解釈ですが、これがどういう概念なのかを、かいつまんで例えを言いますと、

この宇宙を箱とするやん?サイコロがそん中に一杯あると!もう億とか兆とかそんなんやないくらいマジ一杯あるっちゃ!それをガーって振るやん?全部1が出たとするやん?それでもう一回振るやん?同じにはならんやん?でも時間て無限!いつ終わるかわからん!だれも知らん!やけんいつか全部1の同じ状況の時がまたくるんよ!

てことです。(すごい雑で申し訳ない)

ものには寿命があります。マクロな視点で見たらこの宇宙もそうかもしれません。宇宙が何で出来てるか?っていわれたらなんかわからんけど最小単位は小さな物質です。それが集まってます。
そしてそういうミクロな視点で見たら、寿命のある我々の肉体も小さな物質が組み合わされてできてます。

寿命というのは、置き換えるとその物質の集合がばらけることとも言えます。そしてまた集まって新たな何かが産まれる。
つまりこの宇宙に流れる時間が無限とするなら、サイコロふり続けたらいつか同じ今の瞬間が来るんじゃね!?
ってことです。そしてそれは過去にもすでに起きていた??
・・・森羅万象、輪廻転生、無限ループ
・・・怖すぎる。

そして、こういう考えのもと、「じゃあ今から自分が決断することも、はじめから決められてんなら、どうでもいいじゃん!やる気ね〜!」って考えになることをニヒリズムと言ったそうです。

なのでニーチェは、大事なのはこの永劫回帰があると仮定したうえでも
「人生なんて意味ないじゃん~」て考えに陥るのではなくて、
「そうだったとしても、仕方ない!未来はわかんねえし!悔いのないようにすれば良いんじゃねえの!」ってことを提示して、
それを実践できる奴を『超人』と名付けました。

「いいや違う!この決断は、俺が決めた!そうじゃなくても俺に悔いは無え!!」って、受け入れ飲み込むってことですね。※少年漫画の主人公っぽいですね。

そして、これってさっきのMBA、決断すること。とも全く同じですね。
企業は常に決断を迫られます。
それを、なあなあにしがちなのも日本人の特徴とも言われますが、
誰でも仕事に関わるなら少なからず決断する場面はあります。

そしてAを取ったなら、当然Bの方の結果を知ることはできない。自分が選ばなかった方を振り返って後悔するなんてなんの意味もないんです。
これってすごいことですよね。人間みんなすごいや。

AIは判断はできるけど決断はできない。
例え決まったシナリオだとしても、自分は自分だ!と受け入れていく、自分のものさしで物事を決断する目をもつ!

そして、更にこの実存主義は、アドラー心理学が提唱した、
「決定論」に対するアンチテーゼ「目的論」とも通じるものがあります!
AIは、決定論でものごとを判断し提示してくれます。統計をとったり、情報を学習して積み上げた結果を教えてくれます。

対して、アドラーのいう目的論は、「今までが不幸な生い立ちだとかに理由をつけてどういう人かを決めつけるのはおかしくねえ?トラウマ?統計?いやいや、あなたに待ってる大事なものごとはここから先の未来の方でしょ?
ていう考え方です。

ちょっと大分「AIの弱点」というところから離れてしまいましたが、まとめると
AIは計画を立てて「目標」達成の役には立つけど、一貫した「目的」を自分で持ち続けることはできない。

もちろん、仕事において何より大事なのは、目標を定めて結果を出すことには変わりありません。
でも、その結果で止まってたら道はそこで終わりです。

どれだけ便利になっても、「目的」であるマインドスタンスを持って行動することを忘れてはいけねえよ!って事を思い起こさせてくれると思うのです。

AIの弱点その3:感想は言えても感覚を知らない

「○○はできても○○できない」って見出しにあわせたくて
すごい無理矢理こじつけたんですが、AIの第三の弱点として「感覚」を知らないということがあります。※そりゃ肉体がないので当たり前ですが・・・

月に吠える/萩原朔太郎

青空文庫でも読める超有名な詩人の詩集ですが、
触れるのは詩ではく、前文です。

『どういふわけでうれしい?』といふ質問に対して人は容易にその理由を説明することができる。
けれども『どういふ工合にうれしい』といふ問に対しては何人ぴともたやすくその心理を説明することは出来ない。
どんな場合にも、人が自己の感情を完全に表現しようと思つたら、それは容易のわざではない。この場合には言葉は何の役にもたたない。
そこには音楽と詩があるばかりである。
人間は一人一人にちがつた肉体と、ちがつた神経とをもつて居る。
我のかなしみは彼のかなしみではない。彼のよろこびは我のよろこびではない。
人は一人一人では、いつも永久に、永久に、恐ろしい孤独である。
我々の顔は、我々の皮膚は、一人一人にみんな異つて居る。けれども、実際は一人一人にみんな同一のところをもつて居るのである。
この共通を人間同志の間に発見するとき、人類間の『道徳』と『愛』とが生れるのである。この共通を人類と植物との間に発見するとき、自然間の『道徳』と『愛』とが生れるのである。そして我々はもはや永久に孤独ではない。

長ったらしい!中二病の文章かよ!

ですが、これって哲学でいうと「クオリア」という概念に近いものだと思います。
※自分が見ている赤色と、あの人が見ている赤色が同じなのか??みたいなこと。

でも朔ちゃんの言ってるのは、厳密にはクオリアというものと同じなのか?
もっとなんか言葉で表せない何かな感じがします。

確かに、人はなんで悲しいか?は説明できても、どんな風に悲しいかを説明できません。
悲しいことは伝えられても、他人にその悲しいの内訳、感覚を伝えることができないと思います。

そしてAIには、この歯がゆさとか、文字だけで伝わらない微妙なニュアンスである「感覚」を持てないということが弱点としてあります!※そもそもAIが「感覚」を持てていたとしても、それは誰もわからないんですけどね!

更にそれをなす術が音楽と詩だけだ。と朔太郎が言うとこには痺れました!

ボブディランの「Like a Rolling Stone」というロックの始祖みたいな曲があるのですが、
この曲のコーラスである「how does it feel?(どんな気分?)」って問い掛けにも通じると個人的に思ってます。
そして「この問い掛けに人類は永久に答えられない」とかつてロック小僧であった私はずっと思ってます。

※余談ですが、音楽においては、未だAIではなかなかたどり着けない領域があると思ってまして…
あくまで受け取って「聴く」だけならAIの歌唱、作曲に人間が勝手な感情を移入したなら感動もできると思います。
でもなんか楽器を弾くのとかもそうだし、ライブの臨場感とかもそうですが、身体で感じる「あの感覚」を、AIが取得できるのはもっとずっと先になるか・・・
もしくは、このクオリアがないからずっと到達できないかもと見てます。

他の人から見ている「あなた」の姿をあなたは知ることはできないし、
あなたの見ている「他の人」の姿を他の人は知ることはできない。
だから人間みんな同じだし、他人の目で自己を省み見ることができない「同士」なんだから、そこを気遣うことができるのが人間だぜ〜ってことだと解釈してます。

萩原朔太郎やボブディランが投げかける「ねぇ、今どんな気持ち?」っていうネットの煽りみたいな問い掛け。
人間は、この問いかけに答えられないから、他人を大事にできる!
これは、AIには汲み取ることができない人間の弱点でもあり、武器でもあります!

愛するということ/エーリッヒ=フロム

このタイトル、自己啓発みたいで嫌だな〜て感じですがドイツの社会心理学者の書籍です。
※余談ですが、仕事中の夕会(コミュニケーションタイムで)昔怪しいセミナーに連れて行かれた話をしたらウケました・・・。

この本は、「愛は技術である」
と言い切ります。努力しろよ!ってことです。

なんで、あんた何の努力もせんのに誰かに愛されると思ってんの?
みんな自分が一番大事で変わらんのやから、あんたから努力せんとなんも手に入らんよ?
ってすんごい当たり前のことを言ってます。

更には、無償の愛は母親から子に送られるものだけであって、それ以外は努力が必要!仕事も愛を持って自ら進めることが大事!ということがなにやら色々書いてあります。

この愛という精神を自分から一歩進めること。
いまのところ、AIは問いかけに答えることは出来ても、問題提起したり、自ら愛を振りまくことは出来ません。

「感覚」という部分で通じる事としては、人と人とのやり取りの中では、
臨機応変な柔軟さ、相手の意志を汲み取る共感力が必要ともなります。
それは広義での「愛」を持って接することができないと難しいのかもしれません。

お困りごとはございませんか?と待ってるのも優しさ。
だがしかし、人類ならもう一歩付加価値を提供できるよね!努力せいよ!
という風にも、解釈できる「愛」をおじさんが語っています。

まとめ

まとめというか、もううるさいくらい吐き出してますので
特にまとめることもない・・・。
(軽く書くつもりがすごい長くなってしまった)

最後にもう1冊参考の書をあげさせていただくとしたら
これまたすごいありきたりなものかもですが、総まとめ的な本はこれです。

内容は特に語りませんが、もし一度読んだことがある方も、
今までにあげた4冊の考え方を通ってくると違って見えてくるかもしれません。

とは言え、まとめにならないので、どういうとこが人間的だな~と思ったかという所だけ書きますと、

沢山の同じような綺麗な薔薇ではなくて、
故郷に残した一本の薔薇の方が、俺は大事だ!
あいつが一番綺麗なんだ!と決断してるところ。
そして、そんな大事なものが紛れてるこの世の中がなんだか良くみえてくる!

ってところです!
あとサン=テグジュペリは「夜間飛行」って書にある
「愛とは、お互いに向き合うことではなく、共に同じ方向を見つめることである」って言葉もなんかロマンチストでいいです。

そしてまあ、他にまとめとして、ひとつだけ言えるとしたら、
AIすごいです・・・!!(手のひら返し)

自分が行っている普段の業務では接点がまだ少ないものではあるのですが、正直AIで出来ることをもう今後人間がする必要はなくなるな~っていつも感じてます。

ただその方向性である「目的」は、
ちゃんと人間がマインドを持って推し進めることが重要なんだな~とも思ってます。

とってもすごいし便利なので「AIに助けてもらう」
ってついつい考えてしまうけど・・・
むしろ、「AIの弱点(欠点)をちゃんと理解して助けてあげる」
「AIにも愛をもって接してあげること」
こそがAIを使いこなすコツなのではとも思ってます。

そこら辺理解できたので、常にアンチな気持ちも忘れずに、やつらと仲良くして行きたいですね!!!!

そして私事ですが・・・
今月ひとつの決断をし、入籍をいたしました。(相手はAIじゃないですよ)
何一つ積み上げて来れてないかもって人生ですが、
自分で「決断」したことなので奥さん1人くらいは大事にしたいと思います!!!!!

長々とここまで読んでいただき、どうもありがとうございました!!


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