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腎臓の働き。オシッコ作るだけじゃない。

 前回、腎臓の位置と形(解剖)のはなしをしました。
 今回は腎臓の機能は、オシッコ作るだけじゃない。ことを説明します。

 と、言いつつ、まずはオシッコ(尿)について説明します。

 尿は排泄物では有りますが、結構面白いですよ。

 まず、基本的に尿は無菌です。
 尿路感染していれば話は違いますが、何もない時には、尿に細菌はいません。
 ある意味、綺麗です。

 次に、尿を細かく見ていくと、
 尿は、水分とそれに溶けている中身(溶質)で出来ています。
 溶質の中には、体内で栄養が代謝された後の物質(代謝産物)と塩分やカリウム、カルシウムなんかの電解質があります。代謝産物の中には、体内で作られた酸なんかも含まれているので、尿は体内の酸性度合いも調節しています。

 次に挙げられる腎臓の役割としては、ビタミンDを活性化する事です。

 食事で摂ったり皮膚で作られたビタミンDは、そのままでは身体で働かず、腎臓で活性化されると機能し出します。
 なので、腎臓が悪くなると、腎性骨異栄養症と言って、カルシウムやリンそして骨の代謝がおかしくなって、骨折しやすくなったり、骨以外の血管なんかが骨みたいに固くなる動脈硬化が進んで、いろんな合併症になります。

 もう一つが、血液の中で赤血球を作るホルモン(エリスロポエチン)を作ること。
 赤血球は、鉄を原料にして、骨の真ん中(骨髄)で作られますが、その時、腎臓から出るエリスロポエチンが働いて、骨髄が赤血球を作るようになります。
 なので、腎臓が悪くなってくるとこのエリスロポエチンが出なくなって、血が足らない状態(貧血)になってしまいます。

 腎臓はこれだけの機能を持っているので、腎臓が悪くなるという事は、ざっくり言うとこれらが出来なくなってくる事です。
 実際にはどんなものか、次回説明します。

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