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ふんわりと死を考えて、楽に生きましょう

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人は皆死にます。問題はどう死んでいくかです。裏を返せばどう生きるかが重要です。最近は死に方をある程度選べます。誰も避けられない死。ふんわりと気負わずに、考える材料を提供します。
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2024年6月の記事一覧

食べる事は大変です③

 前回、飲み込むこと、すなわち嚥下の話をしました。  今回からは、めでたく食道に入った後、どうやって体の栄養になるかです。  まず、食べ物の通り道、すなわち消化器系の構造と機能です。  食べ物の通り道は消化管と言われているように、口から肛門まで一本の管になっています。  口から物が入ったら、前回話した、嚥下で食道に送られます。  食道は呼吸器系である2個の肺の間に有って、飲み込んだものは、その食道を通って胃まで行きます。  胃と食道は、お腹の中(腹腔)で繋がっていて、

食べる事は大変です②

 前回、食べる・飲むの第一歩として食べ物・飲み物を認識するという話をしました。  では、次に、  実際にそれがどうやって体の中に入るか?を話してみたいと思います。  まずは『嚥下』というやつです。  嚥下も実は結構な事をやっています。  そもそも、食べ物と空気は同じ場所を通るので、食べ物や水が誤って、空気の通り道に行ってしまわないようにしないといけません。  というわけで、嚥下の流れ。 ①食べ物や飲み物が口に入る。 ②口を閉じたり閉じなかったり、噛んだら噛まなかったりする

食べる事は大変です①

 前回から、栄養・水分投与について話し始めました。  先ずは、食べる・飲むは、結構難しい事をやっているという話です。  そもそも、食べる・飲むということは、空腹・口渇を感じなければ始まりません。  それを感じるのは、脳の真中下側の視床下部にある、摂食中枢、満腹中枢、口渇中枢なんかです。  摂食中枢・満腹中枢は、空腹や満腹の時に濃度が変動する物質(グルコース、インスリン、脂肪が分解された脂肪酸などなど)の変動によって刺激されます。さらに、脳に送られる胃や腸が伸びたり縮んだりし

人は食べて、飲む、生き物です。

 さあ、今回は栄養と水分の話です。  人生の最終段階での栄養と水分について、どの様な方法があるのか?どう考えていけば良いのか?  考える材料をお話ししたいと思います、  当たり前ですけど、人間は口から水分と栄養を摂って生きています。  では、どれくらいの水分と栄養が必要か?  厳密に考えれば、体格によっても違うので色々と計算式がありますが、実際のところ、水分や栄養の管理をする時にあまり細かく計算してはいないので、  ざっくり言って  ・水分1500〜2000ml  ・栄養(