フォローしませんか?
シェア
前回、マスク類および⑤マスク型人工呼吸器の治療を途中で止められるか、を考えてみました。 今回は、 一番の問題の⑥気管挿管もしくは気管切開をしての人工呼吸です。 前回も書きましたが、 物理的には人工呼吸器を外して、本人の生きる力に任せるという事は可能です。 ですが、人工呼吸器が必要な病状であれば、多くの場合は、呼吸器を外したら自力では体に酸素を届けられはないので、死亡すると思います。 さらに、過去、何度か気管挿管をした人工呼吸器絡みで裁判になったりしてるので、社
前回、体に酸素を届ける方法が、どの様な時に延命治療となり得るか? 大掛かりさという方向から説明しました。 今回は、その治療が止められるか?という事を考えてみたいと思います。 言ってしまえば、どんな治療も止めることは出来るので、器械を止めて、その患者さんの生きる力に任せるという選択は出来ます。 問題は「それを止めることで、どんな社会的な問題が起きるか」だと思います。 まず、マスク類 ①鼻カヌラ、②リザーバー付き鼻カヌラ、③普通の酸素マスク、④ベンチュリーマスク
前回、体に酸素を届ける方法が、どの様な時に延命治療となり得るか? 体への負担(侵襲)という方向から説明しました。 今回は、どれだけ大掛かりか、という事を考えてみたいと思います。 要は、今居る場所、入院してたら病棟、救急で運ばれたら救急外来で対応するかどうかです。 体に酸素を届ける方法として、 ①鼻カヌラ ②リザーバー付き鼻カヌラ ③普通の酸素マスク ④ベンチュリーマスク ⑤マスク型の人工呼吸器(非侵襲的陽圧換気) ⑥気管挿管をしての人工呼吸 ⑦体外式膜型人工肺(エ
前回、体に酸素を届ける方法を説明してきました。 今回は、それらが、どうなったら延命的治療(延命治療)になるのか? 考えてみたいと思います。 まず、大前提として、 どんな医療でも、その人の生命を伸ばすことによって、その人または周りの人が幸せになれるかどうかが重要で、そこを考えず、ただ、命を伸ばす事だけの医療行為は、例え点滴一本でも、延命治療となり得ます。 次に、考える事は ①その治療が、本人にとっての辛さがどれほどのものか(侵襲的かどうか) ②その治療が、どれく
前回、体に酸素を届ける方法の内、自分で呼吸をしてもらって高濃度の酸素を、体に入れる方法を説明しました。 今回は、呼吸をしていない、もしくは呼吸がすごく弱くても酸素を体に入れる方法を説明します。 いわゆる、人工呼吸器です。 大きく分けて、二つの方法が有ります。 ①口もしくは鼻(気道)から、空気を押し込む方法。 何かしらの方法で空気を肺に押し込み、吐く時は胸郭の重さだったり、膨らんだ風船が戻るみたいなもので息が自然に出て来ます。 この方法は、陽圧呼吸と言います。
前回まで、体に酸素が届かなくなる状況を説明しました。 で、 今回は、そんな肺や胸郭が壊れる状況になって、体に酸素がうまく入らなくなった時に、どうやって体に酸素を届けるか、です。 どんな原因で酸素が体に入らない状況であれ、だいたい、先ずは酸素を吸う感じになります。 酸素の吸い方にもにもいくつか方法があって、この様な器具を使います。 ・鼻カヌラ(鼻につけるチューブ) 届けられる酸素濃度:24〜44%、 現実的には32%まで ・リザーバー付鼻カヌラ(袋付鼻チュー
前回、胸郭が機能しなくなって、息が出来なくなる状態を、二つ話しました。 今回は、最後の、胸郭を動かす神経が壊れてしまう時の話です。 肋骨で形作られたら胸郭の大きさを変えるのは、呼吸筋と言われる肋骨と肋骨を繋げている肋間筋、そして胸郭の底になる横隔膜です。 これらが伸びたり縮んだりして胸郭の大きさを変えるわけです。これらの筋肉は脳からの刺激で動きます。 無意識に呼吸している様でも、実は脳の呼吸中枢という場所から自動的に刺激が出ているので、これらが壊れると呼吸が出来な
前回、体に酸素を取り込めなくなる時のうち、②末端の肺胞から血液中に酸素が取り込めなくなる場合を説明しました。 今回、①肺の中に空気が入って行かない時を考えます。 肺は、胸郭という壺に入った風船みたいな感じなので、自分自身では空気を吸い込めず、胸郭が大きくなったり、小さくなったりする事で、空気の出し入れをします。 なので、胸郭がちゃんと機能しないと、空気の出し入れができません。 胸郭が機能しなくなる状態の、まず一つ目は、胸郭自体が壊れた時。要は肋骨が折れた時です
前回、肺への空気の出し入れから、その先の小さな風船のような肺胞での酸素の取り込みまでを、さらっと説明しました。 では、どのような時に体に酸素がうまく取り込めなくなるのでしょう? それは ①肺の中に空気が入って行かない時 ②肺に空気が入っても、末端の肺胞から血液中に酸素が取り込めなくなる時 に分けられます。 実際はこれらが重なってる時も有りますが、分けて考えると解りやすいです。 まず、②の場合。 肺に空気が入っても、末端の肺胞から酸素が入らない時。 ひとつは
前回、呼吸器の構造をお話ししました。 今回は、そこにどうやって空気を出し入れするかです。 呼吸器の構造を、肺は壺のような胸郭入った風船のようだと、説明しました。 空気の出し入れは、この壺が大きくなったり、小さくなったりすることで、その中に入っている肺を大きくして空気を吸い込んだり、小さくして入っていた空気を押し出したりして、空気の出し入れをしています。 それで、胸郭は、側面は肋骨とその間にある肋間筋、底は横隔膜(実は筋肉)で出来ているので、筋肉を伸ばしたり縮
人工呼吸器の話を始めました。 では、そもそも呼吸って何だ?を、今回話してみたいと思います。 呼吸とは、一言で言うと「体の中に酸素を取り込んで、二酸化炭素を出す事」です。 で、その役目をこなす臓器達が、呼吸器です。 呼吸器は、口・鼻から始まって、気管を通って肺まで通じていて、酸素はそこを通って最終的に肺の末端で血液中に入っていき、逆に二酸化炭素は肺から出ていきます。 では、その空気の出入りはどうやっているのか? まずは、構造から。 呼吸器の作りとしては、胸
前回、心肺蘇生がどのようなものか説明しました。 今回は、延命処置となりうる治療の4大巨頭の一つ、人工呼吸の話をします。 まず、どんなものか。 この機械の、目的はただ一つ、 「肺に空気(酸素)を送り込む」 です。 重要なのは、あくまでも送り込むだけ。吐き出すのは本人の力。少なくとも、現在、実際に多く使われている人工呼吸器は、この目的だけです。 で、 人工呼吸器での空気の送り込み方は、大きく分けて2つあります。 ①侵襲的な方法で空気を送り込むもの 侵襲的
前回、心肺蘇生がどのようなものか説明しました。 今回は、どうして心肺蘇生が延命的な治療となりうるか、考えてみます。 まずは、事実 ・心肺機能停止者の1か月後生存率は、若い人も含めて10%前後(高齢者、基礎疾患がある人はもっと低い) ・ある研究では、75歳以上の高齢者で、医療機関外での心停止例の内、1ヶ月後に介助なしで生活できる人の割合は、全体で0.88%。 ・合併症、例えば肋骨骨折は50%くらいに発生。(体感的にはもっと多い) ・救命できても、年齢、基礎疾患(癌、認
ほとんど全ての医療行為が延命だけの意味を持つ医療行為となりえると、お伝えしました。 とはいえ、遭遇する頻度の高い医療行為は、ある程度決まってきます。 今回はその中から心肺蘇生について、お話ししたいと思います。 心肺蘇生法がどのようなものかはイメージしやすいかと思います。 心臓マッサージやAED(自動体外式除細動器、半自動電気ショック機械)なんかです。 心臓マッサージは、心臓が止まってしまった時、正確には、止まって無くてもポンプとしての機能が無くなって全身に血液