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ふんわりと死を考えて、楽に生きましょう

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人は皆死にます。問題はどう死んでいくかです。裏を返せばどう生きるかが重要です。最近は死に方をある程度選べます。誰も避けられない死。ふんわりと気負わずに、考える材料を提供します。
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2024年1月の記事一覧

命を延ばすための点滴

 前回、老衰で亡くなる過程の人に抹消点滴をしたらどうなるか?と、問題提起してみました。  実際には、このような経過だと思います。  老衰で弱っていく過程のどこかで、口からの水分・栄養の摂取ができなくなり、脱水になる。  ここで、抹消点滴を行うとどうなるか?  末梢点滴により、水分が入る事で生体としては命が延びる。  ただし、点滴を刺す痛みがあり、さらに、体が弱っていて血管が脆いと、うまく点滴が入らず、何回も刺さなければいけなかったりする。  また、定期的な刺し直しが必要。

命を延ばすための治療。具体例

 前回、延命治療は具体的な医療行為ではなく「ただ、命を延ばすだけの意味を持つ治療」だ、と書きました。  では、具体的に、どの様な医療行為が延命だけの意味を持つ治療になりえるのか?  答えは、「ほとんど全ての医療行為が延命だけの意味を持つ医療行為となりえる」です。  一つの例。  点滴に関してです。  基本的には、末梢の血管、つまり腕とか足の血管からの点滴は、ほぼ水分を入れるだけと思ってもらった方がいいです。  栄養を入れる効果は、あまりありません。    ここで、いわゆる

『生命を延ばすために必要な医療やケア』は延命治療?

 前回、ACP(人生会議)をするきっかけとして、神戸大学と厚労省が創った便利なサイトを紹介しました。  ① の「必要な医療やケア」について、ちょっと考えてみたいと思います。  前回書いた様に、「必要な医療やケア」というのは、この文脈では「命を延ばすために」という言葉が隠れてると思います。  文字通り「延命治療・処置」です。  では、延命治療って何でしょう?  結論から言うと、延命治療ってものすごく曖昧な言葉で、具体的な医療行為ではなく「命を延ばすだけで、本人・家族にとっ

アドバンスト・ケア・プランニング(Advanced Care Planning : ACP、人生会議)のやり方②

 前回、アドバンストケアプランニング(Advance Care Planning:ACP、人生会議)を話す雰囲気みたいなものを説明しました。  とは言え、  いきなり受けたい医療に関して話し合うのも、何を話していいか解らないと思うので、簡単に話し合える方法を紹介します。  厚労省と神戸大学で作っているこのサイトは、順を追って人生会議が出来るので、お勧め。 https://www.med.kobe-u.ac.jp/jinsei/acp/index.html  この中から、考え