ちょろい女~サム・クラフリン編~
サム・クラフリンという男性をご存知だろうか。
私は、結構すぐにほだされるタイプである。もう本当に簡単に誰かを好きになるのだ。
何か考えるときは必ずその人のこと。仕事中、電車を待っている時間、晩御飯の献立を考えているとき—とにかく彼の顔が脳裏に浮かんで、素敵な微笑みを投げてくる。その瞬間、私はどこにいようと口角がとろけてしまう。うへっうへっと、こんな笑い方をするのはこの世でゴリラか私くらいだろうというような笑い声をあげながら、マフラーに顔をうずめてごまかしてみる。