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Ellen Doty / Every Little Scene

前作も頭抜けて素晴らしかったカナダのシンガー・ソングライター、Ellen Doty(エレン・ドーティ)。フルアルバムとしてはなんと6年ぶりで3作目です。

本作ではピアノ・トリオに、弦楽五重奏団が加わっています。ストリングスが静謐で柔らかなピアノ・トリオの音に、色彩や立体感や物語性を加えていて、押し付けがましくない情感を醸成しています。メランコリックでいてインティメイトな楽曲は、ほとんど彼女自身が妊娠中に書き、録音したものということです。


でもやはり彼女の最大の魅力は歌の力だと思います。儚い余韻を伴う歌唱、過剰にならない繊細な感情表現は彼女らしさそのものです。

そして今回のこの美しいジャケット。外の薄暗さと対照的に家の中は明かりが灯っていて、暖かな情景が広がっている様子が想像されます。まさに彼女の音楽そのものが表現されているようです。今年の女性歌手のアルバムとしてはすでにベストではないでしょうか。


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