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yamabra disk:ERIC CHEANAUX / Say Laura

一群のトロント・インディーズのアーティスト達が注目を集めていた時期があって、その熱は現在少し鎮静化した感じではあるのだけれど、僕はいまだに追いかけているアーティストが何組かいます。その中の一人がこのシンガー・ソングライター、エリック・シェノー(Eric Chenaux)です。

実はEric Chenaux、山形に何回か来ています。残念ながら僕たちの招聘ではなくて、山形でも(いや日本でも)有数の豪雪地帯「肘折温泉」で開催されていた(コロナのため休止中?)「肘折国際音楽祭」という、2月の積雪の多い時期に行われる音楽祭で、もちろん僕はエリック・シェノーの大ファンなので行きたいと熱望はしつつも、その時期の肘折に近づく勇気がなく、現在まで機会を逸しています。

豪雪地帯の肘折温泉

彼の音楽はトロント・インディーズの中でも出色に個性的です。やってることは極めて実験的、と言って良いと思うけれど、聴くものにとって決して難解ではありません。

エフェクターを駆使した独特のひしゃげたようなギターによるサウンドは、ノイジーというよりはむしろ、白日夢的な酩酊感をもたらします。しかし旋律は優しく、その思いがけずソフトな歌声と共に、エリック・シェノー以外にはあり得ない個性的な音楽として統合されているのです。


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