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yamabra disk: PEDRO ROSA / Midnight Alvorada

ムッとするような熱帯の空気、しかし穏やかで柔らかな肌触り。こういう音のアイデンティティーというのは、やはりそういう場所で生まれついた人間にしか容易に表出し得るものではない。それこそはその人の音楽的ルーツの根幹ではないかと思う。

Pedro Rosa(ペドロ・ホーザ)はSão Paulo出身のシンガー・ソングライターで現在はスペインで活動しているという。本作は彼のデビュー作品なのだそうだ。

音楽的にはサンバやボサノヴァのエッセンスよりは、ノルデステ(時にはムジカ・カイピーラ)の音楽の方向性が多少濃色いのだけど、軽やかなギターのサウンドや爽やかなコーラスが、曲によっては色彩感の渦巻くアレンジメントが、その音を洗練されたものにしている。

Mônica Salmaso(モニカ・サウマーゾ)やVanessa Moreno(ヴァネッサ・モレーノ)もゲストで1曲ずつ参加していて、彼女達らしい個性を美しい歌声でこのアルバムに添えている。そしてPedro Rosa本人の歌声が実に良い、柔らかい。

先日当会の企画で「Isso é verão! - 夏に聴く音楽」という記事をアップしましたが、本作も間違いなくその一枚足り得るのでは?



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