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yamabra disk: YOSHIHARU TAKEDA / Before the Bressing

武田さんの創る音の世界は、どこか懐かしいというか、ブラジル的に言えばサウダージではありませんか。武田さんとはもちろん世代も(凄まじく)離れているのだけれど、音楽的記憶の中では共通しているものがあるのかもしれません。Guigaの山形公演に来ていただいた時にお目にかかりましたが、とても素敵な好青年でした(☜ジジイ的発言)。

ファースト・アルバム「Aspiration」から4年。本作は武田吉晴さんのセカンド・アルバムです。⁡ピアノ、エレピ、クラリネット、チェロ、打楽器など自演による多くの楽器と、プログラミングによる多重録音で生み出された本作、前作と同じベクトルの作品ですが、さらに音楽的な奥行きを増した素晴らしい作品です。⁡ペダルスティールギターの浮遊するような音が、どこか微睡の中に在るような感覚を引き起こします。

懐かしい記憶を呼び覚ます旋律、メディテーティブで夢の中の様な心地よさと幻想性。静謐で繊細で、武田さんならではの美意識が詰め込まれた傑作です。そして今回のジャケットも素晴らしいですね。

最後に鈴木惣一郎さんのコメントを引用します。

<音楽の心地よさ>という世界を、徹底的に追及し続ける武田吉晴くん。その音楽的純度は<もはや過激>とすら呼べる。聴いていると座っていられない。ぼくの心は<ドキドキ、ザワザワ>と騒つく。こんな気持ちを抱かせる音楽家なんて、近年、彼以外いないです。素晴らしいな。

鈴木惣一朗(ワールドスタンダード)

インパートメントホームページより



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