見出し画像

yamabra disk: MANUEL LINHARES / Suspenso

僕はこのアーティストのことを全く知らなかった。マヌエル・リニャレス(Manuel Linhares)はポルトガルの、ジャズ系のシンガー・ソングライターとでも言ったら良いだろうか。これがサード・アルバムとのことだが、もちろん本作で初めて知った。で、正直ちょっとびっくりするくらい嬉しい出会いかも。

本作がまず注目されているのは、プロデュースとほとんどの編曲がアントニオ・ロウレイロ(Antonio Loureiro)で、そのほかにもアレシャンドリ・アンドレス(Alexandre Andres)や、フレデリコ・エリオドロ(Frederico Heliodoro)などの、ブラジルの新世代ミナスを代表するアーティストが参加していることだ。

そしてアントニオ・ロウレイロが本作で企てたのがラージ・アンサンブル。胸の中がざわつくようなカラフルな色彩感壮大な音に心を揺さぶられる。ミナス的なサウンドと、ラージ・アンサンブルの組み合わせは、音の陰影や立体感を形作る上で、極めて相性が良い。

が、もちろんブラジル勢だけではない。重要なのはManuel Linhares本人のタレントだ。ほとんどの楽曲が彼の手によるもので、そのドラマチックな曲想は、このアルバムの魅力の極めて大きな部分を占めている。そして柔らかいけどとても伸びやかな哀愁の歌声も、もう僕の好みそのものです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?