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偏愛音楽。 その3:アルゼンチン音楽から。

偏愛する音楽。3回目はアルゼンチンの音源から。

いわゆる超有名盤とはいえないけれど、個人的に強い愛着があり、よく聴いたアルバム、ここに選んだ10枚のアルゼンチン音楽は僕に取ってそういう偏愛の対象となっているものです。今回は以前アップした「私を構成する42枚のアルゼンチン音楽」と被らないようにセレクトしています。だからCarlos AguirreもAca Seca TrioもLuz de Aguaも入っていません。しかしアルゼンチン音楽といっても僕が偏愛しているのは主にネオ・フォルクローレなのだなぁと、認識を新たにしました。

興味を持って聴いていただければ絶対に気に入っていただけるアルバムだと確信しています。あまり多くのディスクを紹介しても聴く気にならんと思うので、この手の記事は毎回10枚だけにします。各々に簡単なコメントを付しました。



BRUNO DELUCCHI / Las Meninas

Bruno Delucchi率いるクインテット。フォルクローレの香りを残した、アルゼンチン・ジャズの美しき結晶。変拍子を多用した爽快感あふれるアンサンブル。特にvocalにLucía Boffoを配した”Cable a Tierra”と”Cuerpo y Alma”は、希望の輝きに満ち溢れている。


CAMALOTES / Cinématique

CamalotesはPuente CelesteのLucas Nikotiánを中心とするpiano trio。ECM系のpiano作品の持つ透明な美しさと、Carlos AguirreやAndres Beeuwsaertのような大地や風を感じさせる雄大で繊細な美しさが共存する、映像的なJazz作品。


LA CANGOLA TRUNCA / Sajra

La Cangola Truncaのセカンド。ファーストも素晴らしかったが、このアルバムで異次元の進化をした。旋律やリズムはルーツとなるフォルクローレの力強さや土着性を残しているが、サウンドは先進的なジャズの要素などで驚くべき独自性を獲得しているように思う。


FEDERICO ARRESEYGOR / Jardinería para Principiantes

Federico Arreseygorは、ブエノスアイレス州の州都ラ・プラタ出身のピアニスト/歌手/作編曲家で、これが4作目。Federicoの音楽は、常にロマンティックなメロデューや、美しいハーモニー、フォルクローレの香りを残しつつ洗練されていて、我々の中にある美しい記憶を呼び起こしてくれる、


FEDERICO DURAND / El Libro De Los Árboles Mágicos 

Federico Durandのの母が住むコルドバ、そこに住む人々や動物などに捧げられた作品。フィールド・レコーディングによる懐かしい音や、人肌の暖かみを持った電子音。お伽噺の様に、記憶の奥をくすぐる甘美な音像。切ない程に懐かしく美しい。


HORACIO BURGOS / Celebracion

Horacioのソロ・アルバム。オリジナルのほか、Egberto Gismonti、Tom Jobim、Mike Stern、Ralph Towner、Diego Bravoなどの楽曲と、繊細で洗練された演奏で、ジャズ、フォルクローレ、タンゴ、クラシック、ブラジル音楽を飲み込んで、極めて高度な美意識に到達している。


JAVIER ALBIN / Las Mananas El Sol Nuestra Casa

若きピアニストJavier Albinのアルバム。Mono Fontanaに捧げられたという1曲目からもうこの音楽の虜だ。彼の音楽も、Carlos Aguirreなどと同じ美意識から創造された音楽なのだと思う。空間を浮遊する様な、懐かしく清々しい感情に満たされる。まさに偏愛の一枚。


JUAN FERMIN FERRARIS / 35mm

CribasのピアニストJuan Fermin Ferrarisのソロ作品。基本的なフォーマットとしてはジャズだけれど、Mono Fontanaのように様々なテクスチャーをかぶせて、独特の音像を形成してる。映像的な世界観と、メランコリックな旋律とともに、記憶をくすぐる独特の感覚を与えてくれる。


RODRIGO CARAZO / Oir E Ir

コルドバ出身のシンガー・ソングライター、Rodrigo Carazo。Juan Quiteroの様な、フォルクローレの香りを残すハイトーン。SpinettaやJorge Drexlerなどの影響も感じさせる、コスモポリタンで幅広い音楽性。洗練された楽曲やサウンドにも、才能の息吹が感じられる。


TINCHO ACOSTA / Silencio

Tincho Acostaはラプラタのシンガー・ソングライター。徹底的に繊細で伸びやかな歌声と、哀愁にそめられた旋律、そして圧倒的なギターの技術。彼ももた、Carlos AguirreやAca Seca Trioのように、有機的なネオ・フォルクローレを創りあげている




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