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casa de rio (神保亮画伯を偲んで) その1: 中南米音楽「とびら」イラスト



casa de rioについて

故神保亮(Rio Zimbo)画伯は、山形中南米音楽愛好会の会長として、ウーニャ・ラモス、アントニオ・パントーハ、ケロ・パラシオス、クリスチーナ&ウーゴなど数々の巨匠のライヴを山形で実現させた、我々の敬愛する先輩であります。ブラジル音楽にも造詣が深く、ソニア・ローザを起用して、あの「でん六豆」のCMを作ったという驚くべき逸話もあります。山形ブラジル音楽協会名誉顧問をお引き受けいただいておりました。また現Latina誌の前身である「中南米音楽」誌に、数々のイラストや挿絵を残しておられます。氏の足跡を偲んで「中南米音楽」の「とびら」や「編集後記」に描いた作品、その他数々のデザイン・絵画をここに紹介いたします。生前寛容にもご許可いただいた神保氏に改めて感謝を申し上げまるとともに、我々にとっても大変光栄なことであります。

第1回は中南米音楽誌の「とびら」イラスト集です。


神保亮画伯/プロフィール

神保 亮(Rio Zimbo)1937-2015 フリーデザイナー、映像ディレクター

1937年(昭和12年)10月樺太に生まれる。父の仕事のため満州東安市に。45年ソ連参戦、軍に捕らえられてハルビンに移され、後46年引き揚げ。弟妹3人を失う。山形の相模村(現山辺町)の親戚を頼って住む。山形大学教育学部卒業後、中学校教諭。カリエスで休職中、山形放送美術に転職。CM制作室勤務となりムービー制作にもあたる。その後、再び教諭として天童高、米沢女子校などで美術を担当したが退職。現在はフリーデザイナー、映像ディレクター、この間頼まれるままに各種音楽会のポスターや演劇のポスターなどを描く。「山形うるおい百景」(山形市)の装丁を注目され、田中邦太郎著「街角の履歴書」や横山良介著「宿題はお化け退治」、高橋徳義著「おらあ腹ぺこ豆戦士」などの装丁・挿し絵は中央出版に劣らぬ出来栄え、河北町VTR「河北ロマン散歩」「寒河江ダム立体映像」「山形県海外向けVTR」などディレクト。



「音楽とデザイン」 ー 神保亮

うれしい作品に出会うと音楽が聴こえてくる。それは、ひそやかにだったり、ごうごうとだったり、絵画・彫刻・小説・詩、そのうれしい作品に出会うと音楽が聴こえてくる。その逆もある。心動かされる音楽には必ずある情景が浮かびあがる。幼児から少年になるころのそれだ。草原が見える。それに続く地平線が見える。その中にポッと小さな家があって、そこには・・・。優しい音楽を聴くと一瞬のうちに、この幻想が、いや幻想ではないのかもしれない・・・。この不思議な感覚の中に身を置くと心安らぐ。 そのせいか音楽狂いを続けている。バッハ、ショパン、モドゥーニョ、ユパンキ、パントーハ、チャルチャレーロス、カナロ・テオドラキス、マルコポウロス・・・。こりゃつき合いきれないと言われるにきまっている。南米フォルクローレは私を音楽漬けにした。私のデザイン・映像は、ここに発して、この中にはまっているらしい。全く・・・。


中南米音楽「とびら」イラスト集

月刊ラティーナ誌の前身『中南米音楽』の扉に掲載されたイラスト集です。




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