yamabra disk： SCOTT ORR / Oh Man

Scott Orrは「Quiet Corner 2」にも取り上げられている、カナダはハミルトン在住のオルタナ・フォーク・シンガーです。しかし昨今のアーティストとしては、それ以外に彼に関する情報が、この時代には驚くほどネット上に乏しいのです。

優しく撫でるような、メランコリックな旋律は、聴くものの脳裏に切ない感情をもたらします。そしてその歌声はスモーキーで、壊れそうに繊細で、臆面もないほど甘美であり、柔らかく震えるビブラートも美しい余韻を残します。

余白を感じさせるジャジーでシャイニーなサウンドは、メロウかつフォーキーな印象なのですが、このアルバムは、「死」、「地球」、「来世」などについての作品であるとのこと。そんなに深刻さを感じさせませんが。
であればこそなのでしょうか、記憶の底辺を優しくくすぐるような音楽です。