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yamabra disk: TATSURO YOKOYAMA (横山起朗) / Quiet New

横山起朗さんは、宮崎県在住のピアニストです。蔵野音楽大学演奏学科ピアノコースを卒業された後、ポーランド国立ショパン音楽大学でピアノを学び、 クラシックの研鑽を重ねたそうです。その後ワルシャワで作曲を始め、ソロピアノのアルバムを制作。本作は5作目にあたるものです。

全編を静寂が包み込んでいます。その静寂の中、ピアノの残響が波紋のように広がりそして減衰していって、その後にはまた美しく儚い静寂が生まれ、聴くものはそこで新たな静寂を発見します。静寂とは言ってもピアノで奏でられる旋律には様々な情景や懐かしさ、そして美しく静謐な物語をも見出すことができるのです。静寂は想像力を惹起します。


本作は料理家の「月の石」こと樋口加代子氏の主催する食事会の音楽として制作されたものを音源化したものなのだそうです。樋口加代子さんについて僕は存じ上げませんでしたが、このアルバムを機にSNS等で記事を拝見しました。料理だけではなくトータルに空間を作り上げておられる方で、横山さんとのコラボで食と音楽と場を体験した人達は、なんと幸福なのだろうと、ただただ羨むばかりです。


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