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yamabra disk: SLAWEK JASKULKE / 蔭凉寺ライヴ

ライブ招聘から撤退した僕にとって、やり残した、というか機会があれば是非山形でも公演を開催したかったと、思っているアーティストがいます。以前からファンだったこのSlawek Jaskulke(スワヴェク・ヤスクウケ)もその中の一人。まあ機会がなかったので仕方がないですね。

本作は山形とは違って未だに多くの公演を行なっている岡山の蔭凉寺でのライブ録音です。この2023年の日本ツアーでは、「各地の会場の雰囲気を当日感じてレパートリーと演奏方法を決めるという、インプロヴァイザーとしてのスワヴェクの魅力が各公演で大きく反映された」とのことで、岡山では「清冽な寺の雰囲気と当日まばらに滴る小雨という要素に大きくインスパイアーされた内容」とのことです。山形の文翔館で公演していたらどんなものになっていただろうかと、みっともなくも未練たらたらで想像しています。

さてその「場所」が、アーティストの演奏にもたらす影響が、このライブ録音には強く現れているようです。「ようです」といったのは僕は蔭凉寺を訪れたことがないからですが、築300年以上の歴史ある建物の霊的な風格と、雨の日という条件が、この日の即興的な演奏に与えた影響は想像に難くありません。記憶の底を弄られるような、静謐にして瞑想的なアルバムです。録音も良いし、ジャケットもすごく良いですね。


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