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「不満は言わない」は本当に解決策なのか?

経営者として会社に携わるようになって、人の心と向き合う機会が圧倒的に増えました。モチベーションも考え方もなにもかも違う人と話していると、人の持つ感情の多様性に驚くことばかりです。

そういうなかで感じた「不満とどう向き合っていくのが良いのか?」というのが、今回話したいことです。

「不満を口にする理由」がわからなかった

最近、テテマーチという会社も随分と大きくなって、社員数が60名(業務委託を含めると100名弱)を超えました。

賑やかなメンバーが揃って盛り上がってきたなと感じることが多い一方で、多様なメンバーが集えば集うでその分、交わされる意見の数も増える。そうすると、ポジティブな意見だけではなく、ネガティブな意見も増えていきます。

タスクやプロジェクトに関する不満、メンバー同士の意見のぶつかり合い、キャリアに対する悩みなど、話題の内容はさまざまですが、共通していえるのは「解決したいモヤモヤがある」といったところでしょうか。

僕自身は、性格上不満や愚痴の類いを吐露するタイプではありません。ネガティブな事象が生まれた場合はそこから「改善点」を見出して解決するという人間です。なので、正直にいうと、不満を人に話す人の気持ちっていうのが、これまであまりわからなかったんです。

「なにを改善したいのか考えて、見つけて、動くだけ」って、そう感じていました。

ところがそれは、僕がそうするっていうだけの話で、万人がそうして解決までの道筋を立てているわけではないのかなと思います。たとえばの話、改善点を見つけることが難しい人もいるし、壁打ちを通して話を整理していくタイプの人もいますよね。

反対に、人の話を受け止めて整理整頓するのが得意な人もいれば、ネガティブな話を聞いていると気持ちが引っ張られて落ち込んでしまうという人もいます。

組織で働く以上、そういったいろいろな特性の人同士が混ざり合って仕事を進めていくので、そのあたりの交通整理は、僕にとって考えたいトピックの一つになりました。

不満は溜まる前に吐き出してみる

じゃあ、結局どうしたら良いのか。今のところ僕は「抱えた不満はなるべく吐き出す」のが良いんじゃないかと思っています。

誰にも伝えられない不満って、抱えている本人も気づかないうちにムクムクと膨れ上がって、もともとのサイズよりも随分大きくなってしまうから。

なるべく小さなうちに、心の声が聞こえ始めたくらいのタイミングで人に話すようにする。そうすれば解決するために打てる手立ても多いはずです。

ただし、このとき一つだけ注意することが。「誰彼構わず不満を吐き出すような真似はしないこと」です。一歩間違えると、ただ「いつも愚痴っている人」になってしまうので。

マネージャーや上司であったり、自分の話を受け止めてくれる先輩であったり、安心して話せる人に対してだけ発動するのが良いのかなと思っています。

僕自身、マネージャーとしてメンバーと向き合うときには、そういう場を用意したくて「なんでも話してくれよ」というスタンスでいるようにしています。

楽しいことも、傷ついたり困ったりしていることも、全部受け止めるための機会を設けることで、メンバーの思考の棚卸しをしてもらえらたらなと思っているんです。

今のところ、そういったスタンスでいることで少しずつですがメンバーが思っていることを言葉にしてくれるきっかけを作れているのかなと思っています。

改善点を自ら考えたり、言葉にならないモヤモヤを言語化してくれようとしているメンバーの姿にも出会えました。

その不満はなぜ生まれたのか?

それともう一つ、不満を抱えたときに考えてみてほしいことがあります。「その不満は過度な期待から生まれていやしないか?」ということです。

どういうことかというと、不満の多くは「こうしてほしかったのに理想通りにならなかった」みたいな期待と裏切りによって生まれているんじゃないかと思うんです。

「こうしてほしかった」というのは期待、それに対して結果がついてこないと、「裏切られた」と感じて不満が生まれる。

自分と他人は別々の人間なので、言わずとも同じ価値観を持てるということはそうありません。それなのに、僕たちはどうしてか「きっとこうしてくれるだろう」と一方的に期待をしてしまうことがある。

すると、お互いの期待値の調整がうまくいっていないので良い結果がもたらされないという事態を引き起こしてしまいます。

こういう場合の解決策は「期待しない」ではなく「自分と相手の期待値をすり合わせること」。「こういう行動を求めています」と率直に希望を伝えたり、叶えられない要望があった場合は「こういう理由で叶わなかった」と理解を求めたり。

コミュニケーションがおろそかになればなるほど、お互いの認識のズレが大きくなり、本来生まれるはずではなかった不満まで生まれてしまうのかもしれません。


さて、いろいろと話してきましたが、今回話したことをまとめてみます。

・抱えている不満は溜め込まず、小さな不満であるうちから話してみる
・ただし、不満を伝える人は信頼している人に限定する
・そもそもの不満が生まれる背景にある「期待」にも目を向けてみる

これらを意識してみることで、今までよりも少しだけ不満とすっきり向き合えたり、さっぱり解消できたりするのではないのかなと感じています。

「不満が生まれたときにどうするか?」とビジネスパーソンに聞いてみると、おそらくそのこたえは人の数だけあるはずです。確固たる正解もありませんし、書店にいけばそういう話にまつわるアンサーも無数に見つかると思います。

僕自身もまだまだ正解をバシッと見つけたわけではありませんが、日々不満について考えているなかで、こういった考えが生まれたのでまとめておこうと思い、noteにしたためてみました。

みなさんの不満との向き合い方はどのようなものでしょうか。考えてみるのも面白いかもしれません。それでは、今回はこのへんで!

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