桜が咲き始めると思い出す

今年も桜前線がやって来た
朝のニュースも友達のSNSも美しい桜の画面に埋め尽くされる

のと鉄道七尾線　能登さくら駅の桜

この場所に行きそびれて何年たつだろう

桜の駅の桜の満開は少し遅く
四月の二週目に義母が
この駅の桜が見たいから
桜を見に行こうの誘いを受けた

その日の水曜日は快晴で少し桜が散り始めた時期だった

同じ石川県内だが桜の駅までは我が家からは片道二時間以上は掛かる

義母は癌を患い二人での遠出はちょと自信がなかったが
来週行く予定を立てた

しかし出発の週に大雨が降って
一瞬に桜は散ってしまったのである

しょうがない

また来年行こうと約束して
桜のシーズンは終わりを迎えた

しかし彼女の来年は存在しなかった

その年の10月にちょっした風邪から肺炎を併発し

高所から大きな岩か転がり落ちる様に

具合が悪くなり

癌を患っていた彼女は
自ら終末病棟に移った

その年は何とか持ち堪えたが正月2日に帰らぬ人とななった

桜が咲く頃

わたしはいつも思い出す

何故あの時に桜を見にいかなかったのだろう

遠出に自信がなかったのではない

彼女の身体を思いやつたのではない


わたしはただその日は邪魔くさかっただけなのである

わたしには来週があった
そして来年があった


彼女には
来年がなかったのだ

友達のSNSからの桜が満開だ

友達の近所に咲く桜

友達の義母は歩けない
車から降りてすぐ見られる場所て美しい桜を義母と二人で愛たようだ

桜の季節になると
義母の事を思い出す

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#満開の桜
#桜前線
#義母