東京ばななはバナナでしょうか

先日、北海道のニセコから帰ってきた兄と羽田空港限定の土産話をしていた時の笑い話をひとつ。

その土地でしか買えないローカルフード好きの私としては、そこでしか買えない限定ものに結構弱い。

千歳空港のあんバターサンドやチーズスフレにも心惹かれるが、羽田空港のわらび餅やカマンベールチーズケーキにも惹かれる。

兄が旅立ったその日から、北海道のどこにいるかしれない兄に連日メールをし、お願い土産をここぞとばかりに連打していた。

毎朝の努力の連打により、何とか6点の土産を買ってきてもらえたのだが、大好きな札幌大通りにある「どんぐり」のちくわパンは案の定、購入を見送られていた。

買ってもらえたら、ラッキー、位に思っていたのだが、もしかしたら食べられるかも、と思っていた食いしん坊な未練心が数時間、たらりとこぼれまくっていた。

兄も甘いもの好きなので、旅行やドライブに行くたびに、自分でも様々なスィーツを購入しまくってくる。

そんな兄は、意外にも東京ばななのファンでもある。

よくあるカスタード菓子だよね、と馬鹿にする妹を無視して、よく購入してくる。

今回も羽田で「メープル味」を見つけたと、ばななワールドと六花亭のこれまた、定番すぎるレーズンバターサンド大量に購入してきていた。

「こんなに誰が食べるのよ、たかが、東京ばななだよ」と妹があきれて言うと

「東京ばななはやっぱりうまい」といって譲らない。

横で聞いていた母に、東京ばななっておいしい?、と聞くと

「ばななはバナナでしょう」と一呼吸置いた後

「東京でとれようと台湾でとれようと」と大真面目のひとことに、一瞬、兄と目があい、思考が固まった。

そして、数秒後、瞳孔が開きそうなほど笑った。

そのひとこと、まさにそうなんだけど、と、思いながら涙が出るほど笑ってしまった。

笑いすぎての涙、久しぶりと思いながら笑っていた。

東京ばなな。確かに東京のバナナなんだよね。

それもあり、なんだけど、おかーさん、今食べてる、それが東京ばななです、となんだか言うのがもったいない気がして笑い続けていたのだった。

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