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偏食で少食な娘のはなし

娘は偏食で食が細く、まだ母乳をのんでいる。今年の夏で二歳になる。

離乳食をはじめる頃、私は精神的にも身体的にも結構しんどくて(長野に引っ越し、居候を終えて家族3人で暮らしはじめて間なしだったこともあり)友人のやっていたBLWという海外式の離乳食をはじめた。すりつぶしたり細かくしたり、そういう作業がとにかく面倒に感じて、あとはいろんなものをさわりちゃんこにしながらも美味しそうに食べていた友人のこどもの様子に憧れたのだった。

BLWというのは、平たくいうと離乳食初期の赤ちゃんであっても、指で潰せる程度の固さに茹でた野菜やお肉などを自分で食べさせる、というもの。
「はじめは遊び食べを繰り返しますが、続けていけば必ず食べるようになるときが来ます!」と、参考にした本には力強く書いてあった。そんな日は来なかった。

 娘は待てど暮らせど食べるようにはならなかった。これはBLWがダメだったのではないと思う。娘がそもそも食に対して関心の薄いこどものようだった。というのも、あんまりにも食べなかったので、あるところから諦めて普通の離乳食のような形状にしてみたが(正規のBLWではあまり望ましくないとされている方法だが)、離乳食の代名詞であるおかゆを全く食べず、記憶にあるかぎりはじめの2ヶ月くらいはなにも食べなかったように思う。スプーンを払い落とされ、ストレスでぶちギレたこともある。何度も。

はじめこそ、真面目に食べさせなければと躍起になっていたが、だんだんとそれもアホらしくなってきた。だって食べないのだ。市の施設で専門家に相談してみたこともある。少しずつ慣らそうとか、形状や味付けを工夫してなどというアドバイスをいただいたが、まあそんなことしても食べないものは食べないのだ。

私の備忘録的に娘の今日1日の食事を記録すると

朝 母乳をのむ
パン拒否、シリアル拒否 、いちごも拒否
りんごジュースをのむ。そのあとおそらくパンを雀の涙ほどたべ、シリアルも数粒食べている(はず)。

午前遊びのあと、帰りの車のなかでクッキーを食べる。

帰宅して母乳をのみ昼寝。

おやつの時間ごろに起きてきて、海苔を巻いたおにぎり(かなり小さい。大人の2口サイズ)を半分ほど食べる。

夕方、テレビを見ながらパンを4分の1枚食べ、そのあとハムとちくわをつまむ。

晩御飯の時間にヨーグルトを遊び食べする。
白米を少し。豚汁の汁を少し。

こんな有り様である。合間にちょこまか母乳を飲んでいる。もし真面目な子育てを目指している人や、食育に携わっている人が知ったらひっくり返るだろう。某知恵袋に書いてもたぶん「お子さんの栄養面が心配です」とご回答いただくレベルだと思う。私だって心配です。
でも、重ね重ねいうけど、食べないものは食べないのだ。仮に栄養満点のごはんを三食並べたって、食べないのだ。


  娘を育てる上で心に決めていることは、「お菓子だろうがなんだろうが食えるものを食わせる」ことと、「三食にこだわらず腹が空いたら食べさせること(一応、栄養のありそうなものから提案はする。ごはんや果物を提案は、する。でも拒否されることもしばしば。)」そして、「たとえそれがお菓子の分類であってもなにかしらの栄養にはなっている!と信じること」。

幸い、娘は産まれたときから身体が大きめで、その後も母乳と(親的にも世間的にも明らかにいろいろ不足しているのではと思ってしまう)食事だけでみるみる大きくなり、健康に成長している。運動も得意そうだし、身長も高いほうだ。一度など、偏食なんですと専門の方に相談すると「ではどうやってこんなに大きく…?」と不思議がられたこともあるくらいだ。

たまに、お子さんが小学生とか、それより大きくなられている親御さんにも出会う機会がある。娘が偏食で少食だという話をすると「うちも食べなかった!」という話を皆一様にしてくれる割に、今はどうですかと聞くとどのお子さんも元気だし、健康だ。ついでに、大きくなっても食べない子は食べないようだ。だけど、それが原因で身体が弱くて、という話は少なくとも私は聞いたことがない。


ネットで「離乳食 食べない」などと検索すると、いろんなレシピが出てきて、食べさせ方やおすすめの椅子や姿勢や時間ややり方や、本当にたくさんの情報が出てくる。
だけど、思う。
「それは結局、食べる子のやつ!!!!!」と。

もしくは、同じように偏食や少食で悩んでいるお母さんたちが、我が子の食べたもの(というか主にいかに食べていないか)を投稿していたりするのも見かける。私も投稿に救われたりしたこともあったけど、先ほど記載したように、もはや娘はそもそも投稿にあげられるようなまとまった食生活を送っていない。だけど私はまあいいかと思っている。まあいいかと思うまでにかなりの時間を要したけど、まあいいかと思うようになった。食べたくなったら、きっと食べるんだろう。

今日も娘はおにぎりをかじり、野菜を机の下に落とし、ヨーグルトで絵を描いてごはんを終了させている。
さてはて5年後、私はこの記事をみて笑っているでしょうか。


この記事を読んで、「まあいいか」と思ってくれるお母さんがもしいたら、私もうれしいです。毎日おつかれさまです。









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