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学びに必要なこと

 毎日まいにち、へちま島(へちまじま)。
家族3人そろって、へちま島。
任天堂「あつまれどうぶつの森」はものすごく売り上げを伸ばしているそうだが、ええ、我が家もみんなでドはまり中。

 いやぁタヌキにえらい借金をして、毎日魚釣りやら虫取りやらして借金返済するゲームにこんなにもはまるとは。・・・という理解がすでに歪んでいて、ほかの島民たちからは「守銭奴!」なんて冷たい目で見られている。そう、我が「らむね」さんはひたすらお金稼ぎばっかりして、どんどん増築していくマイホームの中はがらんどう。家具にもインテリアにも興味なし。もらったら何でも売っちゃう。もちろんお洋服にも興味ないから、2ヶ月くらいプレイしていていまだに「エイブルシスターズ」(お洋服屋さん)の中に足を踏み入れてない。なんて告白を最近したら、「はぁぁ??」ってみんなにドン引きされたよね。え、要る?洋服?そんなの買うんだったら、橋やら坂の建設費用を一括払いしますから!

 一方のムスメ氏は毎日エイブルシスターズ(お洋服やさん)でお買い物。様々なコーディネートを超楽しんでいる。もちろんインテリアにもこだわり、ナチュラルな白で統一されたお部屋はとっても素敵。26万ベル以上する白いピアノが(インテリアに映えるから)どうしても欲しいというので、守銭奴らむねさんの出番。もともと少ない家財をどんどこプレゼントし、離島で(特産以外の)フルーツの木を根こそぎ伐採してきてへちま島にがんがん植えて、お金稼ぎをお手伝い。まぁ、はい、やることえげつないですね、実際。

 そんでもって全くお金稼ぎに興味がないオット氏。のんびり島生活を楽しんでいる。「どうしたらハチにさされないか」研究するために、紙袋をかぶって離島へ行き、わざと蜂の巣を落としたりしててビックリする。変な置物なんかも収集していて、「それ何のために持ってるの?」と聞いたら、「持ってたら楽しいから持ってるんだよ。」と涼しい顔で言う。守銭奴らむねさんに必須の、ネットで探してきた魚の値段表をピラピラ振ってみせようものなら、「そんなのがあったら面白くないから!いくらかなぁ?って思いながら売るから楽しいんだよ。」と全力拒否。ふーん。

 ・・・とまぁ、楽しみ方が三者三様で面白いな、と思う。目的(お金稼ぎ=レベルアップ)に向かってまっしぐらの私(らむねさん)。おしゃれのためにそこそこお金稼ぎをしながら、日々「かわいい」を追求して満喫しているムスメ氏。行き当たりばったりの出会いを楽しむオット氏。まぁ一番つまんねー生き方をしている守銭奴らむねさんですが、いや日々忙しいんだってば。島民たちに「らむねちゃん、あの子魚釣りばっかりしてる」ってウワサ話されようとも、せっせと大量にあさりを掘ってエサをDIYし、それをひたすらまいて高額レア魚ゲットするまでねばるんだから。・・・というこだわり発動的楽しみ方もできちゃう「あつ森」、すごいデス。

 私のちょっといがんだ楽しみ方はとりあえず置いておいて、「学び」という要素的にも「あつ森」はよくできていると思う。それぞれの島には博物館があって、魚や虫、化石などを採取して寄贈もしていけるようになっている。寄贈の際にはそれぞれの生き物に関する説明も(フウタという梟が)してくれて、美しい館内に展示されるので繰り返しみることができる。最近のアップデートで美術館エリアもあき、今後は美術品も収集する楽しみが増えた。それらにまだ親しみのない子どもたちは新しい興味関心を広げるきっかけに、もともとそれらが好きな子どもたちは大好きなものに触れながらワクワクできる時間になるだろうと思う。

 また科学や文化芸術だけではなく、経済活動についても自然と触れることのできる内容にもなっている。日々(魚やら虫やらを)採集してそれを売り、マイホームのローンを返済していくわけだから、お金の計算や損得について考えざるを得ない。さらには毎週「カブ(野菜のかぶ)」を売りにかぶちゃんが島に来るのだが、買ったカブはその後の1週間の間に売りさばくことができ、かつその売値(カブ価)は毎日変動する。要するに「株」の売買を野菜のカブで疑似体験する仕組みになっていて、毎日カブ価が気になって仕方ない。そしてこのカブ、1週間過ぎてしまうと腐ってしまうもんだから、「経済はまわさないと腐るってことだよね。」となにやらそこにいろんなものをみて感心さえしてしまう。

 あつ森をしていてすごく思ったのは、「学習用のゲームがたくさん作られたらいいのに。」ということだった。いや、きちんと調べたわけではないけれど、今までにも学習ソフトやアプリはたくさん作られていて、私も学習支援をする際に吟味して使わせてもらっている。でもそれらの多くは「漢字」「計算」などドリル的なもので、紙よりは自由度があがって場合によっては(特性に応じて)取り組みやすいのだけれども、子どもからしたら「お勉強させられている」状態に変わりはない。だからそういう用途をしぼった電子ドリルの閾にとどまったものではなくて、子どもがわくわくと誘われるような世界観が作り込まれていて、そこで自然と「学習してしまう」ようなものが欲しいな、と思う。高値で売り抜きたいから、いつどのタイミングでどれくらいカブを売るか考えざるを得ない、みたいな仕掛けが仕込まれているというような。あるいはストーリーの中に様々な社会問題が埋め込まれていて、それらの基礎知識を得つつグループで話し合いをして何かを「選択」していって物語が進んで展開していく、というような。

 ・・・とここまで書いてきて、まぁ別にそれってデジタルのゲームにしかできないってことでもないよな、とも思った。デジタルだろうがアナログだろうが、たぶん学びを誘う「お話(ストーリー)」があればいいんだな、と。その中に投げ込まれて、読み書き計算、社会や文化芸術に関する基礎的な知識を「自分ごと」として身につけていくことができればいいのだとしたら、その方法は無数にあるんだろう。その一つとして、(学習用の)ゲームももっと作られていくといいなと思う。

 もちろんこれまでのような、「漢字(計算)の練習をしましょう」という一方向的なドリル方式が安心で向いているお子さんもおられると思う。それは多様な学び方の一つとして、今後も保障されていかないといけない。でもかつてと違ってより刺激にあふれ、楽しみも増えた時代において、たくさんの子どもたちがそのスタイルをそのまま受け取れなくなってきていることもまた事実である。「不登校」とひとくくりにされている現象の背景には、そうした「学び」のスタイルのズレもあるのだろうと思う。

 なーんて立派そうなことを言っちゃってますが。
レア魚をゲットしたら博物館に寄贈すべきなのにタヌキに売りさばこうとして、「お願い!売らないで!!寄贈して!!!」とムスメ氏に懇願されるわ、「島の文化的発展に貢献しないなんて。」とオット氏からは蔑まれるわの、守銭奴らむねさんはどうかと思う。市民的成熟度の足りない構成員のらむねさんではありますが、今日もへちま島へ行ってきまーす。

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