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梟文庫 性教育月間が始まります

 すでにあちこちでお知らせをしているが、来月11月は梟文庫の性教育月間である。現在中学生のムスメ氏がまだ小学生の頃、学校での性教育の授業を何度も参観したのだが、「これは・・・あまりにも・・・」と残念すぎる思いを抱えてモヤること数年。もちろんだからといって現場の先生がたを責める気持ちは全くなく、むしろ全教科を一手に引き受け、クラス運営もしながら専門外の授業をしなくてはならないという過酷な状況に深い同情を感じずにいられない。本来であれば「性教育」はなにも特別なことではなくて、子どもたちの生活と人生に関わってくる基本的な知識や教養なのだから、それぞれの先生方が授業の中で伝えることができれば理想だとは思う。でも残念ながら性教育後進国と言われている日本で、先生方自身も体系的な(専門的な)トレーニングを受けておられないわけだから、現状必要なのは素人による「付け焼刃で四苦八苦」な授業ではなくて・・切実に、専門家!!なのであります。まずは専門家の手ほどきを受けながら、大人たちも子どもたちと一緒に学ばないことには始まらない。今私たちはまだ、その段階にしかいないのである。残念だけど、認めるより仕方がない。・・・なんてエラそうに言っている私自身が、性教育に関して今ともに学ぶ必要にかられて、今回の企画を準備している。

 さて性教育月間のメインはなんといってもacrosstoneさんの性教育ワークショップで、acrosstoneさんの素晴らしいご活動についてはこれまでnote(こちらの記事)でも紹介させて頂いてきた。公立小学校で実施されている性教育の授業の報告など、とても目から鱗&楽しい記事にまとめて下さっているので、acrosstoneさんのnoteは必読です!

 そして今回は性教育ワークショップに合わせて、2つの関連イベントを実施予定である。まず一つ目は、性教育関連書籍を集めて展示をするブックフェア。幼児期から性に関する知識を無理なく伝える絵本から、思春期を迎えた子どもたちでも気楽に手に取って読めるマンガ、性教育について改めて考える大人向けの書籍まで、幅広く用意したいと思っている。絵本に関しては、子どもと家族のちいさな図書館「ちいさなとびら」を運営されているnacoさんのご協力を得て、性に関する絵本のブックレビューをリレー連載して頂いている。梟文庫の性教育特設サイトにリンクをはっているので、ぜひお立ち寄り頂きたい。

ふくろう文庫のせいきょういく特設サイト

nacoさんの「ちいさなとびら」

 性教育というと現状どちらかというと「誕生の奇跡!」、それに続く「お父さんお母さん(生んでくれて)ありがとう!」という感動ストーリーに仕立てられるきらいがあるが、正直なところ私はその流れが苦手である。生命が誕生するというのはミラクルであると私も思うし、子を前にすると「生まれてきてくれてありがとう!」とも思うが、子どもは親を選べるわけではない。だから子どもたちが(性教育を通して)学ぶべきことは、「奇跡的に授かった命なのだから」「生んでくれた人に感謝」というストーリーではなくて、いかに自分(からだ、こころ)をよく知り大事にするか、(他者に)大事に扱ってもらうか、ということであり、子どもたちはそれを学ぶ「権利」がある。その点において、nacoさんがブックレビューで実際に絵本の紹介を始める前に「子どもが生活に、人生に参加するために~性教育ブックフェアに向けて①」という記事で、「絵本を使った性教育」の意味について論じるために「子どもの権利条約」に言及されたのを読み、「そうそう、そうなんです!!」と首をぶんぶん縦に振って「共感しかない!」と心の中で盛大に叫んでいたのだった。チープな感動ストーリーを子どもたちに手渡せるほど、今の世の中お花畑じゃなくね?搾取されたり、支配されたりするリスクとともに生きている子どもたちに伝えないといけないことは、「君のからだは君のもの。君には人権がある。」ということであり、その上で自分自身について知り、学ぶ機会が保障されていなければならない。nacoさんは記事を以下の言葉で締めくくっている。

「性教育は、人間の生きる営みを伝えることだと私は思っています。そして、どの年代にとっても生きる営み・人生と直結します。まずは、そこから子どもを排除しないこと、そして適切なありかたで伝えていくことが重要だと思います。子どもと大人の対話のために、絵本は欠かせない媒体になるのではないでしょうか。」

 生きる営みから子どもを排除してはならない。対話をせよ。
 今いたるところで必要とされている態度である。ぜひnacoさんの素晴らしい論考をお読み頂きたい。

 そして性教育月間もう一つの企画は、「生理用品展示体験会」である。多種多様に販売されている紙ナプキンやタンポンをなるべく多くの種類集めて展示することに加え、第3の生理用品といわれている月経カップや吸収型サニタリーショーツなども実際に手に取ってみて頂けるように準備を進めている。今回多くの生理用品を集めるため、生理用品メーカー各社にサンプルのご提供を依頼しまくるということをしたのだけれども、本当にありがたいことに多くの企業がご協力くださった。なので紙ナプキンに関しても普段ご自分がお使いのものだけではなく、様々な種類のナプキンの大きさ、材質、肌触りなどをとにかく「見て触れて」体感してもらえたらと考えている。ご希望があれば吸収力実験などもして頂いてもいいし、可能な限り自由に体験していって欲しい。もちろん生理のある方々だけではなく、生理のない方々も「へ~こんなものなのかぁ。」と知ってもらえたら嬉しいので、生理のない方々も(ていうか、こそ!)気兼ねなくお越しください。大歓迎です!

 ところで紙ナプキン、タンポンあたりはみなさん馴染みがあると思うのだけれども、月経カップや超吸収型サニタリーショーツはまだ認知度も低く、ユーザーもそれほど多くないようである。月経カップとはシリコン製のカップを膣内に挿入して経血を受けるもので、悪戦苦闘しながら私が使ってみた体験記はこちら。その後色々思うことがあって使用頻度が下がっていたのだけれども、月経カップの種類とサイズを変更してスーパージェニーを使うようになったら・・・漏れない!しかも多い日でもかなり長時間いけちゃう!(タンポンだと2時間ごとに交換しなくちゃいけなかったのに、8時間近く漏れずに楽ちん!)ということが分かり、再び月経カップ愛用中である。さらに超吸収型サニタリーショーツを月経カップのバックアップに使うと、なんと憧れの紙ナプキンフリー生活が手に入ってしまった。超吸収型サニタリーショーツは、タンポン約2本分の経血を吸収してくれるショーツで、繰り返し洗って使うことができる。購入してすぐ嬉しくて、1日目の夜にはいて寝るという無謀なことをして盛大に漏らしてしまったのだけれども、月経カップからちょっと漏れてしまった経血くらいならバッチリ吸収してくれるし、3日目以降経血が少なくなったら私の場合はショーツだけで全然問題がなかった。それにややかさばる感は否めないものの普通のショーツに近く、生理前の「生理がくるかも?」と心配な時からはいていても不快感なし。というわけで、いきなり月経カップ&超吸収型サニタリーショーツ推しになってしまったのだけれども、これらも各企業さんにご協力頂き展示できることになっているので、ぜひ手に取って素材感や、大きさなどを体感していってください。

 この一連の性教育企画に関する情報は、下記の特設ページや、Twitterで発信中です。ぜひお立ち寄り&フォローをお願いします。

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京都上賀茂で「梟文庫」という私設図書館を運営しています。noteでは、「生活とケア」をテーマにぼちぼち研究します。毎週金曜日更新。https://www.fukuroubunko.com/

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