文房具業界のピンク色問題について
ピンク、ピンク、ピンク……。私は今、ピンク色の文房具に疲れてしまっています。いえ、ピンク色が嫌いであるわけではありません。むしろ好きな色です。そんな私が、どうしてピンク疲れを起こしてしまったか?
それは、メーカーさんからいただく商品サンプルに、ピンク色が多すぎるからです。サンプルを頂けるのは大変ありがたいのですが、どういうわけか、数あるカラーバリエーションの中から、ピンクのものを送ってくださるのです。
それは、私が女性だからでしょう。文房具業界に限らず、世の中には、「女性=ピンク好き」という思い込みがあるようです。その結果、ピンク色商品が続々と量産されているわけです。
しかし、「女性=ピンク好き」と思っている方は、ピンクという色を理解していないようです。ピンクや、ピンクを好む人の心理を理解していれば、めったやたらとピンクを使いたがるはずはないからです。
そもそも、ピンク色にはいろいろあります。ローズピンク、サーモンピンク、チェリーピンク……。ピンク色が好きな女性はたしかにいますが、それぞれに「このピンクが好き!」というこだわりのピンクがあるでしょう。また、年齢によっても好きなピンクは異なります。一般に、パステルなど薄い色調のピンクは女児が好む傾向があり、強い色調のピンクは大人の女性に人気です。ただし、パールやラメが加わるとこの傾向も変わります。
色だけでなく、素材も重要な要素です。パールがかったパステルピンクは、キャンバス地と組み合わせれば小学生女児向けになりますが、金属軸のペンなどの金属と組み合わせると、20~30代の女性向けになります。
駆け足ですが、一口にピンクといっても、このくらいは複雑なのです。
文具女子博の盛り上がりに象徴されるように、女性からの文房具需要が増しています。私は、これからの女性向け文房具に求められるのは、ピンクの乱用では決してなく、あえてあいまいな表現にしますが、「賢さ」や「華やかさ」だと考えています。私が監修した商品や商品パッケージにもピンクは使用されていますが、これらはきちんとした理由があって使われています。
ここで具体的なお話をしないのは、これ以上の詳細は、企業さまとのお仕事でお話しするものなので、契約上、お伝えできないからです。コンサルティングや開発のお仕事をさせて頂く場合には、ピンクについて、もっと具体で突っ込んだことを言わせて頂きます。
ぜひこれを機会に一度ピンク色の文房具について考えてみてください。
(写真のピンク色の文房具は私が気に入っている文房具です)
2018/4/26
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