田中美聡

田中美聡

最近の記事

読書から生まれる温かい空間

初めて読書会なるものに参加してみた。 同じ本を読んだ数人が集まり、思い思いの感想を話し合い聞き合う空間はとても温かかった! 単純明快な答えがない本を通じて湧き起こる感情は、自分自身の価値観や体験を写しているんだろうな 人の話を聞くこと、自分の話をすることで、考えが深まったり新たな視点に気づけたりするので非常に楽しい 1冊の本に対して深く語り「合う」と、初めましての人でも思考を垣間見れて面白い やっぱり、人1人でできることって限られてるから、価値観が近い人と繋がれると

    • 読んだ、学んだ、背筋が伸びた

      NHK『100分de名著』で気になっていた、オルテガ『大衆の反逆』。 民主主義に対してネガティブな言葉を聞くことが増えてきているのもあって、オルテガで『100分de名著』テキストデビューしてみた。 1930年というヨーロッパ激動の時代に、スペイン生まれの哲学者によって書かれた当時の民主主義を危惧する書物ではあるが、現代に置き換えても全く違和感なかった。 過去との付き合い方という意味でも、ここは印象に残っている。 古代ローマのカエサルが、急速に改革を進めることで古代ローマ

      • 無駄な感情はない、を唱える

        「羨ましい」という感情はなるべく持たない方がいいと思っていた。 確かに、他人と比較しても仕方ないから自分のことに集中しよう、というのは全くもって同意。 ただ、だからと言って「羨ましい」という感情を持つこと = 良くない、ではないと思う。 その感情に隠されているのは内なる願望だから。 「羨ましい」という感情が、自覚できていない願望に気づかせてくれることだってある。 もしかしたら、人には話しづらいと思うような、直視しづらい欲求剥き出しかもしれない。 でも、飾っていない素直な願望

        • 本を読むとき思い出すのは

          学生時代を含めても、今が一番知的好奇心に素直になれている感覚があって、日々読みたい本が増えていく。 ふと思い出すのは、小さい頃寝る前にいつも本を読んでいた父の姿だ。 当時父とどんな会話をしていたかとか、どんなコミュニケーションをとっていたかとか、正直全然覚えていないのだけど、一人静かに本を読んでいた姿はよく覚えている。 父娘、良好な関係性を築いていたとは言いづらかったこともあり、「何がそんなに楽しいのか」と不思議に思っていた。 今になって、あの姿は自分に染み付いていたのだ

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          変化は希望で希望は変化で

          先日の記事で、「エルピス -希望、あるいは災い-」の最終回を取り上げた。 恵那さんは『誰かを信じられることは希望』だと言った。 私にとっての希望は、変化だ。 何かを諦めたくなるときやしんどい思いをするとき、意識的か無意識かはさておき、現状は「変化」すると僅かでも信じられているからこそ、いつしか前を向けるようになるんじゃないかと思う。 未来に「変化」を見出すから、今大変な思いをしていても何とかやっていける、いつか楽しいと思える日が来るかもしれないと思える。 それは、1日や2

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          学ぶことで手にするプレゼント

          学び続ける動機を突き詰めると、「知的好奇心を満たすため」に着地すると思っていたのだけど、今まで不勉強だった分野を学ぶと少し景色が変わってきた。 何せ勘所が分からない分野だから、系統立てて学ぶことで、更地に立て看板を設置していくようなイメージで、自分の中に少しずつ目印を作ることができるようになる。 今まで見えていなかったあれこれが、おぼろげながらも少しずつ視界に入るようになる。 その結果、これは知的好奇心を満たしてくれる以外に、他者との対話の余地を広げてくれる行為、とも言え

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          ロールモデルがいなくても

          キャリアに迷ったとき、指針となるような存在、ロールモデルを求めていたことがある。 探しても結局見つからなくて、いつしかロールモデルを求めることはなくなり、今はそれで平気になった。 結局見つからなかった要因はいくつかある。 人それぞれキャリアに対する価値観が違う 生まれ持った特性や置かれている環境が違う 向かっている方向が違う ロールモデルを求めていたときは、こういうことに気づかず指針となる存在を探していた。 今思えば、足元のおぼつかないキャリア観に「大丈夫だよ」って

          ロールモデルがいなくても

          世の流れとの距離感

          技術の進歩で大きく世の中が変わろうとしていて、変化の過渡期を目の当たりにしている。 AIが仕事を奪う、と言われるようになってしばらく経つけれど、思ったより早く来るんだろうなあ。 逆に、新しい仕事を作ることもできるのだと思う。 世の中に大きな変化をもたらす技術に対して、楽観的になりすぎることなく、悲観的になりすぎることなく。 学びながら自分なりの適応方法を見つけることが、程よい距離感に感じる。 一個人としては、インターネットやSNSの登場による世の中の変化を当事者として体験

          世の流れとの距離感

          他人に期待しない、とは言うけれど

          健やかな精神衛生を保つために、他人には期待しない方が良い、と言ったりする。 確かに一理ある。 他人と自分は違う人間なのだから期待とは違う言動をされることはままあるし、ネガティブな感情になってしまうよね、というのはよく分かる。 基本的にはその姿勢でいたいと思う反面、期待したいと思える人、期待してくれる人がいるのはすごく素敵じゃないかな。 「この人だったら期待しても大丈夫そうだな」と思えたり、 「あなたには期待してるから頑張ってほしい」と言ってもらえたり。 お互いのプレッシャ

          他人に期待しない、とは言うけれど

          子供から大人へのグラデーション

          子供から大人になったのはいつだっただろう? 法的には20歳で成人したわけだけど、大学生だった当時大人だったかと言われると、全くもって、だ。 そこから10年以上経った今、ようやく大人になれた感覚があるのは何が変わったのか? 周りを見回してみて思うのは、自分以外の誰かや何かに対して、自分と同等またはそれ以上に関心を持っているかどうかだと思った。 思い返してみると、こうやって思考を自分に向けていたときは、内側から湧いてくる充実感はなかった。 「どこに就職するのが一番メリットがあ

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          ラベルのない関係性

          正義のあり方とか不条理との戦い方など取り上げたいテーマはたくさんあるけれど、「エルピス -希望、あるいは災い-」を観て一番心に残っているのは、恵那さんと岸本くんの関係性だ。 家族でも恋人でも友達でもなく、同僚と呼ぶには少し軽すぎるほど濃い時間を共有している。 2人とも、とある死刑囚の冤罪疑惑を晴らすために奔走するわけだけど、行動を共にしつつ、事あるごとに意見をぶつけ合うことで関係性を徐々に深めていた。 一番印象に残っているのは最終回。 岸本くんに感謝しながら言った、恵那さ

          ラベルのない関係性

          「何者かになりたい」からの卒業

          いつの間にか「何者かになりたい」から卒業していた。 はっきりと言葉にして認識したことはなかったけれど、誰かのことを羨んだり、自分に対して大きな不安を抱くこともあったから、無意識のうちに「何者か」になりたかったのだろう。 そんな願望は、気づかない間に消え去っていた。 大人になったんだね〜と緩めに祝杯をあげることもできるけれど、これには明確な変化がある。 それは「自分」を生きると腹を括ったことだ。 自分の足で立って歩き続けるのは難しいだろうと、心のどこかでスーパーヒーローを

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          かけているのはどんな色眼鏡か

          どんな人に対しても、どんな出来事に対しても、偏った見方はなるべく排除したいと思っている。 思っている。 ただ、偏らないようにどれだけ心がけても、何かしらの色眼鏡がかかっているのではないかと思う。 恐らくそれは、どれだけ成熟しようとも、知識を得ようとも。 持って生まれた気質やそれまで蓄積してきた価値観や、置かれている環境。 複合的な要因により、物事の捉え方に影響を及ぼす。 また、個人の意思とは関係なく「社会の一部としての一人間」という側面がある以上、時代の雰囲気から受ける

          かけているのはどんな色眼鏡か

          30代になったから分かったこと、良かったこと

          10代の頃、大人とはキラキラした毎日を送っている生き物だと思っていた。 20代の頃は、いつか何の迷いもなく自信に満ち溢れた日が訪れると思っていた。 30代の今、それらは幻想でしかなかったことに気づく。 今でもしっかり迷うし、葛藤するし、間違える。 いつになったら迷わなくなるんだろう、何にも心を惑わされることなく生きていくことができるんだろう、と思ったこともある。 しかし、多分そんな日は訪れないんだろうなと。 日々を暮らしていくことに「あがり」はないのだろう。 大事なのは、

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          かっこよくて好きな人

          年齢性別関係なく、「この人かっこいいな、素敵だな」と猛烈に好きになる人が定期的に現れる。 それはかなり直感的で、誰かに説明できるものじゃなかった。 (なぜこんなに好きになられているのか、相手からしたら不思議に思われていることもあるかもしれない) ただ、最近になり、彼ら彼女らの共通点が見えてきた。 自分以外の何かに愛情を注いでいるということだ。 人でも動物でも仕事でも。 彼ら彼女らは、当たり前のように自分以外を大事にしている。 自分を蔑ろにしているというわけではなく、自分以

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          しっくりこない服と新しい自分

          体型が変わってぶかぶかになってしまったワンピース。 見た目が好みで勢いまかせに買ったけど、いざ着てみると体のラインが出すぎてしまうTシャツ。 店員さんにごり押しされてついつい買ってしまった普段絶対着ないような奇抜なニット。 初見で『なんか変な感じ・・』となるあの気分は、居心地の悪さだと思う。 普段着ないような服に目が慣れてない。 サイズが合ってなくて借り物の服を着ているみたい。 あまり表に出したくないところまで見えてしまっている。 どれも、頭の中に描いている自分像と違って居

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