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声優とボイスコは別物だと理解せよ!

※先に述べておきますが、この記事はボイスコ批判ではないですよ。


最近SNSで見かけた投稿。

「養成所なんか通う意味ないよ。だって自分は養成所に通ったことがないけど、この10年需要途切れないもん!」

というボイスコさんの投稿。

この投稿とそのスレッドで、「声優になるために養成所に通う必要はない」ということを、投稿者とその周囲の方がしきりに話しておられました。

残念ながら、それは間違いです。

子役だったとか、宝塚出身だとか、余程何か特別な経歴があって一般公募オーディションから鮮烈なデビューを飾ったとか、そういう特殊なケースでもない限り、養成所に通わずして声優になる道はありません。
もちろん、自称であれば別ですし、ボイスコということなら話は別です。
この辺りを正しく理解するためには、ボイスコや声優をはじめとした、「声の仕事に携わる人たちの名称」について、正しく理解する必要があります。

ボイスコとは?

一時期ネット声優とも呼ばれて世間を騒がせていましたが、ざっくりいうと「声の協力者」の意味です。
昨今はフリーランスが増えているので、ネットで仕事をする声優=ボイスコというのは当てはまらなくなってきました。
フリーランス声優とボイスコは似ているようで違います。

報酬をいただいている方が居ないとは言いませんが、ボイスコは協力者なので、無報酬~低報酬で活動している方がほとんどです。
所属声優やフリーランス声優が声優を本業としているのに対し、副業や趣味として名乗っている場合が多い印象です。

声優とは?

ラジオの放送劇、テレビ・映画の吹き替え、アニメーションなど、音声作品や映像作品に、自身の姿を見せず声だけで出演する俳優である。
Wikipediaではこのように定義されています。
昨今では多様化が進み、顔出しの仕事なども増えていますが、そもそも声だけで出演する「俳優」なのです。

養成所に通わないと声優になれない?

基本的にはイエスです。
声優になりたいと思う人のほとんどが、アニメやゲームに出たいと考えているでしょう。
その場合、オーディションを受けられる事務所が決まっているため、まずは事務所に入る必要があります。
事務所に入るためには養成所に通うというのが、今の王道です。
極稀に所属オーディションが開催されていますが、何の勉強もしていない人がいきなり所属することはまずありません。
みなさんが知っている声優さんはほとんど間違いなく養成所に通ってから事務所に所属しいています。

極稀な例として、沢城みゆきさんがいます。
彼女を見て声優を目指す方も多いようですが、沢城みゆきさんは努力家の天才です。
1999年に新人声優オーディションに参加し、審査員特別賞を受賞。
演技未経験ながら役を勝ち取り、テレビアニメデビューを果たします。
しかしその後所属した声優事務所の養成所で改めて演技を学んでいるのです。
今は時代が変わってしまったのでそんな一般公募の夢のようなオーディション機会もなくなりましたが、沢城みゆきさんのケースは激レアで、同じようなケースはまずありえません。
そもそも沢城みゆきさんがとんでもない原石だった、ということなのでしょうが、彼女は努力家でもありました。
当時から毎日ハードな筋トレをして身体づくりをしていたそうで、「このくらいこなせない人が声優になれるわけがない」と考えていたそうです。
オーディションで賞をもらった当時まだ14歳だったことを考えると、相当しっかり将来を見据えていたことがうかがえます。

ともかくこれは1000年に1度規模の特殊なケースで、目指そうとして目指せるものではありません。
順当に学び、技術を身に着け、所属の機会をもらうためには、養成所に通うことが大切になるわけです。

声真似はダメなのか?

件の投稿内では声真似についてもコメントがありました。
「声真似がいけないと養成所では教えるが、声真似をしていても自分には需要がある」と。
結論から言えば、それはボイスコだからです。

真似をするのが悪いとは言いませんが、真似は真似です。
本家には勝てません。
本当にその声が欲しいなら本家に依頼すればいいのです。
もちろん予算の関係で大御所に頼めないから声質が似た人を、というケースはあるでしょうが、大御所の真似をしてくれというオファーがくることはありません。

面白いと思ってボイスオーバーの収録時に杉田智和さんが森久保祥太郎さんの真似をして採用されたという話がありました。
これは例外中の例外です。
少なくとも、監督から「森久保祥太郎の声真似で!」と依頼があったわけではないとのちに語られています。

声優の仕事で声真似が必要ないのは、中身がないからです。
長くなるのでそのあたりについては今回割愛しますが、真似のままではその人に頼む必要がないのです。
ですから、「声真似がいけないと養成所では教えるが、声真似をしていても自分には需要がある」というのはボイスコだから成り立つ理論なのです。

まとめ

ボイスコと声優の違いは挙げればきりがありません。
クライアントが違い、求められることが違い、だからこそボイスコで成り立つ理論は声優では成り立たないし、逆も然りでしょう。

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