古代ギリシア語の超初歩解説!

とりあえずこの超初歩解説の読むと、φιλοσοφίᾱをピロソピア(あるいはフィロソフィア)と読めるようになり、οὐσίᾱをウーシアと読めるようになります。そしてギリシア文字の上についているよく分からない記号(´᾽¯)の意味が分かるようになります。ご覧あれ。

古代ギリシア語のアルファベット24種類です。順番に大文字を並べるとΑΒΓΔΕΖΗΘΙΚΛΜΝΞΟΠΡΣΤΥΦΧΨΩ
小文字を並べると、
αβγδεζηθικλμνξοπρστυφχψω
というふうになります。では順を追って簡単に見てみましょう。

Α α(アルファ) 
音価(発音)は a(ア)。プラスアルファ、マグネットウォーリアーアルファ(遊戯王)のアルファ。おそらくギリシア文字の中で最も見かける頻度が高い文字。

Β β(ベータ)
音価(発音)は b(ブ)。マグネットウォーリアーベータ(遊戯王)のベータ。 

Γ γ(ガンマ)
音価(発音)は g(グ)。マグネットウォーリアーガンマ(遊戯王)のガンマ。

Δ δ(デルタ)
音価(発音)は d(デゥ)。マグネットウォーリアーデルタ(遊戯王)のデルタ。あと私はある人にその重要性について必死に説かれたことがあるので覚えているのですが、イプシロン−デルタ論法のデルタ。

Ε ε(エプシーロン)
音価(発音)は e(エ)。イプシロン-デルタ論法のイプシロン。

Ζ ζ(ゼータ)
音価(発音)は dz(ズ)。機動戦士Zガンダムのゼータ。英語のZ(ゼット)と形が同じですが機動戦士はΖ(ゼータ)なのです。

Η η(エータ)
音価(発音)は 伸ばすe(エー)。

Θ θ(テータ)
音価(発音)は th(テ)。sin,cos,tanのθ(シータ)は現代ギリシア語の発音。

Ι ι(イオータ)
音価(発音)は i(イ)。

Κ κ(カッパ)
音価(発音)は k(ク)。

Λ λ(ラムダ)
音価(発音)は l(ル)。

Μ μ(ミュー)
音価(発音)は m(ム)。ポケモンのミュウの由来はギリシア文字のミューなのではないか、という説があるらしい

Ν ν(ニュー)
音価(発音)は n(ヌ)。

Ξ ξ(クシィー)
音価(発音)は x(クス)。

Ο ο(オミークロン)
音価(発音)は o(オ)。

Π π(ピー、ペイ)
音価(発音)は伸ばす pi(ピー)。言わずと知れた円周率のπ(パイ)の起源である。

Ρ ρ(ロー)
音価(発音)は伸ばす r(ロー)。

Σ σ,ς(シーグマ)
音価(発音)は s(ス)。数学でよくみるあれである。比較的によくみられるギリシア文字の一つ。注意しなければならないのはシーグマには小文字が二つ(σ,ς)あること。σは語中で使用され、ςは語末で使用される。例:φύσις(ピュシス)(自然)

Τ τ(タウ)
音価(発音)は t(テゥ)。

Υυ(ユープシーロン)
音価(発音)は y(ユ)。

Φφ(ピー)
音価(発音)は伸ばすph(プ)。πとの違いは h(気息)があるかないかである。気息ありだと本当は息を相手に吹きかけるぐらいに強く発音するらしい。

Χχ(キー)
音価(発音)は kh(ク)。これもκ(カッパ)との違いは h(気息)があるかないかである。

Ψψ(プシー)
音価(発音)は ps(プス)。

Ωω(オーメガ)
音価(発音)は伸ばす o(オー)。オメガという時計ブランドがある。α 並みによく見るギリシア文字。

以上が古代ギリシア文字の全てです。ギリシア単語を発音するときはこの文字の音価の部分を発音すればいいことになります。例えば φυσις(自然)ですが、音価を足していくと「p(ピ)+y(ユ)+s(ス)+i(イ)+s(ス)」となりますので、「pysis(ピュシス)」になります。簡単ですね。しかし問題となるのはギリシア文字の上についている記号です。これも知っておかないと実はちゃんと読めません。次に記号を見ていくことにしましょう(続く)

注記
今超初歩解説しているのは、あくまで古代ギリシア語です。一般に古代(古典)ギリシア語というと、古代ギリシアのアッティカ(アテナイ)方言のことを指します。つまりソクラテスとかプラトンが使っていたであろうギリシア語のことですので、現代ギリシア語とは全く違います。現代とでは発音も違いますし、単語も違います。つまり日本語で言うところの現代日本語と平安時代の日本語(源氏物語)の違いに匹敵しますので、そこらへんは注意しといたほうが良いでしょう。




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