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ある事を極めた人、多くの事に優れた人

ある事を極めた人

私は幼少の頃、一本の剣に出会った。父から授かったその美しく光る剣を見て何故か運命的なものを感じ、その後二十年間に渡って剣技の鍛錬に明け暮れた。今では私に切れないものは無い。

しかし、と思う。──剣の間合いは短い。世の中には槍や弓といった様々な武器があり、より遠くの距離から敵を討つことができる。また、もし私が剣を持っていない時に襲われたらどうなることだろう。そう、私の技術は限定されたものなのだ。

私は今日、とある戦場にいる。長く続いた戦況は厳しく、多くの仲間が倒れた。そこで私は、一人の男と出会う。あらゆる武術に精通した男で、彼は私に羨ましいと言った。あなたは剣を持てば誰にも負けない、それが羨ましい、と。

彼は「提案がある」と言った。怪訝な顔をした私に対し、協力しようと言いながら拳を突き出す。私は一時彼の拳を見つめた後、微笑を浮かべて拳を合わせた。

多くの事に優れた人

私は幼少の頃、一本の剣に出会った。武術というものに興味を持った私は父から五年間剣術を学んだ後、その後に槍と弓、体術をそれぞれ五年ずつ学んだ。今では私に戦えない場所は無い。

しかし、と思う。──私が剣のみで勝てる相手は少ない。それが槍であっても、弓であっても、体術であったとしても私より優れた者は多い。また、もし世の中に私の知らない武器があったらどうなることだろう。そう、私の技術は限定されたものなのだ。

私は今日、とある戦場にいる。長く続いた戦況は厳しく多くの仲間が倒れた。そこで私は、一人の男と出会う。凄まじい剣技を持つ男で、彼は私に羨ましいと言った。あなたはどんな状況でも戦うことができる、それが羨ましい、と。

私は「提案がある」と言った。怪訝な顔をした彼に対し、協力しようと言いながら拳を突き出す。彼は一時私の拳を見つめた後、微笑を浮かべて拳を合わせた。


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