自分で選ぶことができること


私は、結婚するまで実家で親と暮らしていた。
昔っから母親に、
「あなたは足が太いからズボンが履けない(似合わない)」と言われ続け、
自分で履いてみて考える、ことすらせず、
ズボンは履けないと思っていた。

いま、めちゃくちゃ履いている。なんならスカートより履いている。
足が劇的に細くなったわけではなく、
足が太くても似合うズボンは探したらあると分かったし、長めのトップスを着ると細めのズボンを履いても太い足が目立たない。

ときどき、Tシャツをインしてわざと足を目立たせるスタイルで楽しむこともある。


でも、最近まで母に会うときには、ズボンはやめとこうかと悩んでいた。
呪いはなかなか手強かった。

ズボンだけではない。

花柄のワンピースも、
「あなたに花柄は似合わない」と言った母が頭によぎる。
でも、ずっと着たかった。

結婚して、母と離れて、子どもを産んで、夜中のネットサーフィンで勢い余って買って、
案外似合う…?いややっぱり似合わない…?と鏡の前でビクビクしてる私に、当時3歳の息子が、
「お母さんかわいい」

と言ってくれて、なんか全部晴れた。


母と会うと時々「そんな服も買ったん?」と言われ、その時は今でもビクッとする。でも、ビクッとするだけで、
「うん。気に入ってるねん」と返す自分がいる。

小学生の頃、サンタさんに
「エレクトーンで使うカバンが欲しい」と願い事をしながら、ドキドキしていた。もし、サンタさんのセンスが悪くて、母親に呆れられたらどうしようと思っていた。真面目に。

友だちと買い物に行っても自分は買うことはなかったし、服から靴から母が隣にいないと買えなかった、自信が全くなかった。

センスがない、と母から言われ続けていたことがずっとずっと私の中にあった。たしかに今もないかもしれない。
でも、1人であーでもないこーでもないって考えながら、ときに一目見て選ぶ買い物は、すっごく楽しい。 

楽しかったら、センス悪くってもいっか。
と今は思う。自分で選ぶって、最高!

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