見出し画像

移ろいゆく興味の矛先

私は自分のことを多趣味だとまでは思わないけれど、もしかすると他人より趣味が多いのかもしれないと思っている。もちろん、何をもって趣味とするのかは微妙なところだったりするとは思うけれども。

例えば、楽器演奏。

最近はもっぱらギターを弾くことが多いが幼少期から考えると、リコーダーだけでもソプラニーノ、ソプラノ、アルト、バスと学校教育で使うもの以外も演奏してきた。それに加えて、アコーディオンをやってみたり、中学生の頃はずっとアルトサックスを演奏していた。ただ、中学生の頃は立場上他の管楽器の演奏も出来る必要があると思い、ダブルリード楽器以外は一応音を出すことはできる。ピアノもある程度かじってきたし、ギターを弾くようになって気が付けば30年以上経過しているので、楽器演奏に関してはもはや趣味という次元ではない気がする。それでお金を稼ぐこともあるので、一応プロ意識をもって演奏しているが、新型コロナウイルスが蔓延しだしてからは、人前で演奏する機会を完全に失っている。

オートバイに乗る。

これは若いころからというわけではないのだけど、成人してある程度たってからではあるけど、大型二輪免許を取得した。それまでは普通自動車免許しか持っていなかったので、中免を経由することなくいきなり大型二輪。学生の頃、神戸の商業施設で展示されていたKawasakiのVULCAN 900 CLASSICというバイクに一目惚れし、それから10年近くたった後に免許取得とともに新車で購入した。通いなれた道や今まで訪れたことの無い山道、はたまた雨の降る街灯もほとんどない暗い田舎道を光量の強くないハロゲンのヘッドライトだけで走り、なかなかの恐怖心を味わったこともいい思い出。VULCANとは一生を添い遂げるつもりでいた(おおげさ)けれど、子供のころにあこがれたハーレーダビッドソンがいつの間にか私の心を侵食しだしていた。たまに通りかかるディーラーを窓の外から眺め、かっこいいなぁと指をくわえる日が続くのだと思っていた。あの日、ほろ酔いで店に入ってしまうまでは…

近所のディーラーに勢いで足を踏み入れた日、入口正面に控えていた白い大きなバイク(FLHXSE CVOストリートグライド)を眺めつつ、店舗の奥に足を進めると、黒く美しいアメリカン然とした中古車が私の心をノックした。FLD(Switch Back)といわれるそのバイクは先代のオーナーにより、本来くすんだアルミパーツだった部分がメッキパーツに変更されており、ひときわ輝いて見えた。そこに張り付けられたプライスカードには私がハーレーに抱いていた印象よりはるかに手の届きそうな数字が記されていた。

もともと、別の用事でたまたま通りかかっただけなので、後ろ髪を引かれる思いで店を出、本来の用事を済ませに移動したのだけど、ずっと何か引っかかっている。用事を済ませ、帰宅すべく歩みを進めていると、残念なことにまだディーラーは開いていた。見積もりを出してもらっている私がいた。

初めて、ハーレーを手に入れた私は浮足立ち、いろんなカスタムを行った。マフラーを交換したり、エアクリーナーを交換したり、挙句コンピューターチューニングまで手を付けた。気が付けば、ディーラーの常連のように店に入り浸り、スタッフといろんな話を通じて信頼関係を築いていったところ、私自身が自分の心を騙していることに気が付き始めていた。

あの日から店に訪れるたびに目が合う、大きな白いバイク、知っていた、初めて見た時にあまりの美しさに衝撃を受けたこと、美しさだけでなく、プライスカードに刻まれたその数値の大きさにも衝撃を受けていた。私が手に入れたFLDと比べると正直4倍以上の値段が刻まれている。中古車と新車の差があるとはいえ、軽自動車何台買えるんだよっていう値段。わかっているのに、目が合うとその美しさに息をのむ。高嶺の花とわかっているのに学園一の美女に恋をしてしまうように、私の心は完全にその白いバイクに奪われてしまっていた。

先日、5年目の車検を迎え、ボーナス月のローン返済額の倍以上の費用を支払った。金のかかるやつだ。。。

ボウリングが好き。

学生時代、バイトで社長さんの運転手をしていたころに、その社長さんの趣味だったボウリングに付き合って、いろいろ手ほどきをしてもらった。それ以来、学生時代のデートといえばいつもボウリングだった。それこそ、最初スコアが30行かなかった当時の彼女は、私と別れるころにはアベレージで140くらいをたたき出すようになっていた。私は200辺りをうろうろしていたけど。プロボウラーになろうかと思ったことが本気である。ただ、日本では男性プロボウラーってのは、それでは食ってはいけない。シビアすぎる世界だと知ったので、これは趣味として続けようと心に誓った。10数年前、生まれ育った地を離れ、東京にやってきたとき、友達もいない東京の街で息抜きをするために、歩いて行ける範囲にあった浅草楽天地ボウルで新しい靴とボールを買い、ロッカーを借りた。仕事終わりに立ち寄っては、1人黙々とボールを投げ続ける日が続いた。一人だけど、楽しかったのに、突然その生活は終わりを告げた。2010年1月31日浅草楽天地ボウルは40年の歴史をもって閉店した。ほどなくして、私自身も別の土地に居を構えることになった。近くにボウリング場があったが、何故か足が向かなかった。それから9年ほど真剣にボウリングをする機会がなかった。車がないとなかなかマイボールをもってボウリング場に行くというのも大変だというのも原因だろうとは思う。

ハーレーのディーラーを中心とした仲間たちでボウリング大会を開催することになった。負けられないじゃん?もちろん周りの人たちはいわゆるボウリング世代の人が多いけど、仮にもプロになろうと一瞬でも思った人間だしね。事前に練習しておこうと、久しぶりに球をもって出かけた。9年のブランクはなかなかに大変だった。9年の間に体重も大幅に増えたし、体幹も衰えている。とはいえ、昔取った杵柄。数日間練習するとコンスタントに180前後をマークするようになってきた。よせばいいのに、欲が出てきてもうちょっとしっかり練習してスコアを伸ばそうと練習を重ねると膝に違和感が…ボウリング大会では辛くも優勝することができたものの、後日エントリーしていた賞金が出る系の大会は棄権せざるを得ないほどまで膝を痛めてしまった。膝が回復してきたころには世の中的にボウリング場に足を運べない雰囲気になっており、あれ以来また投げる機会に恵まれていない。

キャンプが好き。

ハーレーに乗るようになってから、キャンプに行く機会に恵まれた。それまで基本的にインドア派の人間でバーベキューでさえ、他人に誘われない限り率先してやる人間ではなかった。それなのに、この数年間でキャンプ用品をそろえ、グレードアップし、今度はどのキャンプ場に行こうか?今度はどんな料理を作ろうか?そんなことばかり考えている。キャンプ場で眺める自然の美しさや、ゆったりと流れる時間、キャンプ場へ向かう道中のツーリングどれをとっても好き。あと、キャンプしていると自然の脅威を実感する。普段の生活では猛烈な豪雨とか、大地震くらいしか自然への恐怖は感じないと思うのだけど、キャンプ時は風が怖い。家にいれば何とも思わないレベルの風力でも、一歩間違えればテントはあっという間に飛ばされる。飛ばされなかったとしても、骨組みが破壊される。あと、闇夜に浮かぶ獣の目が怖い。確実にこちらをとらえ逸らさないキラリと光る一対の丸い球が不気味に思える。実はそれがネコちゃんであってもだ。しかし、それが自然。焚火を起こし、この自然の中に自分の生活基盤を一時的に整え、たとえ一夜であってもそこで生活する。最高のリフレッシュだと思う。朝は日の光と鳥のさえずりで目を覚ます。早朝からいそいそと食事の用意をし、並行して片づけを進める。時間の有効な使い方の練習にもなると思う。人生に刺激が足りないと嘆いている人にはぜひともお勧めしたい。とはいえ、そろそろ虫が活発に活動する季節なので、そろそろ個人的にはシーズンオフになるかも。夜も暑くて寝苦しくなりそうですしね。

他にも好きなものがある。新幹線とか、飛行機とか。でもちょっと話が長くなりすぎたので、またの機会に話すことする。

この記事が参加している募集

自己紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?