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2021年個展振り返り vol.1

去年は1つのグループ展と、2つの個展に出展しました。
4月のグループ展ではパリのスナップ、7月の個展ではモノクロポートレート、9月の個展では水族館写真の作品と、1年でこんなにバリエーションのある展示ができたのは初めて。

そんな個展の振り返りをしてみようと思います。

まずは、7月にギャラリーのこけら落とし企画展として開催された、モノクロのポートレート展「Canelé-カヌレ-」について。

 今回の作品は「自分を演出できる強い女性が撮るセルフポートレートの湿度と質感」をテーマとしています。

 カメラの前では、ナルシストな女性が自分が思い描く様々な自分を写真に収めようと、渾身の力でポージングしていながら、ナチュラルに見えるようにリモートシャッターを切っているイメージで、演じてもらいました。

 「Canelé-カヌレ-」はモノクロを連想させるお菓子であることと、外側はパリッと、内側はしっとりとしたふたつの顔を持つこのお菓子が、作品のなかの女性のイメージとぴったりと重なったことから、タイトルとしました。

 撮影者と被写体の女性二人の目線で表現した世界を、どうぞお楽しみください。

水咲 奈々

「Canelé-カヌレ-」ステイトメントより

ステイトメントにも記載しましたが、目指したのは「セルフポートレートの湿度と質感」でした。

『自分を演出して、それをカメラに収める行為は、しっとりとした湿度を感じます。
仕上がった作品はきっと、ビロードを幾重にも重ねたような質感を感じることでしょう。』

私的にはそんなことを考えながら撮影しましたが、見る方の想像にお任せしたい部分も多く、ステイトメントにはあまり多くのことを記載しませんでした。

使用したカメラはSIGMA fp L、レンズはSummarit 50mm F1.5で、すべてマニュアルフォーカスで撮影。
オールドレンズとモノクロのポートレートの組み合わせの作品は、2021年の始め頃から唐突に、でも猛烈に撮りたくなっていたので、発表の機会を得た途端、作品のイメージは速攻決まりました。

モデルの大川成美ちゃんは、作品のイメージが決まったときに「彼女しかいない!」と思ってオファー。

成美ちゃんがショートヘアーに変えてすぐくらいの撮影だったのですが、今回の私の作品のイメージに、ロングヘアーよりもぴったりハマった!

色々なパズルのパーツが、いいタイミングで組み合わさってできた作品と写真展でした。

撮影機材:SIGMA fp L / Summarit 50mm F1.5
モデル:大川成美


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