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しつこく言おう、何度でも。

周りは、自分の話を聞いてない。

他人は自分に、興味ない。

期待もしないし、されもしない。

……分かっているさ。

分かっている、けれども。

ていねいに説明しているときだって、心からの感謝を伝えているときだって、ふるえる感動を拙い言葉で表すときだって、相手に何も残らないのを前提にすることなんて、ないはずだ。

なんとか、相手の心の淵に、わたしの思いが届けばいいと思って、言葉を架ける。耳を傾ける。

「一生懸命やったのに」って悔やんでも「相手に届かなくちゃ意味ないでしょ」と言われたらぐうの音も出ませんよ。

耳を傾けようとしてくれない人の意識をこちらに振り向かせるには、一方通行だけではダメなんだ。

相手にその気にさせないと、わたしが手渡したいものを、相手に探させないと、ダメなんだ。

あー、なんて、ゴールの無いことを、しようとしているんだろう。

と、時々むなしくなることも、あるさ。

でも、しつこくしつこく、何度も何度も、もう要らないって言われるくらい、繰り返すことが後から効いてくることもあろう。

わたしが届けたくて何度も投げ続けたボールを、まるで相手が自分で見つけたかのように錯覚したら、それはわたしの、密かなる勝利。

誰にも見せるでも無い勲章を、ひっそり手に入れて、去りましょう。

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