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自力で起き上がれなくなったお正月 #16

家族全員がそろって迎えた2009年12月のクリスマス。

クリスマスは家族の日なので、お家で皆とゆっくりご飯を食べるという過ごし方が一番スキです。ケンタッキーのチキンバーレルに憧れています(*'▽')笑
ですが、うちは少人数なのでバケツは買えませんww

そのままゆっくりと冬休みの時間が過ぎ、無事に年を越せたと思ったのも束の間、、、。
2010年1月4日、母の体調が悪化し、救急へ行きました。
この時母の体力はかなり落ちていて、自力で起き上がるのもやっとの状態。
仰向けに寝ていてそのまま腹筋を使って起き上がる事は出来ず、
一旦うつ伏せになり、両腕をついて起き上がる、という方法でなければ無理です。

全身の筋力がかなり低下している、、、つまり「シモ」の筋力も衰えています。

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救急のベッドで横たわっている時、母が便意を催しました。
起き上がってトイレに駆け込もうとしたのですが、ベッドから2歩進んだところで足がもつれてコケてしまいます。その時点でトイレには間に合わず、、、という感じでした。

私はその一連の光景を目の当たりにしたとき、とてもショックを受けたのを覚えています。
自分の母親が足がもつれてコケるシーンなんて、初めて見たからです。
言葉が出てくるより先に涙が出そうになりましたが、母の手前必死にこらえました。

お医者さんからついに、自宅での療養は辞めた方がいいと言われ、そのまま入院することに。
今思えば、この日以降、母は1度も家に帰っていません。家で過ごす最後の時間がどんな風だったか、記憶が曖昧なままです。。。

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後日、医者から言われました。
「もう、腸がほとんど動いていない」と。

当時、それが何を意味するのか理解していませんでした。
「腸が動いていない」ということはつまり「栄養を消化吸収するチカラがない」ということ。ガンの広がりよりも、体力の衰えが先にやってくるようです。

それから毎日24時間、母の腕には点滴が繋がっています。
点滴針をずっと刺しているとどうなるか想像できますか?

同じ所に刺しつづけると血管や皮膚がもろくなり、針の穴から漏れ出てしまうので、刺す場所を変えていきます。

風邪などで病院に行った時に1時間ほど点滴をする場合、ひじの内側にしますよね?
これだと腕をすっと伸ばしたままにしておかないといけないので、24時間点滴する場は、
腕の外側に刺します。
場所を変えて針を刺すところがなくなると、今度は手の甲に刺すんです。
これは見てるだけでもなかり痛々しい。
だんだん針を刺している所が内出血するので、腕や手がアザだらけになっていきます。

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この時母の体重は39㎏でした。生きているのが不思議なくらいです。
寝返りをうつ体力もままならないので、床ずれを防ぐために、背中に三角形の専用クッションを置きます。
看護師さんが巡回の時にクッションや点滴の状態は見てくれますが、居ないときに自分で自由にクッションを差し替える体力はありません。
つまり、一度決まった体位はなかなか変えられず、自分の好きな時に好きな方向を向く自由すら無い状況。

母の所にお見舞いに来られた方も、その姿を見るや否や思わず涙があふれるほどです。
そんな母を毎日見ているのはかなり辛いです。

タバコが好きで「吸ってるうちは元気な証拠」と言っていた母は、もうこの時期には吸っていませんでした。

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次回「病院は3か月までしか居られない!?療養型病院とホスピス #17」

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