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病院は3か月までしか居られない!?療養型病院とホスピス #17

2010年1月4日に入院してから1か月半が経った頃、病院からこう言われました。
「転院先を探してもらえますか?うちの病院は療養型病院と言って、3か月までしか居られないんです。」

ん??
え??なんで??

意味が分かりませんでした。というのも、入院できる期間に上限があるなんて思ってもみなかったからです。

「療養型の病院」とは「治療して元気になって、退院してもらうことを前提として運営されている」病院。

大きい病院にそんな区分があるなんて知りもしませんでした。
ケースワーカーさんに相談したところ、選択肢は2つ。

①治療を目的とした病院を探して転院する
②緩和ケア病棟(ホスピス)のある病院を探して転院する

「お母さんとよく話し合って」と言われました。

そんな事言われても、何からどう話したらいいのか、、、
とは言え、3月末には病院を出なければなりません。

私は当然、①を選択すると思っていました。
でも母の答えは、②でした。

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これが何を意味するか分かりますでしょうか?

緩和ケア病棟(ホスピス)というのは、検索すると、
「一般病棟や在宅ケアでは対応困難な心身の苦痛がある患者への対応や、人生の最期の時期を穏やかに迎えることを目的とした入院施設です。がんそのものに対する手術や抗がん剤治療、ホルモン剤治療は行っていません。」
などと説明されています。

【がんそのものに対する手術や抗がん剤治療、ホルモン剤治療は行っていません。】
つまり、
ガンをやっつけるための治療はせず、痛みをやわらげたりするだけです。
回復して、元気になって退院する事は目的ではありません。

つまりつまり、
「死」を覚悟する、認める、受け入れる、ということです。本人も家族も、です。

あなたは、受け入れられますか?
目の前の家族はまだ生きているのに、、、。

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実際なそんな事もゆっくり考える間もなく、選択を迫られます。
転院先を検索して、どんなところなのか実際に見てみて、空状況を確認して。
家からの距離は、、何かあった時にすぐに駆け付けられるのか、、費用は、、スタッフの対応は、、院内はどういう雰囲気か、、
あらゆる情報を収集し、比較して、決定しなければなりません。
家族の身体がそんな状態なのに、これらの事を一人で行うのはとても骨が折れる作業でした。

何か所もあたってみないと空室が無く何か月も待たされることもあるみたいです。
幸い、2か所面談したところ、1か所はすぐにでも入院可能ということでした。

神戸市東灘区にある東神戸病院です。JR住吉駅から北へ徒歩3分ほどです。

東神戸病院


2009年3月8日に転院することになりました。
その日は現在入院している病院に迎えに行き、荷物を持ってタクシーで転院先に向かう予定でした。
ところが、朝の7時ごろ、病院から緊急電話がかかってきました。
私は前日もホステスの仕事がありましたので、まだ眠っていましたが、電話の着信音で起きました。
「母の意識がなく、危険な状態」とのこと。

病院に駆け付けると、気道確保の体位で酸素マスクを付けている意識の無い母が居ました。
バイタルはそれほど乱れていませんでしたが、白目を向いて、イビキのようなズーズーとした呼吸。
お医者さんが母の肩をたたき「娘さんきたよー」と声をかける。
私は母の手を取り、「ママ!」と声をかける。
その瞬間、母は意識を取り戻しました。
家族の声って、ほんとに特別なんですよね。ドラマとかでよくこんな光景ありますが、ほんとにそうなんや!と体験してみて思いました。

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母は余談を許さない状況だったので、そのままストレッチャーに乗せ換えられ、救急車で東神戸病院へ向かいます。

新しい病室に入ると母は穏やかに眠りにつきました。
おそらく今日は大丈夫だろうということで、私は帰宅し夜は仕事へ向かったと思います。が、正直よく覚えていません。

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次回「療養型病院とホスピスは、具体的にどう違うのか? #18」

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