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うつのみや花火舞台裏~その19:クライマックス~

「なんだあれは!すげぇ!!!」


グランドフィナーレの最初の花火が上がった時会場はどよめいていた。かくいう私も度肝を抜かれていた。そう、それは今までに見たことがない花火だった。


いったいどういう原理なんだろう。花火なんてただの炎色反応だと思っていた過去の自分を殴りにいこうかとさえ思うぐらい素晴らしい花火だった。
そしてそれ以降も雷都うつのみやを思わせる豪華で華々しい花火が観客たちを圧倒していた。


「あがんねぇ、あがんねぇって言ってっ結局上がってるじゃんかよ。」


こみあげるものを抑えながら私は見入っていた。もはやこれはただのボランティアの花火じゃない、体験型の花火だ。そう実感していたのだ。


日本が誇る世界の花火、その名に違わぬ素晴らしい花火が惜しげもなく夜空に咲いてはそして散っていた。花火は夜空を舞台に描かれる世界最大級のアートだ。会場を広げたことでダイナミックに打ちあがる花火はそれはもう圧巻だった。


しかしやはりちゃんと覚えておかないといけないのはボランティアの中には駐車場の警備やバスの誘導などで花火が見れないボランティアだってたくさんいるということである。私は運よくこのステージを任せてもらえたが、他のメンバーの担当している場所によっては見えない人もいる。


でも花火をあげるというたった1つの目標に向かって頑張ってきた。この花火を見る人たちのために。
そう、これは宇都宮市民の、宇都宮市民による、宇都宮市民のための花火なんだ。


そう気づいたときにはもう花火が終わっていた。
本当にあっという間の宴だった。


でもまだまだ私たちにはやることがある。私はフィナーレ終了と同時に赤く光る警棒を握りしめ、会場の外に向かって歩きだした。


つづく・・・

#おうちで花火うつのみや


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