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毎日が最高のアンチエイジング生活

ある分野の”エキスパート”な人もその昔は”ビギナー”な時代があった。そして”エキスパート”な人になった後にまたさらに何かにチャレンジすると”ビギナー”な顔を持つことになる。
”ビギナー”という響きには初々しさやみずみずしい感じが宿り、失敗さえも臆さないチャレンジングなイメージがある。ビギナーズラックという嬉しいおまけや、新しいずくめのワクワクの連続も嬉しかったりする。経験で得たカンが効かないけれど集中し試行錯誤して積み上げていく感じがいい。苦しいけれど楽しくて仕方がない・・そんな不思議な気分にさせてくれる。
果敢にチャレンジしていくことは気持ちを若返らせる。気持ちだけではなく脳も活性化され、付き合う仲間が広がり加速度がついたように生活が広がる。
その結果ワクワクホルモンをワンサカ放出するビギナー生活は、渋みを感じさせるエキスパート生活よりもアンチエイジング効果がある気がする。

ビギナー生活のきっかけ

そんなことを思う私は病院のリハビリテーション科で理学療法士として長年している。いろんな疾患やいろんな障がいに向き合ってきた。中でも特に脳性麻痺などの生まれながらに運動機能に課題を持つ子供たちのリハビリに長く関わってきた。それが自分の得意分野だと思い日々奮闘している。ようやく彼らの希望を叶えるための隠し球を使い分けられるようになった。
私を”エキスパート”と呼ぶにはなんだか物足りない気がしないでもないが、私が生活する地域の子どもたちの運動機能を最大限に生かせるようにお手伝いをしてきた。その中で、パラアスリートとしての資質を見つけ、育成することも楽しい経験だった。時には彼らの母たちの健康問題・エイジング問題にも対応してきた。
どこまでが仕事で、どこからが好奇心からの探究なのかよく分からない。とにかく毎日が楽しくてそうしてきた。
その楽しい日々に出会ったたくさんの疑問を解消したくなり、大学院に社会人入学した。そこでの時間があまりにも刺激的で楽しすぎたので気づけば博士課程後期も終了し、Ph.D.を取得していた。
どんなに勉強しても、子どもたちは新たにたくさんの難題を私に投げかけ、好奇心を煽ることをしてくる。彼らの”できるようになりたい!!”を一緒に達成したくて全力投球の毎日が続く。

気分は、荒野に1人で挑む開拓者

そんな私がひょんなきっかけで”がんリハ”と呼ばれる領域も担当することになった。そう・・兼任ではあるがビギナーの時間をもらうことになった。前任者がいたのである程度その領域は開拓されていたが、荒野へ本と1人放り込まれることになった。
私が学生だった頃には”がんリハ”という言葉はなかった。もちろん”がん”という疾患はあったが、がんとリハビリが合体するようなことは想像していなかった。仕事を進めていく過程でその領域ができたことは知っていたが、自分が関わることの内外の世界だった。
私を荒野へと送り込んだ上司は、別段何かを期待しているようには見えなかったし、そんな言葉もかけてはくれなかった。そりゃそうか・・・。
どうみたって1年生には見えない外見に、1年生の特権はなく、それよりも患者さんたちからは大いに何かを期待されている・・・そういう状況だった。
前任者が産休・育休を終えて戻ってきた時に、”ちょっと成長させといたよ・・”と言って返すことが出来るようにしておこう。そんなぼんやりとした目標を立てて臨んだ。子どものリハビリで元気をもらって、その元気をエネルギーにして分からない事だらけの新世界でがんと向き合う1年生生活をスタートさせた。
見ること聞く事全て新しいい・・・というほど新鮮な世界ではなかった。肝臓が破裂する・・・などびっくりすることもあったが、子どものリハ領域とたくさん経験した”脊椎・脊髄”のリハ領域を掛け合わせたような世界がそこかしこにあり、他領域での経験が助けになることがたくさんある領域でもあった。そのことが私の強みに一致したのかもしれない。とにかく領土が広くなっ領主の気分だ。そんな気分を満喫した。
想像以上に役に立つ自分を喜んだ。かわいいことを売りにできない1年生ならそれぐらいできないとダメか・・・。
新たな領域を手にしたことで、気づきの幅が広がる。
使ってなかった脳みそを揺り起こす感じ。
これって最高のアンチエイジング効果を受け取ってると思う。
とにかく、予想を超えるワクワク生活から若返り効果を存分に受け取り、高速でエキスパートを目指して走り続けている。

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