新社会人として
昔から、好きな食べ物は毎日食べても平気だし、好きな曲は飽きるまで1日何度も繰り返し聴くタイプだったと思う。こういうタイプの人って鬱になりやすいってよく聞くんだけど本当だろうか。
土曜の朝、目が覚めて時計を確認すると午前9時だった。遅刻だと思い慌てて飛び起きた瞬間に、今日が土曜日であることを思い出し、再びベッドに倒れ込む。薄くあけたまぶたから、カーテンの隙間から淡い光が差し込むのをぼんやりと眺める。
お腹空いたから何か買いに行こうかな、とかしばらくサボっていた風呂掃除をしなきゃいけないな、とかそんなことばかりが頭に浮かんでは消えてていき、けれどきっとその内のどれも、私はきっと手をつけないまま社会人の貴重な土日を怠惰に過ごてしまうのである。
昔から早起きが苦手で、夏休みの宿題もギリギリまで溜め込むタイプだった自分が社会人として普通の会社に勤める姿なんてまるで想像ができなかったけれど、24歳の私は案外普通のOLが板についている。別に仕事にたいしたやりがいがあるわけではないが、仲の良い友人と定期的に会ったり、たまにハメを外して飲んだりしつつ、それなりに楽しい日々を過ごしている。
まだ20数年しか生きていないなりにも、人生においてはドラマみたいな劇的なことは起きないし、理想と現実のギャップにそれなりの折り合いをつけながら生きていくことになるんだろうなあと悟ってみることもある。それでも小さなことに幸せを感じながらなんとなく満たされたような日々を送りたいと思っている。例えば雲ひとつない快晴の空を見上げたとき、とか給料日だから美味しいもの食べたとき、とか好きな曲を聴いてるとき、とか。そういうのが毎日少しずつ積み重なっていけばいいなあ。