透過と思い出
後悔とあざけりが
昔の音楽を泣いているひまに
雨がふるのを聞くがよい
上から下から
おまえを支える絆の糸が
落ちてくるのを聞くがよい
アポリネール「雨がふる」、『カリグラム』
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生きていくのだろうか、これからも。
気付いたら、生き永らえているだけの死体になってやしないか。
そんな不安を抱く傍らで、
今年はその姿を透過させようとしている。
「いい奴」でありたい。
それはずっと前から思っていること。
人に恵まれた一年だったけど、僕は「恵まれた」と思ってもらえる人であれたのだろうか。
いつだって無力感と不安が友だち。
自己評価は低い。
世間も他人もうっすら嫌い。
自分を騙しながら人と付き合っている。
相手に合わせたことを言って、その言葉に自分ががんじがらめになる。
そんなところは、今年も変わらなかった。
変えたいと思うものも、変えなくていいやと諦めているものも、変わらなかった。
自分への嫌悪感。罪悪感。
年が明けても、そんな思いは引き継がれる。
引き継がれて、しまう。
来年は自分を騙さないで、
自分に嘘をつかないで、
生きていけるようになりたい。
でも、いま好きでいる人を、来年も好きでいられるといいな。
望みながら、恐れながら。
年が明けるという変化はあれど、自分が変わるわけじゃない。
罪悪感も嫌悪感も、無力感も不安も、一切合切放り出したい。
このまま消えてしまいたいという思いもどこかにある。
けど、それも含めて自分だから。
思い出のない希望なんて、寂しすぎるから。
来年も頑張ろうね、自分。
変われるといい、じゃなくて、変えたいことは変える努力をするんだよ。
じゃあね。
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