画像生成AIで儲かるのか?FANZA編
1,AI専用フロア
まず、AI専用フロアがいつできたのか見てみよう。2024年3月28日である。この前後で比較すれば、AI作品の売上がどうインパクトを受けたのかわかる。
AI専用フロアを知らない方もいると思うので軽く説明する。例えば、あなたがエッチなゲームを買いたいとオンラインショップにアクセスしたとするする。「何か面白いゲームがないかな?」と検索をするとき、「ゲーム」ジャンルで検索するはずだ。そうすれば、漫画などは出てこない。「ゲーム」を買いたくて検索しているのに「漫画」が表示されたら迷惑だろう。それはゲームでないからだ。
フロアとは、この「ゲーム」などの作品群だけが一覧になって表示される仕組み(画面)のことをいう。
これと同じ仕組みがAI作品に適用された。例えば、AIで漫画作ったら、それは漫画ではなくAI作品なのである。AIフィルタをOFFにしない限り、漫画を読みたいなーと思った人が、漫画を検索しても、AI漫画は表示されない。なぜなら、それは分類上は漫画ではないのだから。AI作品なのである。AI専用フロアの出現はそういう意味である。
もちろんAIに抵抗のない人が増えれて、AIフィルタをOFFにしない人が増えればAI専用フロアがあることは有利に働く。
2,AI専用フロアをリリース後
AI専用フロアをリリースする前と後でAI作品は売上が下がったのだろうか?正確な売上金額はわからないが、どちらが売れていそうかの推測はできる。調べ方を教える。
まず、FANZA同人のトップサイトに行くと以下のような画面に行く。そして「本日の新着」をクリックして「AI」を選択する。
すると、その日に販売されたAI作品がおおよそ売れている順に並ぶ。なお、この日付はさかのぼることができる。画像では見にくいが、赤くマーキングした部分が売上比較に役立ちそうな情報が書かれている部分である。
まず、注目したいのは日付。これはAI専用フロア開設前か後かで分けるといい。4月18日を見てみよう。今日は4月19日で1日たったので、おおよその初動の売上は決着がついているはずだ。
4月18日(木)はAI作品が369タイトルが出たそうだ。さすがに笑ってしまう。1日に369作品ってなんだよってくらい多い。ちなみに、その日に出た全ての同人作品は、漫画やゲームなどを合わせて全492タイトルである。実にその日は75%がAI作品。ちなみに後で言及するが、75%も占めているくせに売上げは良くないと思われる。作品数の内訳は次の通り。
ゲームはたった6本なので、ゲームを出すと目立てるのがわかる。ただゲームを探す人はそこまで多くないと思うので、売上的にはコミックが強いと予想する。
さて売上を推測してみよう。492タイトルすべてをExcelで集計するのは面倒なので、上位10作品くらい見てみる。
まずは、手描き漫画を見よう。作品数は49タイトル。売上本数順に並べて、販売価格をかけてみよう。割引の計算がわからなかったので以下のように計算した。65万円儲かっている作家がいる。
4月18日(木)の売上本数上位10(手描き漫画)
さあ、次は手描きCGを見よう!以下通り。
次はAIを見よう!以下の通り。
思ったよりも手描きCGと比較して検討しているかもしれない。しかし、チェックする側はめちゃくちゃ手間かかっているし、AI作品が369タイトルのうち11位以下は、販売本数が1本とか0本も多い。108位以下から販売本数が1桁になっていた。つまり、販売価格を格安にしてもほとんどのAI作品は、一日たっても販売本数が70%が一桁なのである。
これが、値段を妥協していないならわかるが、110円とか220円で売っている。つまり、作家の手に入るのは、卸価格である55円や110円だから、500円とかそんなもんである。
1日目で売れないものは、その後も売れないというのは実感している。アルゴリズム上、表示する優先度が下がるのも。そろそろAI同人は儲からない臭いがプンプンしてきたと思う。ちなみに雑な計算をしているので、大幅な割引をしている分に関しては作家がコストをすべてかぶるので、もっと儲けは小さくなると思う。
FANZA同人でAIイラストを出力して儲けようと思っている思っている人!369作品の中で目立てる自信がありますか⁉と聞かれると、自信があります!と断言できる人は何人くらいいるだろうか。
でも、改めて売り上げを集計すると、AIを残そうかなと考えている理由も少しわかった気がする。
3,AI専用フロアをリリース前との比較
気が向いたら書きます…。結構集計が大変なので。あと、時間が経たないと商品が陳列されている時間で差が出ちゃうからね…。
(オマケ)AI作品が締め出しを食らった歴史
何度もこのNoteでは、販売プラットフォームから「AI作品は嫌われている」あるいは「扱いに困っている」という話をしてきた。かといって、将来を考えるとAI作品を締め出すこともできない。
そこで提案されたのが、AI専用フロアである。
AIが出たばかり頃、一部の人がAIでイラスト集などを大量に作り、スパムのようにpixivやAmazonなどに作品を送り付けた。商材屋に紹介されると最悪で、似たようなものが一気に出回る。その結果、粗悪な作品が大量にアップロードされ、手描きの作品がAI作品に埋もれたりした。
しかも、AI作品は品質のチェックをしてないことも多いので、無修正のエッチな画像などが混ざっていることもあった。これを販売プラットフォームで売られてはたまらない。販売プラットフォームにも責任が生じるからだ。
そこで、例えばFANZAなどの同人サイトではチェックを行う。しかし、数が膨大なわりに粗悪な品質なので、対して売れもしないAI作品にチェックする人の人件費を払うことになる。これはやってられない。
可能性は感じるが、節操がなさ過ぎてAI作品は最悪であるという印象がついたわけだ。場を荒らされた手描きのクリエイターからしても、たまったものではない。
雑な言い方をするとこんな感じになる。
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