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『HELLO,DESIGN 日本人とデザイン 石川俊祐(著)』 読了

Kindleで購入して、紙版も購入

デザイン思考について書いてある本、結構たくさん読んだけど、ぶっちぎりでわかりやすく、また、やってみよう!と強く思わせる本でした。

冒頭の、日本人とデザイン思考について

現時点では圧倒的に不足しているけど、無尽蔵のポテンシャルをもっているもの・・・日本では数百年という単位で「デザイン思考そのもの」といえる文化が脈々と続いていて・・・

この時点でグイッと引き寄せられて、あとは一気読みでした。
「海外でこんなかっこいい手法があるよー」の切り花文化じゃなくて、僕らに必要なもの、僕らが持っているものを光らせる考えに惹かれます。


作者の石川俊祐さんは本の最後で日本人に「読み・書き・そろばん・デザイン」という概念を広げたい、という熱い思いが込められていますが、本当に同感です。

デザイン思考のStepの最初は観察・対話で隠れたニーズを引き出す所から。

(本書より)

まずはつぶさに対象をみつめ事実を認識し問題点を抽出したり、物語を紡ぎ出していく。

自分がやろうとしているアート教育で獲得できるもの、一つ問題解決のための思考法のトレーニングとして新しい可能性を見いだせた本でした。

以下、メモ

・オフィスやカフェで話を聞くとその時点でインタビューはよそ行きの顔になる。→これは問診でも非常に注意しないといけないこと。主婦の真のニーズの話はとてもわかり易かった。
・エキスパート、その道の造形が深い人での面会
→チョコレートマニアの五感での味わいかた。「電気を消す、部屋の温度・湿度も調節する、(チョコを)割る音から愉しむ」は圧倒的衝撃。
・考え方や行動はステイタス(年齢・性別・成績など)とは関連しない。「どんな風に考え行動するか」で分けていく。
・日本人のきめ細かなおもてなしの心:料亭で箸を湿らせていた理由
・飲食の帰りにお茶が出る、靴が揃えられている、自販機、などなど。海外から見れば「超能力」といってもよい能力であり、それが日常に溶け込んでいる。
・人間中心の優しいデザイン
・石田三成三杯の茶
・日本人にかけているのはパッケージ化能力。すなわちブランドをもたせることが苦手なんだろうな。


デザイン思考ではなく馴染みの深い言葉を探すなら・・・と
「おもてな思考」「おもてなし思考」

Todo
・医療現場でのデザインの再発見
・デザイン思考とアート教育プログラムの整理

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