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死にたくない場所

最寄りの駅から池袋に向かって歩く
梅の花が咲来始めた神社を横切り、首都高をくぐり、池袋商店街を歩く
道を逸れるとラブホや風俗店が並ぶピンクの景色
2月の昼間から建物に入る人たち
風俗童貞の僕は思う
もし死ぬとしたら、あの通りでは死にたくない
あの建物の中では死にたくない
特段ピンクな街並みに嫌悪感や抵抗感があるわけではない
それらは経験不足から来る、知らないもの怖さかもしれないし
その場で自分の遺体が見つかった時の周りの目が怖さなのかもしれない
となると、死後の自尊心が保てない場所に行くのは自己肯定感を下げる要因になりえる
そんなことを考えながら死後までも周りの目を気にする自分を滑稽だと思い、口元が緩む

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