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ムーラン・ルージュ観劇

ネタバレしかない。


開演前、幕間、終演後、撮影可だったので、豪華なセット写真いっぱい撮りました!

これはライトが赤くてかわいいよを残したくて撮ってみた写真。
伝わる……?
うちのスマホの写真、色味がけっこう実物と変わってしまうから、
この手映した写真が一番実物の赤が伝わる気がする。

象と風車(回ってる)あるのやばくない?

うちは一番端の席で象さんがこんなかんじに見える座席。
開演したら邪魔では?と心配だったけど、客席暗くなると象も暗闇に紛れて全然気にならなかった、というか存在を普通に忘れる。

ジャージー・ボーイズみたいに、開演10分前くらいからキャストさんが出てきて、いつの間にか開幕してた演出。
えっちお姉さん出てきたのは、豪華衣装のえっちお姉さんだなと思ったくらいだったけど、

双子(?)えっちお兄さんがセンターから出てきたのはびびった。

えっちお兄さんのお衣装見ました??????
お胸出てるし、あの、形がわかるようなレースだったじゃないですか?
双子っぽい演出がまたえっちよね。ひとりじゃなくてふたりで絡んでるのが。
下手側で腕をゆっくりゆっくり絡めて、意味ありげに下手をじっとり、上手をじっとりとか、腰の曲げ方とか。その動きには何の意味が……?
なんかわからなすぎて、意味のわからなさがえっちだった。
この演出どうやって指導したん?そして、それを受け取って解釈して表現できる役者ってすごい仕事だ。えっちお兄さんもえっちお姉さんもすごい。(言い方)

あと、たばこ吸ってる上手側のえっちおねえさんがえっちだったな。
ムーランルージュの看板の使い方がずるい。

開演前のあの見せ方って謎次元じゃん。
まあ、舞台自体、謎次元の時が多々あるけど。(主役カップルが正面に向けて愛を歌ってるときとか、現実どこ向いとんねんってやつ)
どういうことを意識して、何を見せることを目的として、表現をしているんだろうと、すごく考えてしまった。
確かに客席に意識が向いてるのに、目が合わないというか、この演出の時は2階席でしか見たことがないから1階だと目が合うのかもしれないけど、
目が合うのすら演出になっていそうで。
お店の様子にしては、こう、夢の中みたいに取り留めがないというか。

自分もお芝居の勉強をしたことがあって、ちょっと似たようなシーンの作りを求められたことがあるし、先生の話にもこういうことを言ってたのかなと思うことがやめた今になってあって。未だにその正解の一例に出会うと考えるし、心からその作品を作り上げている人たちを尊敬する。

始まって2、3曲目くらい?のときの、後ろのカーテンが天井に仕舞われていくのの、動き方がすごくおしゃれで印象深かったな。天才だった。

今回、今までにないくらい予習してなくて、
観劇決めたのも、タイトル(デザインも含めて)と望海さん(退団公演チケ取れなくてそれ以降お顔見れてなかったので)だけだったから、
ビジュアルの恋人の二人と、予算がめちゃくちゃ使われてることと、望海さんのお父様が心配する露出お衣装だけ知っていて、
あらすじすら知らなかったんだけど、全然それで良かった。
超楽しかった。
舞台セットがまずすごいから、それと開演前のBGMで世界観掴めた。

二人の純愛が美しくて、すごく良かった。
サティーンがクリスチャンと出会った時、これから楽屋に来るのがクリスチャンだとわかって、嬉しそうに過ごすところが本当にキュンキュンするというか、そこからの「Shut Up And Dance」の流れが良くて。
楽屋での、「立ったままで」「初めてなんだ」「学校で習った」のすれ違いとかすごく好きだった。その気のサティーンがかわいい。
サティーンは始終お色気の人なのに、お色気というよりずっとかわいくて
サティーンという人物が愛される理由がよくわかった。
ずっとかわいくて、かっこいい。
サティーン、無理しないで。自分のための幸せを追いかけて。
サティーンがお姉さんでいようとしなくていいのよ。えーーーーん。

というか、トップスターがダイヤモンドと称されて、
舞台上にひとり、ブランコでキラキラ衣装で降りてくるのやばい。
あなたこそ、トップスター。
トップスターと呼ばれる世界から離れても、
もうこれはトップスターと呼びたくなってしまう。
一番端でも気にならないくらい楽しませて頂いたけど、
このシーンだけはセンターで浴びてみたいと思った。
ダイヤモンド……。

曲中に結核の匂わせからの、
え、あのシーンはうちの幻覚?と思うほどの軽やかなステップと笑顔がヤバくて。
あれがトップの、センターの輝き……。

曲がずっとポップだったのも、好きだった。
サントラすぐサブスクで落とした。
あんまり曲に詳しくないうちでも知ってる曲が何曲もあって。
超楽しかった。

もう、思い出した順に書いてて、申し訳ないのだけど、
クリスチャンがお酒飲むシーンのあの緑のライト演出がすごく綺麗で。
主人公闇落ちシーンがあんなにポップの雰囲気をもったまま、
幻想的で、しっかり狂おしさもあって、
今まで見たアニメや舞台の中で一番好きな闇落ちの景色かもしれない。
幻想的なのにそれなりに闇落ちしてるところがポイント。
あと、お酒で忘れさせようとするカンパニーの大人たちの悲しみというか
みんな路頭に迷いながら生きてきた人間だから、
なんでそんなことするのとか、責めるに責めきれなくて、
なんかあの雰囲気、カンパニーの人々の考え方、嫌いじゃなかったな。
あれがボヘミアン精神というのかな。違うかも。自分、全然詳しくないんで。すみません。
暗くなりすぎてなくて、好きだったのかも。
でも、その後の赤のシーンも含めて、ここはもうちょっと読み込んで解釈したいな。ちょっと1回だけだと意味が取れなかった。
もうチケも予算もないので、円盤がないとできないんだけどね。

てか、トゥールーズ!
トゥールーズという人物と作中における役割、良すぎ!!!!!!!!!!
サティーンとの関係性良すぎ!!!!!!!!!!!!!!
サティーンと話しているところ、一生見たい。待って、切なすぎるから、無理。
稽古シーンのこだわりも良いし。いやあ……良かったな。良かった。

さっきもカンパニーの大人って指した、登場人物もみんな魅力的なんよな。
敵役がひとりしかいない(あと、ピエールだったかな、支配人の愛人?スパイの)というのもあるのかもだけど。
明るさと家族精神(シスター)があるのが、うちは好きだった。
家族だからこそサティーンは逃げられないし、みんなも頼ってしまうというか今回は悲劇になってしまったけれど。
人物が死んでしまう系作品の終演後にたまに感じる、おまえらのせいだ、みんなのせいだ、人間嫌い(極端)、集団心理嫌いという不快感がないというのが、けっこう色々考え込んでしまううちにはかなりポイント高かった。

追記 4人のシスターのうち、ひとりが男なのが良くて、その子だったか な、カツラ外すと髪全部剃ってたの(違う子だったらごめん)。
それで、ここがなくなったらどうなるの?みたいなセリフ言ってたのが印象的だった。

いや、幕引きはとても悲しかったし、なぜサティーンだけこんな、と思ったけどね。今も受け止めきれん。
クリスチャンがなんか前を向いて終わってくれたから、それならサティーンも嬉しいかなと思って、サティーンの決意をとても感じたから、
これ以上のサティーンの幸せについて、こちらが考えるのは野暮かなと。
最後の最後まで、銃で撃つのかと思っていたから、そうじゃなくて良かった。闇落ち感情のままが一番もやもやするゆえ。
ちょっと違うけどグレート・ギャツビーが頭を過ぎって、クリスチャンが弾込めてる時はどきどきしたよ、うちは。

激ヤバ公爵閣下は?ナイトクラブは?
というか、あれは上演中の出来事よな?
のミュージカルあるある、その後どうなった、大丈夫か?案件も気になったけど、ミュージカルの幕引きにそれを求めてはいけないので。
でも、激ヤバ閣下、劇中の話聞くに愛する女亡くなっても関係者に復讐しそうな気がして。クリスチャンはまず身の安全を確保した方が良いのではと。

一番楽観的な考えはサティーンの命をかけたステージが好評でクラブはどうにかなって、閣下は茫然自失または怒り狂ってもういい!ってなった。
だけど、そうはならん気がするんだよな。

劇中劇やカミソリのくだり、あと頭の華やかなショーからクリスチャンの語りが入って、またシーンが戻る流れとかの脚本・演出の構造も良かった。
ここはまた思い出したら付け足すかも。こういうストーリーの見せ方の構造を考えるのが好きで。
劇中劇がムーラン・ルージュそのもののオマージュなのに、セリフが多い、プロレタリアと言われていて、本編が真逆のポップ音楽の歌、ダンス、ショーで表現されているのが、皮肉というか、面白いよね。

カテコで冒頭の曲たちを再び披露するのが、
サティーンの葬儀で下品な曲歌ってを叶えているように思えて、
涙を堪えてた。だから、カテコで終わったような気がしなくて、
実際サティーンが出てくるのは最後に挨拶する時だけだから、
カテコというより、葬儀、なんだろうな。

またなんか思い出したら追記します!
以上!

追記

ずっと……、サティーンのことを考えていた。
「Shut Up And Dance」がとにかく好きというか、深く印象に残っていて、
曲が元々好きというのもあると思ったんだけど、そうではない輝きがあって、それはなぜかを考えてた。

あのシーンがサティーンの人生の中で一番輝いていたように思う。
うちはサティーンじゃないから、それはサティーンにしかわからないことだけど、数あるロマンチックで美しくて、心が動くシーンの中で、輝くという表現をしたいのが「Shut Up And Raise Your Glass」(サントラのタイトル)だった。

本編の序盤ではあるけど、サティーンはもう自分の人生がそう長くはないことを無意識下に悟っていたんじゃないかな、そんな中で素直に自分を見つめてくれるクリスチャンに出会えた瞬間って、それはもうサティーンの人生の中でもっとも、「幸福」という言葉も当てはまらない、もっと複雑なものを含んだ、言葉にしようがないほどの、とてつもなく大きなことだったのではと。

明らかに大金持ちの様相ではない、普段のサティーンならそんな明らかな
カン違い絶対にしないだろうに、何もかもを捨てることになってもしたい
カン違いをこれも無意識下ではあるけど、自分に許しているんだよね。

正直、うちにはクリスチャンにそこまで魅力があるようには思えなかった。
素朴なとても良い人だと思ったし、音楽の才能もすごいと思った。
けど、何よりも彼を魅力的に映しているのはサティーンだった。
メタな話、ミュージカルの中心に立てるキャラクターにクリスチャンがなれているのは、とにかくサティーンが彼を愛しているから。サティーンがそれだけ愛しているのだからという説得力。
この脚本書いた人、クリスチャン、サティーンを生み出した人すげえよ。
まず、クリスチャンという名前がこういうポップなミュージカルのヒーローには向いてなくて、これはそういう意図でわざとなんだろうなと。
とにかくこの物語はサティーンの物語なんだというのが、クリスチャンによく出ていて、はあ~~~~~~~~~~~~~

付け足し
うちが観た回は甲斐さんだったんですけど、好きでしたね……。
今調べたら、うちと年齢が2つしか違わなくて、うわ、クリスチャンって確かにそんくらいかもと。クリスチャンのちょっとした頼りなさの根拠を見た……。良い……。

「Your Song」「Elephant Love Medley」(エレファントラブメドレーってでかスケールタイトルよ)と、舞台の見せ場であり、ふたりの愛の象徴シーンがあるにも関わらず、うちが一番惹かれた「Shut Up And Raise Your Glass」は、ジェットコースターに乗る前の、落ちる前のところなんだろうな。
そこから、頂点まで登って、あっという間に地上に落ちる。
てっぺんがあるからこそ、儚くて、ドキドキする、そんなシーンだった。

去年?一昨年かもしれない。うちの祖父が亡くなったんだけど、
肺ガンが見つかって、もう歳だし、酒もたばこもしてたから今まで見つからなかったのが不思議なくらいで、ほとんど驚かなかった。
とにかく頑丈な人で、あまり弱いところを人に見せたくない人だった。
(お酒飲むと、寂しがりで本当は人に認めて欲しいところが出てたけどね)
病気が見つかってからが、本当にあっという間で、みるみる弱っていって、
最後に病院を出てやったことが、農具の片付けだった。
母がやっとずっと働き者だった祖父の世話をすることで恩返しができると思ったのに、ほとんど出来ずに逝ってしまったと悔いていた。
けど、その母が祖父を世話できた数ヶ月も、祖父がわざと母のために残した時間だったんじゃないかと思ってる。
病気が見つかった時点で、祖父の中での祖父は死んでしまっていたのではないかと思った。そこからはただ旅立つ準備をするための時期だったのではないかと。

人は自分以上に大切なものを見つけることや、強く意識している自分像を持つことで生きているんだなと、何か、肉体的な理屈じゃなくて、大切なものを失ったり、サティーンの場合は長く短い人生の中でようやく見つけることができた何よりも大切なことを得たことで、死を迎えたのではないのかなあと思った。